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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十章 死神王

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第360話 死神王降臨 - 邪眼を取り戻しに来た死の王 -

 世界ギルド・フリージアの屋敷が大爆発を起こし、大炎上していた。跡形もなく吹っ飛び、ギルドメンバーの生死も不明。



「いったい、なにが……」

「兄様、炎の中から人影が!」



 フォルの言う通り、ゆらりと影が現れた。



「コイツは……?」


 姿を現す男。



「兄様、あの黒髪の男は……」



 僅かに赤いメッシュが掛かっていて、独特で不気味な髪形をしていた。そこに異様に整った顔立ち。冷徹に俺たちを赤い瞳(・・・)で見下していた。



 ――なんだ、この雰囲気。

 まるで、メサイアに近いような。



「私はハロス。回りくどいのは嫌いでね。単刀直入に言おう――私は『死神王』だ」

「なっ……」



「突然の出現に困惑しているね。けれど、これは『フォーチュンの導き』なのだよ。恨むのなら、その聖女の信奉する神を恨むがいい」



 フォーチュンだと!?



 フォル……フォルトゥナが崇拝し、崇め奉る神の名だ。その正体は未だに掴めないが、確かに存在する神様だ。



「フォーチュン様が……ありえません! 貴方のような邪悪な存在を導くなど……。しかも、その加護はわたくしのもの。他人が持ち得るものではないし、まして死神なんて……」



 信じられんとフォルは驚く。

 そもそも――。



「死神王だって……ふざけるな! 死神の時代はとっくに終わった。全滅したはずだ! なぜ生きている……てか、死神王だって? おかしいだろ……!」


 そう、おかしい。

 コイツの眼は確かに――。



 ……いや、まさか。そのまさかなのか。




「察しがいいな、キミ。そう、私はお前の眼を取り戻しに来た。もっとも、私の眼だがな。返して貰おうか『死神王の邪眼』をな」




 やっぱりか。やっぱりこの眼が目的だったか。だが、なぜこのタイミングなんだ。おかしい、今まで出てこなかったヤツが、いきなり出現とか何の突発イベントだよ。



 フォルが不安気に手を握ってくる。


 俺は……。



「おい、死神王だか何だか知らねえけどな、こっちはスターゲイザーの対応で忙しいんだよ。終わってからにしてくれ」



 ハロスは舌打ちして、地面を軽く蹴る。

 すると、激しく土砂が舞って来た。



 俺はフォルを抱えて回避。ついでに【オートスキル】が発動、血の煉獄が土砂を燃やし尽くした。



「今の私のこれは義眼だが、私には数多の死神スキルがあるのだよ」

「なっ、もう近くに!」


「そう、お前も知っているし、使えるだろう……『オーバードライブ』……!」



 オーバードライブ。

 あらゆるステータスを底上げする死神専用スキル。何百倍にも跳ね上がる代わりに、大量の魔力を消費する。



「なら、こっちも使ってやるよ……『オーバードライブ』!!」



 向こうもだが、俺の全身が赤くなる。

 最中、フォルが訴えて来た。



「……降ろして下さい。わたくしを抱えたままでは……兄様の邪魔になってしまいます。……こんな事なら、わたくしは来ない方が……」



「それは違う。俺がフォルを連れてきたかったし、このままでも戦える。お前の運は人間を幸せにする力があるからな。借りるぜ、フォーチュンの力!」



 うるっと瞳を潤ませて、フォルは笑った。



「……はいっ」


 そうだ。俺は聖女を抱えたままでも戦える。



 なぜなら【オートスキル】こそが俺の真骨頂だからだ。手足を使わずとも、魔法も、支援も、補助スキルでさえ発動する。それが俺の最大の強み。力だ。



「いくぜ、フォル。ぎゅっと思いっきり掴まってろ」

「分かりましたっ」



 フォルの柔らかい感触を感じながらも、俺は突っ走った。



「逃がさん。貴様の邪眼を取り戻すまではな!」


 目の前に現れるハロスは、俺の眼に手を伸ばしてくる。だが、今日の俺は一味違う。フォルを抱えている為、幸運値が異常にアップしている。



 ――よって。



『世界終焉剣・エクスカイザー×100――――!!』



 自動生成される大型剣。

 邪悪な炎を纏う黒剣は、宙を舞って死神王・ハロスを追尾していく。これは俺も驚いた。幸運値が上がると、こんな芸当も可能になるらしい。



「――くっ、この剣は……私がコンスタンティンに譲り渡したものではないか。あの愚か者、このような男に奪われるとは」



 そうだったのか。だが、今は細かい事を考えている暇はない。剣を自由自在に操り、ハロスを追い詰めていく。



「この数は厄介だが……!」



 空高く飛び跳ねるハロスは、百本の剣を身体を捻り回避。宙を三段ジャンプして、後退していく。なんて人間離れした動き。さすが死神王か。


 しかも、こっちに来やがる。



「なら、剣と挟み撃ちにしてやる……」

「わたくしも」



 頷き、フォルと呼吸を合わせる事にした。

 今は力を合わせるべきだ。



 俺とフォルといったら、これしかない――!




『覇王天翔拳――――――!!!』

『覇王天翔拳――――――!!!』




 ハロス目掛けて無数の拳を打ち上げた。

 ダブル奥義が激しい轟音の共に向かっていく。ヤツの背後には『世界終焉剣・エクスカイザー×100』も接近中。これなら仕留められる。




「「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」」




 ついに奥義と剣はハロスへ激突。

 空中で大爆発を起こした。

 先程の屋敷の爆発よりも大きな火力となって、連鎖爆発を起こしていた。これほどの大打撃ならば……やったろ。




「どうなった……」

「……気配は……あ、ダメです。気配を感じます!」




 爆炎の中から無傷の姿で現れるハロスは、不敵に笑う。……くそ、笑ってんじゃねぇよ。



「人間にしてはやるじゃないか。少しは褒めてあげるよ。でもね、さっきの攻撃で多少のダメージを受けたけれど……ご覧の通り、私には『トートヒーリング』という自然治癒スキルがあるのでね。そう簡単には傷を負わない」



「そうかよ。なら、一撃(・・)で葬るしかないって事だな」



「一撃で? 不可能だ。この死神王であり、全ての(・・・)死神スキルを保持している私を滅ぼすなど……絶対に無理だ」


「かもな。その前に教えろ。どうしてお前は現れた……どこからやって来た?」



 アレ(・・)を使う前に聞いておきたかった。



「言ったろう。フォーチュンの導きだとな」

「そうか……分かった。フォル、眼を閉じていろ」

「え……まさか」



 俺は眼を閉じ――



「貴様!」



 ハロスも驚き、察したようだが……もう襲い!!




『死神王の邪眼!!!』




 消費魔力が大量で、消耗も激しい為に使用を避けていた【邪眼】を解放した。これで敵には、あらゆる呪いに掛かり、俺にはオーバードライブ以上の恩恵が与えられる。



「その前にお前の存在を消し去る……」



 発動前に飛んでくるハロス。



 させるかあぁぁぁぁぁぁぁッ!!

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