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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十章 死神王

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第358話 女神の愛

 幸せそうに寝ている女神(メサイア)の顔を見て、俺は安心した。家に到着して、ベッドへ寝かせようとするが。



「……あれ、私」

「起きたか。お前は泥酔状態になって潰れていたんだよ。俺が背負ってここまで運んできた。ちょっとトラブルもあったけどな」



「え……トラブルって、もしかして、あれ夢じゃなかったの!? なんか、薄っすらだけど、変な男連中に(から)まられていたわよね!?」



 その通り。

 さっき襲われて、メサイアを奪われそうになった。それを説明すると、本人は顔を青くして、震えていた。



「うそ……ヒュドラが。それ、怖すぎ。私、サトル以外の男に触れられていたっぽいし……うわ、最悪、気持ち悪……」



 うぷっと口元を上品に押さえるメサイアは、気分を悪くしていた。仕方なく、俺は彼女の背中を(さす)った。



「大丈夫か」

「……うん。ありがと」

「ほれ、水も飲め」

「あ……うん、って、サトル、なんか優しくない?」



「前も言ったろ。聖女生活のおかげさ。俺も成長したんだよ」



「そうだったわね。……ふぅ、少しは酔いも覚めたわ。汗も()いたし、シャワーでも浴びてくるかな。サトルも来る? 続き、したいでしょ……?」



 いきなりのお誘いに俺はドキッとする。

 正直、俺は我慢できなかった……。



「メサイア、このまま……ここでしよう」

「……お、お酒臭いと思うし、汗だって……」

「どうせ汗なんて()くさ」



 今夜までは二人きりだからな、この時間しかチャンスはなかった。この()を逃すと、しばらくは何も出来ない。だから――。



「もう……分かった。でも、優しくしてくれなきゃ嫌よ」

「分かってる」



 観念したメサイアの唇に重ねていく。お酒の残り香があったけれど、それが今では美味に感じていた。あんな不味い酒だったのにな。



 いや、最後のファジーネーブルが効いているのかもな。甘味を感じたから、そうなのかもしれない。



「……」


 黙ったまま、俺はメサイアをベッドへ押し倒す。



「……サトル、脱がせて」


「ああ……いっぱい愛してやるからな」

「……私もサトルを愛している」



 それから時を忘れ、激しく乱れ合って――気づけば朝を向かえていた。



 ◆



「――夜明けか。随分(ずいぶん)頑張(がんば)っちまったな」


 メサイアを、そっと、優しく抱きしめて俺は眠りについた。



 ・

 ・

 ・



「おはようございます、兄様――って」

「おはようございます、サトルさん……え」



 フォルとリースが帰って来たらしい。

 早々、驚いた声を上げ、固まっていた。



「ん、どうした二人共…………あ」




 メサイアと重なり合ったままだった。





「あああああああああああああ!!」




 叫ぶと、メサイアも起きて――



「なによ、うるさ……きゃあああああああッ!!」



 叫んだ。



「ちょっと兄様! 姉様とナニをしていらっしゃったのですか!? わたくしは!? わたくしも早く愛してくださいまし!!」


「ナニって、マッサージし合ってただけだが」

「なんて白々しい嘘を! 裸のマッサージなんて……ない事はないですね。ですが、許しません!」



 笑顔でこちらに飛んでくるフォルは、修道服を投げ捨て、俺に(から)みついてきた。



「うわ、お前な……分かってるよ、次な」

「ええ! 絶対ですよ、わたくしも姉様と同じくらい愛して下さい。兄様と離れるつもりなんて、これっぽっちもありませんから!」



 やべえ、この聖女、顔が本気(マジ)だ。


 まあ、フォルはこの辺り寛容(かんよう)だからなあ。



「サ、サトルさん……あたしは!? あたしもって約束したじゃないですかぁ」

「リ、リースも次な」

「絶対ですよぉ……」



 涙目で訴えられ、俺は心がちょっと痛くなった。



「――というわけだ、メサイア」

「はぁ……そうね、今に始まった事でもないし。幸い、世界が変わっちゃって、一夫多妻も認められているしね。いいんじゃない」



 とまぁ、割と軽く認められた。



 そうそう、レメディオスは一夫多妻が認められていた。だから、貴族で嫁が二人、三人なんて珍しくない。大貴族ともなると、嫁が七人ってヤツもいるらしい。最高の国かよ。



「兄様、兄様ぁぁぁん♡」


 フォルがグイグイ来る。


「サトルさん、あたしもっ♡」


 リースもグイグイ来る。



 困ったな、俺の身体(からだ)はひとつしかないぞ。

 みんな(まと)めて相手するしかないって――事か!



 マッサージらしき行為をな!

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