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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第九章 温泉開発

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第350話 聖獣の反射能力 - ホーリーリフレクト -

 女神の力が幻聖獣・カイザーホースへ向かって行く。



『キィィィィィィィ!!』



 カイザーホースは瞳を光らせ、バリアのようなモノを展開しやがった。……マジかよ!


「あ、あれは……ホーリーリフレクトですよ!」

「エコ、知ってるのか」

「ええ、まずいです。ネメシアさんのスキルが!!」



 エコが焦る通り、ネメシアの放った一撃が反射(・・)され、こちらに弾き返されていた。嘘だろ!?




「そ、そんな……ヘデラ、わたし……」




 その反射された女神の白き力は、ネメシアへ撃ち返され、彼女は――




「きゃあぁぁぁぁぁあぁあ…………!」


「ネメシアああああああああああああああああああああああ!!!」




 ……嘘だ。



 あんな反射力があるだなんて……。




 視界が戻ると――




 ネメシアが地面にぐったりと横たわっていた。



「…………おい」



 ネメシアの元へ駆け寄って、彼女を起こす。



「………………そんな、うそだ」



 息をしていない……。




「…………ネメシア……、うああああああああああああああああああああああああああああああ」




 なんだ、これは。

 こんなの俺は望んじゃいない。




 ネメシアだけは……娘だけは……絶対にこんな不幸な目には遭わせないって……守り続けていたのに。



 あの馬が一瞬で……。




 幻聖獣・カイザーホースが接近してくる。



「……」



「ヘデラ、ネメシアは!?」

「ヘデラ様、ネメシア様は……まさか」



 トーチカとエコが様子を見に、駆け寄って来る。




「……ネメシアを頼む、トーチカ、エコ」



「そ、そんな……ネメシア、息してない……うそ、うそだよぉ……」



 トーチカは、ボロボロと涙を流していた。



「……あの反射の……たった一撃でネメシア様が……。ヘデラ様、まずいですよ。あの幻聖獣・カイザーホースは最強の反射『ホーリーリフレクト』をお持ちのようですよ。あらゆる魔法攻撃を反射するのです」



「そうだろうな、エコ。でも、それでも……俺はヤツを(たお)す!! ネメシアを奪ったあのクソ馬を許さん……! あれを召喚したファルシオンもな!!」




 涙を拭って、俺は怒り(・・)に燃えた。


 これ以上、奪われてなるものか!!




「神聖だか、なんだか知らねえけどな……てめぇを殺す!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」




 魔法攻撃はダメだ。

 反射してくるなら『物理攻撃』しかない。



 ならば、俺の槍でいく!!




『真・覚醒聖槍・ロンゴミニアド!!!!!!!!』




 即黄金の槍を生成し、俺は投げた。




『キィィィィィィィ……』




 まさか、また反射か!!

 だが、槍は『物理攻撃』と『魔法攻撃』を併せ持つ。エコの情報が確かなら、物理攻撃は反射できないはず!!




「いけよおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!」



『キィィィィィィィ……!!』




 だが、覚醒聖槍・ロンゴミニアドでさえ撃ち返して来やがった。……なっ!! 馬鹿な!! ありえねえ! 両方対応かよ!!




「くそおおおおおおおおおおおおおお……」




 ああ……



 ダメだ。ダメだ。諦めちゃダメだ。ここで諦めても何にも成らない。前へ進め。俺は諦めたくない。まだネメシアを救いたい。救える。救えるんだ。彼女の想いの為にも、彼女が切り開いてくれた未来の為にも、なにも無駄にできない。



 怒れ……。



 俺は立ち止まらない。いつ何時(なんどき)も足を止めず、前へ、前へ進んでいく。あの笑顔を取り戻す為、また笑顔を向けて貰う為にも諦めない。



 怒れ……。



 ネメシアはどんな時でも諦めなかった。俺の為にずっとずっと傍にいてくれた。辛い時も悲しい時も嬉しい時も……どんな時も。俺をずっと想ってくれていた。今回の何気ない温泉事業にだって、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれた。



 怒れ……。



 取り戻すんだ。未来を、未来を、未来を。過去ではない、未来を。先を。怒りを、怒りを、怒りを!!




「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」




 幻聖獣・カイザーホースに向けて、俺は全身全霊を懸けて一撃を放った。






『――――――エンデュランス!!!!!!!!!!!!!!!!』






 物理も魔法も超越する(・・・・)、怒りのパワー。

 憤怒が限界を超えた時、それは目覚める。




「カイザーホース、これで、消えろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」




『―――――アァァァァァァァァアァアアァァァ……………』




 ・

 ・

 ・



 (まぶた)を開けると、そこには――




「……馬鹿な」



 幻聖獣・カイザーホースが堂々と立っていた。




「俺の……最強技が……きかねえだと…………ん?」



『――――これが、理の力か。恐ろしくも、しかし、優しい力だ。……我が主、リリを助けてくれた事、礼を言おう。これで私の役目は終わりだ』



 キラキラと星のように消えていく、カイザーホース。……って、リリの? 嘘だろ……彼女の幻聖獣だったのかよ。何者だよ……あの女の子。



 そして、分かった。



 ファルシオンは、リリを脅していたのか。だから、あんな強すぎる召喚獣を扱えたんだ。くそう、どこまで卑怯なヤツなんだ。



「……そうだ、ネメシア!!」



 くるっと向いて、俺はネメシアの方へ。



「……トーチカ、ネメシアを」

「…………っ、うん」



 ……ああ、くそ、こんなに冷たくなって。



「ネメシア、ごめんな。すぐ助けてやるからな。……エコ、お前に頼みがある」

「了解です。救世主(メサイア)様の元へ向かわれるのですね」


「ああ、ネメシアはまだ死んではいない。息がないだけだ……。だから、メサイアなら助けられるかもしれない」



 エルフの姿になったエコは、俺の肩に手を添えて『テレポート』を発動した。



 待ってろ、ネメシア。

 お前を絶対に復活させてやる。

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