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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第九章 温泉開発

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第346話 偽貴族 - ファルシオン侯爵の作戦計画 -

 目を開けると、ネメシアが泣いていた。

 涙の雫がポタポタと俺の顔に落ちて来て――ああ、心配させちまったんだなと、申し訳ない気持ちになった。


「すまねえ、ネメシア」

「……ううん、いいの。ヘデラが無事で……」


 膝枕(ひざまくら)された状態でぎゅっとされて、俺は何よりもネメシアの無事に安堵(あんど)した。……良かった。


「で、どうなった」

「うん、わたしが撃退した。女神の力は悪のみを滅する力を持つの。忘れていたわ……ごめんね。でも、咄嗟(とっさ)だったから吹き飛んだだけだと思う」


「いや、ネメシアの所為(せい)ではないさ」



 そうネメシアに責任はない。

 (あく)は、あのファルシオンだ。

 ヤツは、まだ何処(どこ)かで(わる)だくみを続けているに違いない。



「これは計画的な作戦かもしれない。油断はならんな」

「うん、スターゲイザーの可能性はあるかも」



 ネメシアから頭を()でられていると、白髪を揺らすメイドール氏が肩身が狭そうに現れた。いつになく(やつ)れているような。



「……申し訳ない、ヘデラ様」

「あんた、メイドール。無事だったか」



「ええ、お陰様で……ネメシアさんには感謝しております。ですが、ファルシオン侯爵……いえ、あの偽貴族はまたやって来るかもしれませんな」



 偽貴族?



「まさか、あの頭でっかち侯爵って」

「偽名でしょうな。そんな貴族はレメディオスで聞いた事がない。つまり、何かしらの犯罪組織の可能性が」



 もしくは、スターゲイザーに関連する者たちか。



「……」

「とにかく、ヘデラ様。宿屋は譲渡(じょうと)しますが……やはり、ファルシオンが気掛かりです」

「分かった。まずはヤツを何とかしよう」

「ええ、このままではメイドール家も狙われるでしょう。頼みます」


 メイドールは軽く会釈(えしゃく)して、去った。



「よし、いっちょ逆瓢箪(ひょうたん)のファルシオンを締め上げるか。反撃開始だ」

「だめ。ヘデラはまだケガしているのよ、安静ね」

「ネメシア……」


 ぎゅっとされて、動けなかった。

 こうも優しく看病されると即座には動けなかった。まあいいか、慌てる必要はない。ファルシオン、次に会った時は容赦(ようしゃ)しないからな。



 ◆



 一旦、邸宅(うち)へ戻った。

 玄関前に黒猫の姿が。エコだ。



「にゃー」

「おう、エコ。今日もサーモン食ってるか?」

「いえ、しばらくは断食します。お腹の調子が悪いので」


 そや、こいつやたら腹壊すからな。


「そうか。なんか変わった事は?」

「変わった事? そうですねぇ、トーチカが住民の方々を救っていました。最近、ファルシオン侯爵と名乗る(やから)が悪事を働いているとか……」



「そ、それだ! ファルシオンだよ。俺の所にも来やがったんだよ……何者か分かるか?」



 エコは俺の肩に乗って来た。



「恐らく、スターゲイザーかと」

「……マジか」



 やっぱり繋がりがあるんだな。これは由々しき事態だ。早めに手を打たないと、取り返しのつかない事に成りかねない。


 などと思考していれば、家の中からメイドが現れた。この桃髪・ギザ歯は、トーチカだ。



「……ヘデラ、それにネメシアとエコも。どうした」



 相変わらずの虚ろ目。

 これがたまらんのだが。



「トーチカ、住民を暴漢から守ったらしいな」

「うん、さっき女性が二人襲われてた。変な服装をした男たちが金品を強奪しようとしていたので、成敗した」



 ……クソ、 お構いなしにやりたい放題かよ。



「もう許せないわ……ヘデラ、捜索に行きましょう」



 ネメシアは怒りを(にじ)ませていた。

 逃がしてしまった事に責任を感じているらしい。さっきは、吹っ飛ばしただけだからな。でも、おかげで俺は救われたんだが。



「そうだな、さっさと捕まえて平和を取り戻そう。そして、温泉を手に入れるんだ」



「「「おおお~~~!!!」」」

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