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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第七章 世界ギルド

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第336話 神聖国ネポムセイノの最新兵器

「でも長くなるからまた今度」


 なんて言われて、俺はコケそうになった。

 話さないんかいっ。


「いや話せって。気になって眠れないじゃないか」


「まだ起きたばかり」

「地味な揚げ足を取ってくれるな。まあいい、更なる未来と過去の話はまた今度な」

「うん。ちょっとだけ話すと――」


「結局話すのかよ!」


 トーチカの扱い方が難しいな。

 こんなんだっけな?



「あたしとネメシアは、この時代の(・・・・・)人間ではない(・・・・・・)

「なんだって……」



「よく考えてみて。【レッドウォー】以前から一年しか経過していない。そんな短期間で成長したネメシアとあたしが現れる(はず)がない」



 確かに、そう言われてみれば。てか、一年しか経過していなかったのかよ。……なるほど、ネメシアもトーチカも成長しすぎているなと思ったが、別の時代から飛んで来たってところかね。



「お察しの通り、あたしは未来からやって来た。多分、ネメシアも」


「そうか」



 今のところそんな短い返事でしか答えられなかった。いきなり未来人と告白されても、リアクションが難しいって。ただでさえ、今未来に生きているんだからな、俺。



「ごめん、変な話をして。でもこれ重要。……スターゲイザーと戦うなら必要な情報」

「話してくれてありがとうな、トーチカ。だが、今は神聖国ネポムセイノが攻めてくるそうでな。スターゲイザーは後回しだ」



 なんの話? と、トーチカは首を(かし)げた。



「これも話すと長いんだがな――」



 ◆



「――理解した。あたしは、ネメシアとエコを守る。だから戻るね」

「おう、向こうに聖女(ヘデラ)もいるけどな」

「うん、知ってる。でも今日は本当の貴方に逢いたかったから」



 席を立つトーチカは、俺の方へ。

 俺も立ち上がる。



「行くのか」

「行く。……その、あたし、ヘデラが好き」



 ぼそっと言われて、俺は不意打ちを食らった。……ま、まさかトーチカがそんな言葉を発するとはな。思わず顔が熱くなっちまったぜ。これまた油断していると、トーチカの方から抱きついて来た。



「どうした、今日は妙に甘えん坊だな。いつもならやらんだろ」

「今日は特別」



 ネコミミを()でてあげると、トーチカは気持ちよさそうに目を細めた。……こりゃ、ぼむぼむが娘を溺愛する気持ちも分かるかも。昨晩の酒の席で、アイツは娘の自慢ばかりだった。……って、そうか、アイツもトーチカが未来から来たって知っているんだよな。


 ぼむぼむが俺の所にすんなり来れたのも、それが理由だろう。ずっと前から分かっていたのかも。過去や未来が。



「……またね」

「おう」



 名残惜しそうにトーチカは、窓から飛び去った。


 ――って、窓から去るなよ!



 ◆



 会議室へ入ると、物々しい雰囲気に包まれていた。



「どうした、ぼむぼむ」



 俺は、トーチカの親父、無駄にマッチョ男に話しかけた。険しい顔で俺を見る彼は、腕を組み唐突に笑った。



「ガハハハハハハハ……」


「なぜ笑う、ぼむぼむよ」


「いや、笑うしかないだろう。神聖国ネポムセイノだ。昨晩、アレクサンダーがこの屋敷を訪ねたそうだな」


「ああ、事実だよ。屋敷とサイネリアを取り戻しに来てな。俺とメサイア達は呪いに掛けられそうになったぞ。危うく俺の仲間の胸を触られそうになったしな、許せん」



「……ああ、おかげでレメディオスは壊滅危機だ」



「まさか」

「そのまさかさ、神聖国ネポムセイノが本当に攻めて来ているそうだ」



 遠い目でどこかを見つめるぼむぼむ。

 世界ギルド・フリージアの仲間が慌しく報告する。



「報告します!! 神聖国ネポムセイノの最新兵器と(おぼ)しき物体を(とら)えました! 映像、出ます!」



 ふわっと画面が現れた。

 なんぞ、この最新技術!

 聞くところによると、報告してくれた忍者風の彼女の『偵察衛星スキル』らしい。宇宙空間に使い魔を放っているらしく、日々スターゲイザーの動向を探っているのだとか。有能すぎだろ。



 そして現れる映像。



 ――そこには、




 レメディオスを囲むように大量の兵器が。




「……これは」




 おいおい、ウソだろ……!



 ありえんだろ。




 思えば……アレは、そういう事(・・・・・)だったのかよ。

 焦っていると、ぼむぼむが怪訝(けげん)な表情で言った。



「サトル、アレを見覚えが?」

「あんな巨大なの、忘れるワケがない」



 一緒に映像を見守っていたメサイア達も(うなず)く。



「これはアレね」

 眉を(ひそ)める女神(メサイア)


「ええ、アレですね」

 面倒臭そうにする聖女(フォル)


「ひゃー…」

 驚嘆するエルフ(リース)




 世界最高峰の霊山『アヴェレスト』にいたアイツ(・・・)じゃねぇか!!! 間違いなくアイツだよ、アイツ!!




 いや、ちょっと形状とか違うけど!

 更に大きくなっていますけど!!




 【ギガントゴーレムMARK85】




「……マーク85ォ!?」




 どんだけ改良されてるんだよ。




「サトル、あれはな、元々は炭鉱ボスモンスター【SHEEPシープ-RX87-2】が初期型なのだよ。それが進化してギガントゴーレムとして改良されまくった結果がアレだ」



「……マジかよ」



 黒いゴツゴツのロボットのようなゴーレム。岩ってか、鋼っていうか……もしかして、あのボディは世界最強の硬度を誇る【エクサダイト】ではなかろうか。



 なんなら自爆(・・)可能かもな……。



「何体いるんだよ……世界を滅ぼせるレベルで侵攻してないか、これ」

「――ざっと100体ね」



 メサイアが答えた。

 女神のスキルで数を把握したらしい。



 ……100体か。



 どんだけ作ったんだよ!!



 ていうか……ここまでやるか普通!

 神聖国ネポムセイノ、ガチだったのか。



 超絶面倒臭がりの俺は、参っていた。



 頭を押さえて、これをどう対処すべきか悩む。



 フォルが俺に気づいて、



「兄様、大丈夫ですか?」



 と優しく声を掛けてくれる。

 この声が唯一の癒しだ。




 そして、この状況に物申したい。

 いや、言わせてくれ。




「めんどくせぇ……」

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