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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第七章 世界ギルド

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第331話 無限と有限のエンデュランス

 俺は【スターダスト】に願った――



 と、見せかけてえええええええッ!



「なに!?」



 俺の持ち合わせる最強の必殺スキルを穿(うが)った。これがマジのガチの本気の本気、これで、この怒りでヤツをぶっ倒す。


 力の限り両手を突き出して、突き出して、突き出して、怒りを、怒りを、怒りを、散々溜め込んできた果てしない怒りを力に変えて――!!





瞋恚(しんい)のエンデュランス――――――!!!』





 光の中にまた光、それが有限に続く。

 闇の中にまた闇、それが無限に続く。




「――こ、これは……(ことわり)の力……。貴様、スターダストではなく、実力で勝つつもりか!!」



「ったりめぇだ!! そうでなければ、俺の怒りは収まらん!! オプファ、お前を倒すって決めたからには……自身の力で倒す!!!」




「これは……万物の力では勝てるはずもない……。理は有限であり無限。無限であり有限なのだ……そうか、原初の神・バテンカイトス、アルクトゥルス、フォーチュン……。自分は今更、気づいた……」




 オプファは愕然となって、もはや諦めていた。


 ……勝てる!!




「…………自分の負けだ(・・・・・・)




 俺のエンデュランスが激突する瞬間、ヤツはふわっと消えた。……消えた!? だが、気配は微塵もなくなった。死んだ、のか?



 それから、エンデュランスは建物を大きく損壊させ、ピラミッドの天井にすら巨大な穴を開けた。――まず、建物が崩落する。




『恋しさの……プロミネンス!!』




 リースの最強の火属性魔法が放たれる。

 太陽に匹敵する炎熱は建物の破片を灰燼(かいじん)にし、塵とした。おぉ、すげぇ……リースの魔法はどんどん強くなっていくな。




「サトル、あのオプファだけど……倒したみたいよ。というより、自滅(・・)ね」

「自滅だと? どういう事だ、メサイア」

「本人が言っていたでしょう。一定の力を下回ると消滅するって」


「ああ……それで消えた(・・・)のか」


「そ。だから倒した事には変わりはない」



 手応えが無かったから心配したが――そうか。俺はヤツに復讐を果たせたのだな。これで、少しはスッキリしたぜ。



 などと油断していると、




 バコォォっと壁が崩落して、フォルがシュトラールをぶっ飛ばしていた。ドラゴン聖女が俺の方へ落ちて来る。



「――――くっ! なんて乱暴な聖女。なによアイツ……! ていうか、あたしのオートヒーリングが追い付かないとかバケモノか」



 シュトラールに余裕はなかった。

 お、フォルのヤツかなり優勢じゃないか。




「ふぅ……。シュトラールでしたっけ。たいした事ありませんね」




 フォルが強すぎるんだよ。



「……参った」



 両手を挙げるシュトラールは、降参していた。



「なんの真似です」

「降参と言った。あたしの負けだ」

「……」


 フォルは、ドラゴン娘を睨む。

 あんまり信用していないようだ。



「オプファ様は消えてしまったようだし、あたしの出番も終わりだね」

「どういう事ですか!」

「さっき言ったろう、あたしはただの雇われ、ただの傭兵さ。ま、いずれまた会う事もあるかもね! じゃ、あたしはズラかるよ。あでゅー!」



 シャイネンドラゴンとなって、シュトラールは飛んでいく。ちょうど天井には穴が。そこから逃げて行きやがった。



「……ここで、わたくしの最終奥義を放っても良いのですけどね」

「やめておけ、フォル。無用な戦いは避けろ」


 俺が静止した。


「兄様の命令は絶対です。了解です」


 聞き入れてくれた。ふぅ。

 フォルのヤツ、顔が怖かったから、止めるのもちょっと怖かったぞ。



「ところで、オプファは?」

「さっき倒した」

「そうでしたか、さすが兄様です。これで復讐は果たされたのですね?」

「いや……まだ天帝がいる。ヤツを倒すまでは完全ではない。これはまだ、ほんの始まり。これからが本番だよ」


「ええ、大幹部もまだあと二人いますからね」



 そう、まだ戦いは終わってはいない。

 世界はまだ支配されたまま。



「よし、みんな帰るぞ! リース、ワープを頼む」

「了解しました!」



 リースのワープがはじま――らなかった。



「……あ。ここワープ不可能領域(・・・・・)でした。できません……どうしましょう」



 泣きそうになって、困った顔を向けて来るリース。確かに、そう言われるとそうだった。――てことは、あの天井から抜け出すしかないのか。


 俺は上を向く。



「うーん。いけなくはないか」


「サトル、これをどうやって上がるの」



 メサイアも一緒に見上げる。

 ひとつ……いや、結構方法はあった。



「ニトロの爆発を利用して浮遊しよう」

「それしかないわよねえ~」

「他に方法はあるにはあるけどな。確実なのがこれだ」

「うぅ……つまりそれ、サトルに抱きつかなきゃいけないのよね」

「ああ、そうだな。イヤか?」


「いいけど……うん、仕方ないわね」



 ピトっとメサイアはくっつく。



「それじゃ落ちる。もっと」

「……っ」


 だきっと右腕にしがみつくメサイア。おかげで色々当たっている。いい感触。



「兄様ぁん!」



 フォルはいつもの勢いで。



「サトルさんっ」



 顔を赤くしながらリースも前からっ!

 うおおおおおおおおおおッ……!!




 みんな俺に抱きついたり、密着した。




 あとはニトロパワーで飛ぶだけ!!




「いくぜええッ!!」




 ◆



 みんなの感触を味わいながら、俺は天井を抜けた。さすがに三人も抱えるとなると、時間も掛かってしまったが、なんとか地上へ出て着陸を果たした。



「ふぅ」



「……」「……」「……」



 みんなダンマリ。



「どうした。俺としては、このままでもいいけど」



 赤い瞳を潤ませて、メサイアは短く「え、ええ……」とつぶやき、リースも「た、たまにはいいんじゃないですか」と赤くなりながらも微笑む。そして――「わたくしは兄様成分を充電中ですっ」とぎゅぅぅっと抱きついてくるフォル。



 ごろんと人工芝生に倒れて、三人から圧し掛かられた。女神とエルフと聖女にだ。なんて幸せ。最高。




 気づけば、みんなで笑い合った。




 ――そっか、本当に気づけば元通りだったな。俺はずっとこれを待ち望んでいた。またみんなと一緒に笑い合える日々を――。

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