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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第七章 世界ギルド

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第303話 聖者と聖女 - 分身して二つの存在で世界を救え!! -

 メサイアの家で一晩を過ごした後、俺は早々に本家(・・)へ帰宅。ネメシア達のいる邸宅(いえ)の方だ。勿論(もちろん)、聖女の姿でな。


「ヘデラ……どこ行ってたの」


 なんと玄関前に(たたず)むネメシアの姿があった。

 心配そうな顔で今にも泣きだしそう。うぅ……あんな顔されると弱いんだよね、俺。ていうか、心配してくれていたんだなぁ。


「おはよう、ネメシア」

「おはようじゃないわよ……何処(どこ)へ行っていたの。朝起きて姿が無かったから……邸宅(いえ)中探し回ったのよ」


 ずっと玄関で立ち尽くしていたようだ。おいおい、裸足じゃないか! 泥が付着しているように見えるし……深刻だなこれは。


「待たせてすまん」

「もう何処(どこ)にも行かないで。わたし……ヘデラがいないと元気でないし、食欲も湧かない。辛すぎる……」


 なんか朝から重いぞ、ネメシアさん!

 けどまあ、それほど心配してくれたんだよな。ああ、嬉しいよ。嬉しすぎてちょっと胸がキュンときた。



 しかし困った……。



 たまにはメサイアたちと冒険と思ったのだが……俺の身体はひとつ(・・・)しかない。当然、可愛い娘であるネメシアの相手もしてやりたいけど、メサイアも気掛かりだ。二人とも大事だ。何かいい方法は――。



 あった。



 願望星屑【スターダスト】を使えばいい!!



 かなり悪魔的発想ではあるが、コンスタンティンの分身スキルの応用で俺の分身(・・)を作る。なぁに、俺の姿は元々おっさん姿本来の『サトル』と聖女『ヘデラ』が存在する。それを分離するだけ。


 だが、それは両方紛れもない俺なのである。意思も記憶も共有されるし、魂すらも同期される。ふたつだけどひとつの存在となるのだ。


 これは断じてクローンとかコピーロボとかドッペルゲンガーではない。まして、別の世界線とかパラレルワールド的な存在でもない。


 マジのガチで本人なのだ。だから、これでネメシアもメサイアも悲しませる事はない! サトルもヘデラも俺は俺なのだから問題ない。



「ネメシア、俺はもう何処にも行かないよ」

「ほんと~!? じゃあ許してあげる」


 ぱぁと顔を輝かせ、上機嫌になった。

 ふぅ、良かった。


 ――――そして、今頃はもうひとりの俺というか、本人(おれ)もメサイア達の方へ向かっている頃だろうというか、向かっている。全ての感触とか感覚が共有されているから分かる。こりゃあ便利だ!



 一粒で二度美味しい的な!!



 ということで、俺はしばらくメサイア側を主軸にすることにした。こちらはこちらで活動するけどな。



 さ~て『サトル』側へ。




 ◆◇ ◆◇ ◆◇



「――兄様?」


 フォルの青桃オッドアイが目の前にあった。

 ここは家の中。椅子に座り、俺の(ひざ)の上にフォルがいた。向き合うように(またが)られており、距離がかなり近い。ふんわりした感触とか、聖女独特の香りとか……たまらん。


 俺は彼女の引き締まった腰に手を当て、抱き寄せた。もっと距離がグッと縮まり、もういろいろ接触しまくっていた。


「フォルもすっかり大人びたなぁ」

「人間ですから成長しますよ~」

「そうだな、胸とか凄いし」

「ええ、あれから三年経ちましたからね」


 えっへんと目の前で胸を張るフォル。

 確かに、目に見えて大きく成長していた。

 それを独り占めできる俺。幸せ!


 そんな風にイチャイチャしていれば、リースが身体を伸ばしながらリビングに入ってきた。


「おはよ~、フォルちゃん……って、サトルさんとナニしてるのー!! ちょっと、そこ変わって!!」


 慌しい様相で走って来るリースは、フォルを引き剥がそうとした。しかし、そこへメサイア登場。


「あー、ねむ。……って、朝っぱらから何してるのよ」


 目を()りボケボケしている女神。

 まあ昨日遅かったしな。――にしても、服が乱れ肩肌が見えていた。メサイアの服は黒のTシャツ一枚で大胆にフトモモを露出していた。目の保養にバッチリである。



「よ、メサイア。さっそくだが、ギヨティーネをぶっ潰そうぜ!」



「ギヨティーネ? ああ、あの裏切りギルド。ギルドマスターはパラディンキングの『トゥース』でしょ。元々は『聖者祭』(アルビオン)にも来ていたギルドね。けれど、あのギルドは協力的ではなかったし、反抗的だった。だから、表舞台から姿を消していた……」



 メサイアの説明通りだった。

 彼らは裏で暗躍し、レイドボスやコンスタンティン、あの『星の都』の事件にも密かに関わっていたようだ。


 中でも驚いたのは『アルクトゥルス』から『聖者』の力を与えられているらしい事。つまり、俺と同等の存在だ。……いや、そうでもないな。俺には【スターダスト】がある。違いがあると言えば、それ(・・)だ。



「ま、裏切者には報いをな」

「そうね、おかげで私たちの生活めちゃくちゃだもん。そんな馬鹿共には痛い目を合わせなきゃね、こちらの気が晴れないわ」


「よくぞ言った、メサイア。……よし、リースよ、さっそく『テレポート』を頼む。目的地は、ギヨティーネの潜伏先と噂されている『デン』だ」


「分かりました! では、一定の範囲内に寄って下さい。テレポートを開始しますね」


 ぎゅと手を握り、気合を入れるリース。

 そんな太陽のような笑顔を向けられ、俺はキュンと来てしまった。……この金髪エルフ超可愛い。


 とりあえず、(ひざ)の上に乗せているフォルをお姫様抱っこし、立ち上がった。


「……ひゃぅ、兄様♡ こんな風に抱かれて……わたくし幸せ過ぎて死んでしまいますぅ~♡」


 俺の腕の中で(とろ)けるフォル。

 このまま向かうか!

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