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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第30話 聖女スキル - 奥義・覇王爆砕拳 -

 レイドボスが出現した……しやがった。

 どうやら、俺の『山小屋』に現れたらしい。



 大至急で向かうと――そこには、なぜか王様の、ミクトランの姿が。それと、以前、城の前にいた複数のギルドもいた。


 そうか、あれはレイドボスの『討伐隊』に選ばれた内の3ギルドだ。だから……みんな異常事態を察知し、集結したようだ。

 改めて見ると、どいつもコイツもかなり練度が高い。俺たちと同じようなパーティ構成ってところだ。


「王様! レイドボスは!?」

「それがですね……おかしいのです」

「おかしい……とは?」

「ええ、サトル殿の山小屋の前に()けつけてみれば、静かなものです。荒らされている様子もない。この湖の(ほとり)は美しい景観が保たれている。通常、レイドボスが現れれば、花は()れ、荒地となり、なにも残らない。ですが、これはいったい……」



 どうやら、王様でも分からない事態らしい。

 どうなってやがる!?



 そもそも、レイドボスは何処(ドコ)に…………



「サトル、小屋の中よ」



 メサイアが俺の肩に手を置き、(ささや)いた。

 小屋の……中に?


 なぜ、小屋の中に。

 くそう、中にいられては【運搬スキル】の使用は不可能だ。


「王様、俺は小屋の中の様子を見に行ってきます。だから、もしなにかあったら……」

「ええ。状況に応じて動きますから、そのように討伐隊にも命令を下しておきます。なので、こちらは気にせず」


 さすが王様。融通(ゆうずう)が利く。



 しっかし、小屋の中にレイドボスがいる……?


 だとしたら、非常に危険だ。

 あの、ドラゴンですら大暴れし、大地を破壊し尽くしていた。



 だったら【オートスキル】全スキル自動(オート)モードで……!



 スキルをチェックしつつ、俺はゆっくり小屋に近づいた。



「………………」



 出入口前まで来た。

 あとは扉を開けて…………



「奥義! 『覇王(ハオウ)爆砕拳バクサイケン』ッ――!!」



 てぇっ!?

 フォルがそんな奥義を繰り出し、俺の横を突風のように突っ込んでいた。



 ドゴォォォォォォォォォォ~~~~~ン!



 奥義とやらが小屋の扉を破壊し、中にいただろうレイドボスにそれをヒットさせたっぽい。マジか!



 フォルとレイドボスらしい影が、小屋の反対側を突き破って外に出てくる。そこから更にフォルは体を素早く(ひね)り――



「奥義! 『覇王天翔拳(ハオウテンショウケン)』!!」



 毎度お馴染みの奥義も炸裂させていた。


 凄まじい轟音が湖中に広がった。

 なんてパワー、破壊力だ。


 それに、なんつー動きをしやがる、フォルのヤツ。

 人間離れすぎるぞ。


 レイドボスを追い出したフォルは、宙を舞いながら、俺の元に戻ってきた。


「おい、この脳筋(マッスル)聖女! 小屋を破壊するつもりか!!」

「ご、ごめんなさいですよ。修理代は必ず()でお支払いを……ですが、家を()()微塵(みじん)にされるくらいならと。どうかお許し下さいまし」

「……ったく。でも、良くやったよフォル。お前の奥義のおかげで、レイドボスを外に追い出せたんだからな。つか、俺の小屋になんで、レイドボスが!?」



 レイドボスを吹っ飛ばした場所を確認すると――

 そこには、



「…………は? メサイア……?」

「…………」


 メサイアそっくりのヤツ(・・・・・・・)がそこにはいた。

 顔、体形まるで一緒の……。ただ、髪の色は赤みが掛かっている。これじゃあまるで、2Pカラーだな。


 いやだがしかし、本物はいる。

 リースと一緒にいる。


「お、おい……メサイア。あのお前そっくりのレイドボスは知り合いか?」


「……ええ、少しだけね。そいつは死神でもあり、女神でもある謎多き存在……冥界の死女神・アルラトゥね」



 なんだって!?

 あのレイドボスが……?

 どれ……。



 アルラトゥ【Lv.XXXXXX】

 << All Status Unknown >>



 ……やっぱり、ステータスは読み取れない。

 だが、レイドボスなのは確かだ。


 メサイアに似ているだけに、やり辛いが、なんであれ。

 ヤツはメサイアではない。


 顔が似ていようが関係ない。倒すだけだ。



「アルラトゥ……だったか。言葉は話せるのか」


「………………」



 アルラトゥは、ただ俺を(はかな)げに見つめていた。

 ……なんで、そんな目で俺を。


 なんだか、魂を吸い込まれるような……そんな錯覚(さっかく)さえ覚える。

 なんだか――アイツは。



 俺は、なんでアイツを倒したくないんだ……?

 メサイアに似ているから?



「サトル。落ち着いて。アイツの、アルラトゥの素顔は誰にも認知できないの。多分きっと、今はサトルの一番想っているヒトの顔に変換されていると思う。(まど)わされないで」



 そういうカラクリかよ。なんとやり辛い……。

 しかし、そうか。あれは、レイドボスの幻術ってところか。


 こうなったら、一気に【オートスキル】で――。



 ――遅かった。



 アルラトゥの右手が巨大なバケモノの、魔獣のような禍々(まがまが)しい手に変貌(へんぼう)させ、それを繰り出し、それが地面を(えぐ)った。その恐ろしい爆風、衝撃波がこちらに襲い掛かってきた!


 あ……あんなモン喰らったら、一気にHPがレッドゾーンだぞ! 下手すりゃ即死だ。やばい。やばすぎる。


 と、あたふたしていると、



「ミレニアム!!」



 王様がバリアを展開してくれた! あっぶねえ!

 こんな時の王様バリアだな。助かったぜ。


「皆さん大丈夫ですか? このバリアの中にいる限り、ヤツの攻撃は受けません。迂闊(うかつ)な行動は差し控えるように。いいですね」



「………………」



 敵はこちらを……いや、やっぱり俺をみつめている。

 なんで、俺なんだ!



 そんな膠着(こうちゃく)状態が続いていると……



<< あなたの家、気に入った。あなたの優しさがそこにあるみたいだった。素敵ね。だから、破壊はしないであげたの。

 ――でも、ね。世界は残酷。とてもとても残酷。あなたは、いずれこの世界の本当の姿(・・・・)を知ることになる。だからね、ひとつ……いえ、ふたつだけ教えてあげる >>


 ……?


<< メサイアと私は、元々はひとつの存在だった。

 だから、きっと、メサイアは幻だとか言って誤魔化したでしょうけど、この姿は正しいの。どちらも同じようで、今は違う。けれどね、いつかはひとつに戻らなければならない時がくる。それまでは、私を守ってあげて >>


 なっ……!?

 メサイアとアルラトゥが同じ存在だって……?

 どういうことだ!?


<< 最後に、倒すべき敵は我々レイドボスではないわ。本当の敵は別にいる。それは、あなたの身近なところにいるかもね。でも、その前に……世界を破壊した方がいい >>



 ……はぁ!?

 こいつ何を……さっきから一体なにを!


 それに、リースのテレパシーとはまるで次元が違う、俺だけに【ステルスメッセージ】!? 周りの皆には一切聞こえていないみたいだ。



 チクショウ、さっきからアルラトゥ(コイツ)は俺に何を!



 アルラトゥは俺に微笑むと――



 おまけ(・・・)を残して――突然、姿を消した。



「……なんだったんだ?」



 ん!?



 おまけ(・・・)!?



 『ダークスライム』×10が現れた……!



 しかも…… 【Lv.3000】の。

 レベル高すぎるだろ!!



「あ、あのレイドボス……とんだ置き土産を! 王様、俺たちは小屋を守る」



 【運搬スキル】で収納してもいいが、『破損状態』の物体をミニチュアにすると、更に壊れる可能性が高い。

 だからそれは回避したい。このまま守りきるしかないのだ。



「ええ。是非(ぜひ)そうして下さい。こちらはバリアを解除して、スライムを討伐しますが、敵はかなりの強さ。サトル殿もいくつか頼みますよ」

「分かった。よし、メサイア、リース、フォル。俺たちは、あの『ダークスライム』を、まずは1体倒す。いいな?」


「オーケー。レベル上げまくってきたから、私も戦うわ!」

「お任せ下さいっ。サトルさんに引っ張って戴いたおかげで、あたしもかなり強くなりましたから! お役に立てるかと!」

「兄様。わたくしの『奥義コンボ』をお見せする時がきたようですね!」



 お~、家の事となると、みんなヤル気満々だなぁ。

 レイドボスとはやり合うのは厳しそうだったが、こいつらなら。



「よし、みんな。家を守るため、スライム共を倒すぞ!!」



「「「おおおおおおお~~~~!!!!!」」」



 仲間や討伐隊も気合を入れるように、叫んだ。

 よし、行くぞ……!!

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