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第3話 小屋生活 - ポンコツエルフ爆誕 -

 謎の小屋生活が始まった……。

 はじまってしまった。



 自称・女神との小屋生活。

 正直、こんな美少女と一緒に暮らすだなんて飛び()ねて喜ぶところだ。ところなのだが……うーん。



 うん?



 【Congratu(コングラチュ)lations(レーションズ)!!】



 頭上にそんな文字が出た。

 あと、やたらハイテンションな大歓声が鳴っている。レベルが上がる毎にそんなんだから、ちょっと鬱陶(うっとう)しい。



「またレベルが上がったなぁ。もう【Lv.40】 → 【Lv.46】か」



 小屋周囲に出現するモンスター、主にイノシシ『グリンブルスティ』は、俺の【オートスキル】で自動的に狩られる。どうやら、名称不明の火・水属性の魔法が自動で出ているようだ。ふと窓の外を見ると、モンスターが燃えていたり、凍死したりしていた。


 そんな俺のスキルも(みが)きが掛かってきたようで、最初の頃よりも火力も増している。この様子なら、この【草原フィールド Lv.50】のモンスターはもう楽勝だ。



「ちゃんとスキルも取得するのよ~。例えばコレ、この【クレイモア】とかオススメよ」


「へ~? どういう効果なんだ?」



「罠を設置できるんだけどね。モンスターが踏むとドッカ~~~ンって大爆発ね。周囲のモンスターも巻き込めるから効率がいいの」



 へー、へー…って、クレイモア地雷!?

 おっかなすぎるだろソレ。


 つーか、



「却下だ。俺たちの安住の地を吹き飛ばす気か。ここが俺たちの家だぞ。住処(すみか)がなくなったら――いや、寝床が無くなるのだけは絶対許さん!」



「そ。でも、とりあえず今は二種類の【オートスキル】――火属性魔法『煉獄(れんごく)』と水属性魔法の『ヒドゥンクレバス』で周囲に現れるモンスターを駆逐(くちく)してるでしょ。充分といえば充分な防衛力だけど、安心して寝られるかっていったら微妙なところよね」



 ふかふかなベッドの上で足をバタバタさせながら、優雅にくつろぐ自称・女神。



 あと、あの口に(くわ)えている醤油(しょうゆ)味の煎餅(せんべい)はどこから持って来やがった。俺にもヨコシヤガレ。



 ……おのれ。この狭い小屋にはベッドがたったひとつしかないから……あそこを占有されると寝られないのだ。



 今のところ俺は『床』で寝てる。

 くそぅ……床は冷たいんだよォ……!




「なあ、女神。この小屋なんだが―――――」




 ベッドをもうひとつ増設できないか?

 と、質問を投げかけようとしたところ……



 ……いきなり、小屋が半壊した。




 ドッゴオオオオオオオオオオ~~~~~~~!!




 とか、物凄い音がしてデスネ……。

 屋根とか壁が吹っ飛んでいったヨ。




「ああぁあぁ~~~~~~~!! 俺の小屋が!!」




 で、ゴロゴロと何か転がって来た。




「なんか転がって来た。これは……ヒト?」

「…………はひ、あたしですぅ」




 シャベッタ。


 なにかヒトっぽいものが口をきいた。モンスターではなさそうだが。



 それは小柄(こがら)な女の子だった。これまたすんごい美少女。どうして転がってきたんだろうな。



「へ~、キミ。その(とが)った耳ってもしかして……」

「ひゃい~~……そうらんです~…………へろへろ~……」



 ダメだ。このエルフっぽい少女、目をグルグル回してしまっている。まともに喋れそうにないな。どうする? その辺に捨てるか? ……それは可哀相か。よし。



「えーっと……。女神、このコをベッドに寝かせたいんだが」


「え~! ここは私専用のベッドよ~!」


煎餅(せんべい)をボリボリ食いながら言うな! いったいドコから取り出してるんだよ、そんなお菓子! 俺にも分け……いいからどけ。今すぐどけ!」



 半ば無理矢理、女神を強制排除した。

 あの色黒の不思議なネックレスに手を伸ばしたら、避けられたんだけどね!



 俺は、エルフっ子を抱き上げ、ベッドに寝かせた。相変わらず目がグルグルになってるなぁ。あと、小柄なので軽かった。無茶苦茶軽かった。あまりの軽さにビックリだ。



「よいしょっと……あ、レベルアップ。【Lv.46】 → 【Lv.51】だな」


「おめでとっと。あと新しいスキルもゲットしたみたいね!」



 やったじゃん! と、女神は喜んでくれたが、俺は微妙だった。なぜなら、新しいスキルは【農業スキル】だったからだ。



 なんだ、俺に畑でもやれってか!?



「役に立ちそうにないわね」

「役に立ちそうにないとか言ってくれるな、悲しくなるから。……たぶん、食っていく上では必要なスキルだ、たぶん」



 今のところ食料もゼロだし。

 なにか育てていかないと食い扶持(ぶち)がない。



 ……ので、野菜でも作るか!(案外ポジティブな俺)


 と、思ったけどだるいな。寝たい。




「……ん。んぅ…………ココは」



 金髪ロリエルフが目を覚ました。緑の瞳がまぶしいくらい美しい。あと、よ~く見ると、なかなかきわどい衣装である。つまり、えっちだ。



 いや……それは置いておいて……



「おい、エルフ。小屋を弁償しろ」

「え……えぇ!?」



 詳しく聞くと、どうやら、金髪エルフはヒキコモリらしい。こうして、エルフも小屋に住みつくことになった。



 え? 住むの?

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