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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第五章 女神復活

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第286話 女神の懺悔 - 選択肢はひとつではない -

「待ってくれ、ネメシアを放っておけない」


「兄様。そのネメシアですが、さきほど兄様を探しておられていたので、連れて参りました。はい、こちらです」



 しゅっとネメシアの背中を押すフォル。

 本人登場だった。



「おま……起きてたのかよ」

「…………ごめんね、ヘデラ。わたし」

「何も言うな。お前の気持ちが何よりも一番大切なんだ」


「ヘデラ……分かってくれるの?」



「見極める」



「え……」


「まだ可能性はあるんじゃないかって思う。そもそも、スターダストはなんでも叶う(・・・・・・)万能の星屑のはず。だったらさ、もっと他の選択だってあるんじゃないか、ネメシア」


 そう、なにも選択肢はひとつではない。

 誰がひとつだけと定めた? そんなルールはないはずだ。この世界は自由なのだから。いろんな手段を模索(もさく)してもいいはずだ。



「…………そうね、それは思いつかなかったわ」



 盲点(もうてん)だったと、ネメシアは頭を抱えた。

 自ら黒髪(金銀メッシュ入り)をクシャクシャと()くと、叫んだ。



「ごめぇーーーーーーーーーーーーーーーーん!!! 意地はってえええぇ!!! わたしが悪かったわ~~~~~~~~~!!!」



「えぇ!? どうした、ネメシア……落ち着けって。別に怒っちゃいないし、お前の気持ちも痛い程分かる」


「うん……。で、でもね。最初に言ったでしょ……私の我儘(わがまま)だって。でもやっぱり、無理だった」


 あ~、んなこと言っていたような気もするな。でも良かった、どうやらそこまで本心ではなかったみたいだな。


 ――でも。


「ネメシア、お前は死神になってしまったか?」


 俺は居ても立ってもいられず、ネメシアの頬に触れ確かめた。


「…………っ、ヘデラ。は、恥ずかしいよ……お母さんたちの目の前で」

「問題はない。――あ、瞳濁ってないな。一瞬だけだったのか」

「そうみたい。寝たら治ってた。ヘデラと一緒ね」


 そう、俺も寝たら治っていたっけ。

 あの暴走モード。黒聖女。なぜああなったのか未だに分からんけど、これはネメシアにも関連することなのだろうか――?


「まあ無事でよかったよ」

「心配掛けちゃってごめんね。だからね、ヘデラ……」

「ん?」


 ネメシアは周囲の視線を気にしながらも、しかし、抱きついて来た。……お、意外と大胆だな。ま、俺にとっては娘を抱くようなものだけど。


「よしよし、辛かったんだよな」

「……うん」



「おほん」



 フォルが咳払いした。

 このフォルはちょっとだけ怖いな。超絶美人だけど。


「……ネメシア」

「ひぃ!! ごごごごごごめんなさい、お母さん……」

「まーーーーーーーーーーた、駄々をこねましたね。そして、人に迷惑を掛けた。しかも、よりによって兄様に」


「そ、それはそうだけれど……。お、お母さん……お尻ペンペンはやめてよ!?」


「……そんな酷いことはしません。ねぇ、リース」

「ええ、フォルちゃんは優しいですから。もしもそんなお尻ペンペンとかしていたのなら、このあたしが許しませんからっ」


「リースママ……さっすがね! でも、フォルお母さん実はペンペンしてるよ」


 ネメシアは容赦なく告発した。


「フォルちゃーーーーーーーーーーーん」

「…………ぇ」


 フォルよりリースの方が怖かったか……。


「リ、リース……その、これは……! そうです。愛の鞭です。ネメシアが可愛すぎるがゆえの教育ですよ。そ、その他意はありませんから……これでも、わたくしは聖女ですよ。そんな酷いことなんて……」


「本当かなぁ。ネメシアちゃんを迎え入れてからというもの、ずっと厳しかったじゃない。たまには優しくしてあげてよ」


 リースはそう困った顔で言った。

 ありゃ、相当厳しい教育だったんだろうな。ま、そりゃ捻くれて無職の配信者(ライバー)になっちゃうわけだわ、ネメシア。


 わーわー騒いでいると、今度はサイネリアが咳払いした。


「皆さん、お話はそれくらいに。今や世界の危機ですのよ。ヘデラ様、ひとまずそのフォルとリースさんはお返しします。もし気が変わったのなら、いつでも世界ギルド『フリージア』を訪ねて下さい。割と近くにいますから」


 ――と、サイネリアは言い残し去った。


 え、レメディオスにあったのか!?


 ま……ここって元は【花の都】だしな。思えば、見覚えのある顔もいくつかいたわ。そうか、俺は本当にいろいろ忘れていたんだな。



 そう思い返していた時だった――




『ドォォォォォォォォォォォォォォ~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!!!!!!!!!!!!!!』




 ――と、レメディオス全体が激しく揺れた。



 地震!?



「兄様……奴等です。天帝の【ダークスター】でしょう。この【レメディオス】に直接乗り込んできたようですよ」


「ああ……フォル。この背筋が凍るような気配は間違いないだろう。リースも一緒に来てくれるよな」


「もちろんです。あたしは、あなたのエルフですから」



 っしゃあああああああああ、やる気でたあああああ!!



 そして、そいつは空から現れた――




『…………ホッホッホホホホホホ……………。【ダークスター】がひとり…………『ソクラテス』でございます……ホホホホ』



 不気味な紫の眼光を放つ人影。

 こいつは……やべぇな!

応援ありがとうございます。

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