表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第五章 女神復活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

290/556

第281話 ゆずれない想い - 過去か未来か -

 出来る事ならこんな強引に、ネメシアを問い()めたくなかった。


 でも、ベルは俺の従妹(いとこ)だ。それに、なぜあんな風に眠ったままなのか――気になった。だから、ここは視線を合わせてきちんと話してもらうことにした。


「ネメシア」

「……分かってる。ホワイト中を見たのね。ハティってば……まだこんな早い段階で教える予定じゃなかったのに」


「その口ぶり……やっぱりか、あのビキニアーマーの少女が誰か知っているんだな」

「ヘデラこそ、あの女性(ひと)が誰なのか知ってるのね」


「ああ、今は覚えている。教えてくれ、ネメシア。俺をどうして――仲間はどうなった……?」



 なるべく感情を押し殺し、冷静に聞いたつもりだった。しかし、ネメシアは赤い瞳を(うる)ませ――すっと涙を――――え。



「ちょ、なんで泣く! うう……悪かった。ちょっと強引すぎたよな」



 これは困ったな。

 まさか泣かれるとは。


 そんなつもりは……数ミリも無かったのだが。



「ううん、これは違うの。この涙は……わたしの我儘(わがまま)なだけ」

「え?」

「だって……もうすぐ【スターダスト】が全て揃ってしまうもの。それは、つまり……本来の世界に修正されるって意味。そうなれば、もうヘデラとは会えないかも」


 そんな風に考えていてくれたのか。

 ……そうかも、しれない。世界改変が起きれば、この未来は(・・・)なかった(・・・・)ことになり、恐らく、何もかもが消え去るだろう。


 この未来の記憶さえ覚えてないかもしれない。


 ――だから、ネメシアは最近、様子がおかしかったのかも。


 でも……俺は。


「聞いてくれ、ネメシア。俺はこの未来も好きだ。だって、お前と会えたのだから。こんな奇跡は二度とないだろう。だけど……俺はたくさんのものを失いすぎた。それを取り戻さないと……前へは進めない。心はずっと停滞したままだ」



「……うん、それはママも望んでいる」



「なら……!」



「でも…………」

「え」



「……【スターダスト】は破壊するわ」



「ちょ、ネメシア、なにを言っているんだ……! それじゃあ、世界は変わらないし、戦っている皆だって……!」



「だめよ。ヘデラ……この世界を無かったことにしてはいけないの……」



「――――は?」



「それだけは許されない」



 とても強い口調で、ハッキリとネメシアはそう言葉にした。



「…………ま、まて。落ち着け! 別になかったことにするわけじゃない……思い出はずっと胸の中に……」



「いやよ! 思い出の存在なんかになりたくない……わたしは、呼吸して今生きてる。この愛は永遠で不滅。でもその想いは決して過去には届かない……だから、此処(ここ)にいる。ずっとずっと、ヘデラの(そば)にいるの。でなければ、わたしは……いっそ、『天帝』の側につく」


「なにを言っているんだ、お前は……! ネメシアらしくないぞ……。お前はそんな考えはしなかったはずだ…………ん!?」



 ――それは突然起きた。

 ネメシアの赤い瞳が(にご)っていくではないか。



「……ぁ……っぁぁぁぁあああ……!!」



 苦しそうに(もだ)え、俺から離れるとネメシアはどんどん苦しんで……。な、なにが起きてる!?



「ど、どうしたの、ヘデラ!」


 トーチカが慌てて来た。


「な、なんです、これ!? てか、どうしてヘデラ様とネメシア様は言い争っていたのですか……! もう仲間割れとからしくないですよ! そもそも、ヘデラ様の方がずっと大人でしょう。子供を正しく導くのが大人の役目ですよ」


 黒猫に説教されるとはな。

 一応、長寿(ちょうじゅ)のエルフか。




「ヘ……へでら…………。わ、わたしは……」




 全身が黒く変色していくネメシアは、ついに完全に真っ黒になった。……これって、俺が以前同じようなことになっていたと思う。



 思えば、これは……『死神(・・)』のような……。



「…………ぁぁぁ……そんな、女神の力が……消えて……ゆく。ママ……わたしを許して……くれないの……。やっぱり、パパを愛しているんだね…………うあああああああああああああああああ……」



 ネメシアは絶叫し、倒れてしまった。



「ネメシア!!」

応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら

ぜひブックマーク・評価をお願い致します。

下の【★★★★★】を付けて下さると

大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ