第278話 カルミア女王に報告 - 懐かしき城・ポインセチア城 -
ガチャは『たわし』トラブルが発生し、当面の間は利用禁止になった。今は王国のアマゾネスたちが封鎖しているため、利用できない。
「だめかぁ、気分転換に良いと思ったんだけどなぁ」
「残念ね、ヘデラ」
「仕方ないな。装備とか消耗品はアイテムショップで揃えよう」
「そうね、そうしましょう」
★
俺はネメシアたちを連れて、ある所へ向かった。
「この先って……」
「お、もう気づいたのかトーチカ」
さすがトーチカは、地元民だけあって察しがいいな。そう、この方角は女王様のお城だ。俺は、今までのことや、今回のことを報告しに行こうと考えていた。
そして、何よりも【スターダスト】だ。
「なるほど、ヘデラ様はこの【レメディオス】の『カルミア女王』のところへ向かわれるのですね」
「正解だ、エコ。撫でてやる。『ちゅぅ~るぅ』はやらんがな」
「にゃ~♪ ……って、ヒド!!」
ショックを受けているエコは放っておき、歩き続けた。
★
【 レメディオス - ポインセチア城 】
――そうか、思えばこの城には見覚えがあった。
ポインセチア城。
この城の名前だけは変わっていないんだな。当時、この場所では、ミクトラン王(神)がふんぞり返っていたっけな。あとギルドみんな。今頃どこで何をしているんだろうなぁ。
あの頃の『聖者祭』とかが懐かしいぜ。
「ねぇ、ヘデラ。なんか懐かしそうな顔してるわよ」
顔をかなり近づけてくるネメシア。
唇ちかっ!!
「うわっ……近いって。吐息が掛かってるぞ……」
「ん~、別にいいじゃない。ヘデラの顔って見飽きないし」
「…………そ、そうか。ネメシアは、眼が綺麗だよな」
「そぉ?」
「もう、二人ともすぐイチャイチャするのは止めて下さい~。先へ進みましょうよ~」
頭に乗っているエコがクレームを入れてきたので、俺はネメシアから離れた。……って、誰がイチャイチャだ!!
★
城の中は、ビキニアーマーのアマゾネスでいっぱいだ。
あんな美人の姉ちゃん達に守られている状況とはな。男時代だったのなら、パラダイスすぎたなぁ。うーん、ちょっと惜しくはあった。
――って、そういえば、ビキニアーマーで思い出したけど、『ベル』は何しているんだろうな。うーん……どうなったのか思い出せないんだよな。
そろそろ会いたいものだけどな。
「…………」
ネメシアが俺を見つめている。
な~んか、最近よくジッと監視されているような。ついに、俺に惚れたのか……他の思惑があるのか。どっちでもいいけど、ネメシアのあの、さり気無い表情は擽られるものがある。
「さて、着いたな」
ここまで全て顔パス。
女王様をくしゃみでぶっ飛ばした件で、俺はアマゾネスたちの中で、ある意味有名人になったからな。あと最近、レメディオスに貢献しまくってるし。嫌でも顔は広くなっていた。しかも、今日はこんな目立つ服も着ているしな。
「む……あなたはヘデラ様」
「よ、パエリア。あの時以来だな」
「女王様をまたくしゃみで飛ばさぬように。いいですね」
「ああ、もう大丈夫だよ。俺は花粉症だけど」
「……!」
最後の言葉に反応し、警戒するパエリア。そんな眉間に皺を寄せんでも。
「大丈夫大丈夫」
「……では、お通ししますが……くれぐれも注意なさってくださいねっ」
めっちゃ睨んでくるな~。
俺たちは王の間へ。
「さて、女王様はどこだ~?」
「小さいから分からない」
トーチカの言う通り、女王様は【呪い】によって米粒サイズなのだ。なので、探すのが大変だ。
「おーい、女王様。せめて声を出してくれ」
『おぉ、すまぬ! ここじゃ、ここ!』
あ、いた。
玉座にいた。あまりに小さくて分からなかったよ。
「よう来たの。久しぶりじゃな、皆のものよ」
「久しぶり。今日は他でもない……重要な話があるんだ」
「うむ、申してみよ、ヘデレ」
「いや、俺はヘデラですってば!!」
「おぉ、すまんすまん。久しぶりなのでな、忘れておったわい」
……く、相手が女王なのでツッコみし辛いぞ。
とにかく――俺は、今まであったこと、秘密結社のこと……【スターゲイザー】のこと……数々の事件を全て報告した。
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