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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第五章 女神復活

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第274話 名前の由来 - 女神の永遠の愛 -

 力を使いすぎた俺は、意識を(うしな)った。



 ……ん。ここは、どこだろう。



 ――――(なつ)かしい、甘い(にお)い。



「……サトル、どうしたの」

「え? メサイア……なのか?」

「なに言ってるの。私に決まってるでしょ。あなただけの女神よ~」


 手をヒラヒラさせ、微笑むメサイア。

 黒い髪、赤い瞳。透き通るような(はだ)

 そして、この独特な甘い匂いは、間違いない。


「ウソ、だろ……でも、嬉しいよ、また会えて!」

「? なによ、いきなり抱きついて。仕方ないわねぇ」

「あぁ、やっぱりメサイアだ。胸あんまりないし!」


「なんですって!?」


「わ、悪い。冗談だ。でも、どうして……ん、ここは何処(どこ)だ? 空中庭園でもなさそうだし、花の都でもないよな……」


「ここ? ここはね、あなたの全て(・・・・・・)よ」

「――へ? どういうことだよ」


「忘れないで、サトル。私はいつだってココ(・・)で……あなたの帰りを待ってる」



 俺の胸を指さすメサイア。



「え……メサイア、何処(どこ)へ行くんだよ。こっちに戻ってこいよ」


『……ごめんなさい。もう時間なの。でも、きっとまた会える……だから、あの娘を頼むわね。みんなとあなたの世界一可愛いネメシアを』



 ★ ★ ★



『――――――』



 身体(からだ)を起こすと、顔面がくしゃくしゃだった。

 俺はどうやら涙腺(るいせん)崩壊していたようだ。しかも、ここは俺の部屋か。



 なぜこんなに泣いていたのか。



 ――ああ、分かっているよ。



 願いを叶えられる奇跡の【スターダスト】はあとひとつ(・・・)

 それできっと……。



「――――って、あれ、俺、ハダカ!? なにも着けてないっ!」



『バリィィィィィィィィ~~~~~~~~~~~ン!!!!!』



「うわ、ビックリした!! しかも、窓ガラス突き破って、トーチカ出現!? 突然、なにぃ~~~!?」



「ヘデラ、おはよ」

「お…………おはよ。トーチカ、なんちゅー登場の仕方をするんだ」

「うん、ヘデラを元気づけようと思って」

「これ以上、俺の部屋に穴を開けてくれるな。もう二度とするなよ」


「ごめんなしゃい……」


 ショボンとなるトーチカは、猫耳を垂れさせていた。

 ……ま、でも俺を元気付ける為だったんだよな。嬉しいな。



「――ん。トーチカ、お前、手になにを持ってる? 草?」

「あ……これ? これね~。ネメシアが()んできたの。『アイビー』だって」


「あいびー?」


 聞いた事ないな。ていうか、なんでそんな草を。


「これは花だよ」

「えぇ? それが花? 草にしか見えないけどな」


 もしかしたら、この世界では花扱いなのかな。


「これ、成葉になると心臓のような形になる」

「し、心臓!? なんか怖いな」


 ちょっとビビっていると、今度はネメシア本人が部屋に入って来た。

 しかもルンルン気分、鼻歌交じりのご機嫌(きげん)で。



「入るわね~…って、ヘデラ!! 目を覚ましていたのね!」



「よ、ネメシア。無事だったか」

「ヘデラ!!」


 手に例の草を持ちながら、ネメシアは飛び込んできた。

 ……おぉ、この甘い匂いが好きなんだよ。とても落ち着くし、癒される。


「なんだ~、やっぱりネメシアは俺が恋しいんだな」

「うん」

「ハッキリ言うね! それ、若干反応に困るぞ……。ところで、トーチカにもあげたらしい、その『草』なんだよ」



「……ああ、これね。これは、アイビーよ。学名は『ヘデラ(・・・)』で――花言葉は、『永遠の愛』、『結婚』……そして、『不滅』よ」



「――――へ」



 そ、それって、つまり――今の俺の、名前の由来だったのか。



 うん??



 もしかして……。

 ――ああ、ネメシアがあの時(・・・)に付けてくれたんだよな、俺の名前を。

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