第271話 伝説と聖女の力 - 真・覚醒聖槍・ロンゴミニアド -
大幹部・コウシは、俺の『巨人』によってひたすら殴る蹴るの一方的な攻撃を受けまくっていた。あの嵐のような猛攻に、敵は逃げることすら出来なかった。
「グオオオオオオオオ、オノレエエエエエエエエ、コココ、この程度ォ!! パワーブースト!!!」
力を解放するコウシ。
まさか……俺のスキルを打ち破る気か!!
その前に倒す!!
俺は空高く飛び跳ね、
聖なる力を開放、聖槍を生成し構えた――――
「コウシ! これを食らいやがれ!!」
光を爆発させる聖槍は、黄金色を放ち、輝いた。それは伝説の光にして、英雄譚。これこそ、あの聖剣に匹敵する騎士王の力。
『聖女の力をマシマシだあああああああああああああああ!!!!! ほーりー☆くろすのオマケつきィィィィィ!!!!!!!!
あ~~~んど、穿てえええええええええええ――――
真・覚醒聖槍・ロンゴミニアド!!!!!!!!!!!』
「なにィ!!! 槍と聖女の光だとォ!! そんな欲張りが通じると思うのかああああああああ、こっちはこれだァ!!」
抵抗するコウシは、それを股間から放った。
『ヘルズバ~~~~~~~ストォォォォォォ!!!!!!!!!!!!』
「んだとぉ!?」
ピキィ~~~~~~~ンと暗黒の光を放つソレ。
地味どころか、背筋が凍るほどにイヤなんだが!!!
しかし、槍の威力と聖女の力が勝った。
『ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
当然だが、俺の1000%の力の方が上回り、敵の『ヘルズバースト』を打ち返した。そして、『黄金』と『聖なる光』が混ざり合い――
なにも見えなくなった。
「…………やったか!!」
「…………フフフフフ」
不気味な笑い声が……!?
「危なかったぞ……聖女・ヘデラよ。危うく死ぬところだった……」
「コウシ、てめぇ、まだ生きてやがるのか!」
視界が晴れると、そこにはコウシの姿があった。
そんな……外したのか? いや、違う。間違いなく命中していた。避けたわけではない。じゃあ、なんだ……耐えられた? それも違う。ならば……。
答え合わせは簡単だった。
トーチカやサイネリアの方を確認すると『シニガミ』の姿がなかった。――つまり、あのバケモノがコウシを庇ったのだ。
「くそっ……」
「悔しいだろう、聖女よ。そう、あの出来損ないの『シミガミ』は我等幹部を守るように洗脳されているのだ。だから、危機が迫れば勝手に動き、勝手に我を守る。素晴らしい操り人形だよ、あれは。とても、元五人の幹部とは思えんがね」
「なん……だと!? 元幹部だって?」
「そうとも。あの『シニガミ』は、元は人間や亜人だった者たち。天帝様は失望なされたのだよ。あまりに役に立たなかったのでな……。だから、五人をひとつにし……あの最高傑作をお作りになられた。素晴らしいとは思わんかね」
こいつ……仲間を何とも思わないのか!
いや、おかげで敵の数が減って助かったけど……でも、これはひでえ。そこまでやるとか、天帝とかいうヤツは、血も涙もない下衆野郎だな。
ふざけるな!!
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