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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第五章 女神復活

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第261話 反撃開始 - 目覚めるオートスキル -

 この世界は、俺の知らない世界に姿を変えていた。

 あんな色鮮(いろあざ)やで、幻想的なバタフライ星雲(せいうん)はあっただろうか。夜空に巨大で、淡い青の蝶々(ちょうちょう)が浮かんでいた。



 あの『ゴータマ戦』の後、静かな夜が――なかった。相棒のゴスロリ無職・ネメシアが祭りのような騒がしさで暴れまわっていた。



「ヘデラああああああ~~~~~~~っ!!」



 大騒ぎのネメシアが泣きついてきた。

 ……おい、俺のセンチメンタルを返せや!


「なんだ、ネメシア……顔面ぐしゃぐしゃの大泣きして。可愛い顔が台無(だいな)しだぞ」

「だってぇ、視聴者(リスナー)が優しいんだもん!!」


「――は?」


 どうやら、あの『ゴータマ戦』の様子を無断配信(・・・・)していたようだ。おい、相変わらず無許可かいっ。別にいいけど。


 そうそう、ネメシアは何か(・・)能力(スキル)で、『配信スキル』を持っていた。誰に実況してんだか知らんけど、【ウルチャ】を投げてもらえるようで、それが俺たちの貴重な資金源にもなっていた。非常にありがたい事だ!



「凄いのよ~。あの戦いのおかげで過去最高記録の『8,334,000セル』も【ウルチャ】して貰えたのよ。すごくなーい!?」

「ほーん。そりゃスゲェ金額だな。美味しいもんが無限に食べられるな」


「そうね、明日はご馳走(ちそう)してあげるっ♪」


 ニッと笑顔を向けてくれるネメシア。

 そりゃいいんだが。


「なあ、ネメシアよ」

「うん?」

「その金で、俺の部屋を修理してくれないか。ほら、以前にエコが目からビーム放って、天井ぶっ壊したろ。まだあのまま何だよ。寒くってな」

「ああ、そうね。風邪引いちゃうし、直しておくわ」


「ネメシア~!! ありがとう!!」


 俺は思わずネメシアを抱き寄せた。


「ば、ばかっ。いいわよ、これくらい。だって、今回はヘデラがんばったものね」

「いや、皆の力のおかげだ。俺一人ではとても……」

謙遜(けんそん)ね。でもいいわ、残りのスターゲイザーもボコボコにぶっ倒して、世界を平和にしましょ」



 スターゲイザー。

 謎の秘密結社の名前。


 だが、その正体は世界をリアルタイムに支配する極悪集団。俺の記憶がないのも、そいつらの所為(せい)だろうか。あと、かつての仲間、『メサイア』や『ベル』がいない。どうして、この世界はこんなにも風に変わり果ててしまったのだろうか。


 いや、結論は出てるな。

 スターゲイザーというクソが世界をメチャクチャにしたのだ。許せん……絶対に許せん。この恨み、いつか絶対に晴らしてやる。



「あと残り何人いるんだかな」

「そうね、ゴータマとロドスは倒したけど、人数までは」


 全てが謎めいている組織か。

 そろそろ、暴いていく時期なのかもな。



「にゃー」



 猫の鳴き声がした。これはエコだ。

 偵察(ていさつ)から戻って来たようだ。


「お、エコ。戻ったか、レメディオス周辺はどうだった?」

「問題はありません。ヤツ等の痕跡も見当たらず。今のところは大丈夫そうですね」

「そうか。よくやってくれた、休憩してくれ」

「ありがとうございます、ヘデラ様」


 テコテコと部屋へ戻っていく黒猫。

 あれでも最強の『ロリエルフ』なんだよなあ。


「あたしも戻った」


 しゅたっと忍者のように現れたネコミミメイド。

 それは、トーチカだった。瞳は虚ろだが、今日も一段と可愛い。


「おかえり、トーチカ」

「うん。調査は完了した」

「で、どうだった」

「ヘデラが初めて会ったという貴族(・・)、あれは組織と(つな)がっている」


 ――――やっぱりか。


 この世界にやって来て間もない頃。

 俺は変な――いや、ヘンタイ貴族に話しかけられていた。名を『アレクサンドリア』というらしい。名前が長ったらしいので、以降は『ヘンタイ』とする。


 ヤツは、あのゴータマ戦の後に姿を現していた。

 なぜあの場所にいたのか気掛かりだったのだ。


「あのヘンタイ貴族、なんか怪しいと思っていたんだよな」

「どうする?」

「今日はもう遅い。明日にしよう――――む!?」



 その時、俺は異様な気配を感じていた。


 トーチカの背後から凶器が迫っているような、そんな只ならぬ気配を。



「させるかあああああああああ!!! オートスキル『ヒドゥンクレバス』!!!!!!!」



 オートスキル。

 脅威が迫って来たその時、自動(・・)でスキルが発動する俺の本当の力だ。ま、任意でも発動できるけど。


 ちなみに、これはかつて、ある女神(・・・・)がくれた最強にして奇跡の力。――そう、俺は聖女なんかではなかった。ただのおっさん(・・・・)だ。


 この銀髪も、無駄に大きな胸も、スラっとした手も、抜群のスタイルも、可愛い容姿も――すべては、聖女・フォルトゥナの魂から引き継いだものだった。


 彼女は俺に、最後のチャンスを与えてくれたのだ。


 今はなぜか聖女で、女だけど……!!



 それには必ず意味があるはずだ。



 だから(あらが)い続ける。

 失ったみんなを、全てを取り戻し、



 組織をぶっ倒すまでは――――!!!



「らあああああああああああああああああああああああ!!!」



 凶弾を跳ね飛ばし、トーチカを守った。



「――――出てこい、クソ野郎!」

「…………ふふふふふ、ついに見つけたぞ……(ことわり)よ」



 こ、こいつは――――!?

いつも応援ありがとうございます。

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