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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第258話 覚醒オートスキル - あるべき姿を取り戻せ!! -

 不思議なほど体は無事だった。

 あれだけの激しい連戦だったというのに、傷ひとつない。まるで神聖すぎる奇跡の力で治療したみたいな……なんだろう、この不思議な感覚。覚えがあるような無いような。


「ふーむ……」

「どしたの、ヘデラ」

「おう、ネメシア。いやな、なんかおかしいんだよ」

「おかしい? う~ん?」


 そうネメシアは顔を近づけてきた。うわ、ちか……。

 トーチカといい、顔を近づけるのが流行りなのか!?


「どこも変化ないわよ。大丈夫、ヘデラはずっとヘデラのままよ」

「そうなのかなぁ」


 そう会話しながら、二人で大広間に入れば――


「……あ」


 見覚えのある顔がいた。

 あの長い銀髪、青と桃色のオッドアイ。大人びた――けれど、どこか幼さを感じさせる……俺に似た聖女。


 ネメシアの母親――フォルトゥナである。


 さきほどネメシアにお尻ペンペン3000回をしたとか何とか。聞いただけで自分のお尻も痛く感じる不思議。いったい、何をしたせいでそんな叩かれたんだかな。


「あの……ネメシアのお母さん……」


「フォル……あなた様にはそう呼んで戴きたいのです」


「いやぁ、そんなネメシアの母さんを呼び捨てとか無理ですよ」

「母とかそういうのは抜きでいいのです。わたくしはこの奇跡に感謝したい……ありがとう」


 なぜかフォルトゥナは、感慨深そうに頭を深く下げていた。なぜだ。


「ですが、ネメシア!」

「ひぃ……」


 俺の後ろに隠れるネメシアは、完全に怯えていた。ありゃりゃ……。確かにあのフォルトゥナ……いや、フォルはおっかないなぁ。


「先ほどはごめんなさい。少しやりすぎてしまいましたね」


 そっとネメシアを抱きしめるフォル。

 いや、少し(・・)って……かなり(・・・)だと思いますけどね!?


「お母さん……。ううん、いいの。お母さんは分かってくれるって信じてる」

「ええ、もう『女神契約』が果たされている以上、あとは【スターダスト】を集めるのみです。怨敵・スターゲイザーを打倒し、本来あるべき『過去』、『現在』、『未来』に修正するのです」



「……ま、待ってくれ! なんだよ『女神契約』とか、『スターゲイザー』って、意味が分からねえよ!」



 俺は戸惑っていた。

 ネメシアが俺に教えてくれていない事があった……?


 フォルは優しい顔をして、


「すべてをお話しすることは出来ませんが……。スターゲイザーは、秘密結社の名です。いえ、あれは秘密結社というよりは『征服者』です。この世界を支配している者たちですね」


「なっ……支配している!? けど、国がいくつもあるぞ」

「ええ、ある方のおかげでこの国は支配を免れていたのですよ。ですが、最近は結界も消えてしまい、ついにモンスターの襲撃に遭うようになったのです。今は支配されつつあるというわけですね」


「なんだって……」


「ショックなのは分かります。わたくしもそうでしたから……。でも、希望は常にあるのです。ネメシア、あとは任せましたよ。わたくしは『リース』のところへ戻りますから」

「リースママの? あれ、『ホセ』、『フランシス』、『ステラ』、『パウラス』を一気に攻略するって言ったまま出て行ったけど、帰って来ていたの!?」


 なんだか興奮するネメシア。

 うん? リース??


 あれ…………。なんか、その名前にも懐かしさがあった。


 なんか最近の俺、変だなぁ。心がソワソワする。


「すでに半分を攻略済みです。本来あるべき『聖地』へ戻りつつありますよ。アーサー様、サイネリアたちも今や聖地奪還のために反撃に出ています。ですが、依然としてスターゲイザーは最強の存在……。ヘデラ様、あなたの力が必要です。今や世界一の聖女となったあなたの力が」


「俺の力……。でもな、なにかよく分からない事が多すぎるよ。ネメシア、真実を話してくれるか」

「ヘデラ…………それは。うん、分かった。あなたに嘘はつけない。ねえ、お母さん、いいでしょ? もうヘデラはあるべき姿(・・・・・)に戻るべきだと思うの」


 フォルは迷いなく(うなず)いた。


「分かりました。では、わたくしが半分与えていた聖女の力はお返し戴くとして……しかし、その姿はそのままにしておきましょう。その方が活動しやすいでしょうから。それに、スターゲイザーが本格的に動き出した場合、こちらが不利になってしまう。反撃が厳しくなってしまう。

 ですから、ネメシア、あなたが大切に隠し持っていた【覚醒オートスキル】の力を再契約するのですよ。それで、ヘデラ様は本来の力を発揮できる。スターゲイザーを壊滅に追いやることが出来ましょう」


 もう何がなんだか分からない。

 いったい彼女たちは何の話をしているんだ!?


 くそう、分かる奴がいたら俺に分かりやすく簡潔に説明してくれ……!


「お母さんありがとう。わたし、がんばるから」

「ええ、あなたが希望の星です。彼を――いえ、彼女を頼みますよ」


 もう何度目だろうか。俺に優しい顔を向けて――フォルは去った。


 えっと……。


「うーん」

「ヘデラ」

「お、おう」

「とりあえず、なにか食べましょ。お腹空いちゃった」

「えぇ……」

「この前の大会を配信したら、すっごく稼げたから(おご)ってあげる」

「おいおい、無断配信かよ。まあいいや。じゃ、食い終わったら教えてくれよな」

「うん。じゃ、トーチカやエコも呼びましょ」

「そうだな。みんなで行こう」

いつも応援ありがとうございます。

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