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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第257話 世界一の聖女 - ついでに悪を懲らしめて神聖度超アップ -

 意識を失っていたらしい。

 見覚えのある寝室は、俺の部屋だった。……ああ、【貴族邸宅(うち)】に戻っていたのか。道理で静かだと思ったよ。


「……俺はどうなっちまったんだ」


 顔を横に向けると――


「うおっ、ネメシアが白目()いて倒れてる――――!!?」

「ぷしゅ――――――――――」


「ぷしゅーって!! うわっ、お見せできないほどにお尻が真っ赤っか!! あー…、あれか、ネメシアの母さん……フォルトゥナさんにお仕置きされたのか」


 こりゃあ(むご)い。痛々しい。

 ドン引きしていると、コンフォーターがモゾモゾしはじめた。


「うわっ、掛け布団の中に誰かいる!?」

「……ぷはっ、あたしだよ~♡」

「な、なんだ、トーチカだったか。って、んなとこに……」


 トーチカが上から()し掛かってきた。

 体重はないので重くはないけど、顔がかなり近い。


「ヘデラ~♡」

「うわぁぁぁっ……!」


 キスできそうな距離……!

 てか、なんで、そんなベタベタしてくるのやら。てか、肌ツルツルだな、トーチカ。桜色の唇もたいへん柔らかそうである――っていかん。


 聖女(おれ)とメイドがベッドの上で、こりゃ危険すぎる!


「ちょっと、ヘデラとトーチカなにしてるの!」


 急に復活したネメシアが俺とトーチカを引き離した。

 助かった(?)


「それでネメシア。お尻、平気か」

「平気なわけないでしょ……。身も心もズタボロよ……これじゃ、お嫁に行けないわぁ……」


 ぴえんと泣き崩れるネメシアは、哀愁(あいしゅう)漂っていた。なんかすっごく可哀想なので、同情くらいはしておいてあげよう。



「ネメシア、ところで俺はどうなった? 大会は? ロドスは?」



 そう、俺の目的は大会の優勝だった。

 それと同時にロドスの悪事を公表しようと思っていたのだが。



「聖女コンテスト――もとい『聖女世界大会・コメット』は幕を閉じたわ」

「そうか」

「ヘデラの優勝(・・)でね」

「そうか……やっぱり、はいぼ…………へ?」


 今、ネメシアのヤツなんて言った??



 優勝(・・)??



「マジ!?!?!?」



 めっちゃ驚いた。

 うそでしょ……俺確か、ネメシアの母さんにかなり追い詰められて、ボコボコにされていたような気がするけど――。


「あんた、最後にスキルを発動したじゃない。あれ、なんだったの? 見たことも聞いたこともないスキルだった。ていうか、聖女のスキルではないわよね」


 なぜか疑いの眼差しが向けられる。なんだ、そのセクハラ親父を(にら)むような目。

 おいおい、俺は聖女だっつーの。おっさんじゃないっつーの。


「スキルはともかくとして……俺が優勝……ってことは、世界一の聖女ってことでいいんだよな!?」

「そうね。そういうことになるわね。おめでとう、ヘデラ」


 ……やった。



「やったあああああああああああああああああッ!!!」



 俺は嬉しさのあまり、ベッドの上で飛び跳ねた!!

 ネメシアたちも同じように、泣いたり笑ったりして喜んだ!!


「ヘデラ、あんたが最強よ。だから、優勝賞品として【スターダスト】が贈られるわ。近日、ミケネコヤマトの宅配便で送られてくるみたい!」


「まじ!? てか、宅配便で送られてくるって……まあいいか!」


 そや、【スターダスト】が貰えるなんてそんな話、あったな!

 大会参加前くらいにそんな話があった気がした。


 すっかり忘れていた!


 なんだろう、ちょっと得した感じで嬉しい。


「じゃあ、あと二個集めれば……」

「願いが叶う」


 ……ニヤっとネメシアが言葉に続いた。

 おぉ……あと二個かよ。


 そのうちの一個は、この国の城のどこかにあるという。


「な、なんだ、【スターダスト】って案外、この国に集中していたんだな」

「そうみたいね。あ、そうそう! ロドスの件だけどね、トーチカ」


 ネメシアがトーチカに話を振った。


「うん。ヘデラあのね。ロドスの悪事(ノート)はね、あたしが代わりに公表しておいた。大会が終わったあと、全観客に真実を話した。そしたら、みんな怒り狂ってロドスを捕まえにいったの」


 トーチカによればその当時、真実を知った観客が全員修羅と化したとか何とか。その場面だけ教えてもらうとこうだった。



『ふざけんじゃねええロドォォォォオス!!!!』『殺せ殺せぶち殺せええええええええ!!!』『ロドスロドスロドスはどこだあああああああああああああああッ!!!』『あのクソジジイ、ウチの娘にも手を出しておった!!!』『モンスターを国に入れていたとか、ふざけんなよ!! おかげで家はメチャクチャだ!』『国を何だと思っているんだあのゴミめ!!』『国中を探し回れ!!!』『うおおおおおおおおおおお!!!』『ヤツは噂の秘密結社の仲間だろ!? ぶっ潰せ!!』



 ……シーンが目に浮かぶ。


「そ、それで……どうなった?」


 トーチカはいつもの虚ろな瞳ではなく、希望に満ちた瞳で外を見た。


 ……外?


 俺は起き上がって窓辺へ。


「……外が騒がしいな…………え、えぇ!?」


 外を見ると――



『聖女ヘデラさまぁぁぁ!!』『世界一の聖女はあなたさまです!!』『大会優勝おめでとう!!』『ロドスの悪事を暴いてくれてありがとう!!』『ロドスはこの通り、公開処刑だ!!』『これで国は平和になったぞ!!』『ヘデラさま最高!!』『ずっとこの国にいてください!!』『栄光あれ!!』『お姉様ああああ!!』『ヘデラ! ヘデラ! ヘデラ!』



 邸宅(うち)の前に数百……いや、数千人規模が群がっていた。

 なんだこりゃー!?


「……お、おいおい。すげぇ事になってるな」


 よく見ると、ロドスは十字に(はりつけ)にされ、ロープでグルグル巻きに。国の人たちの恨みだろうか、ボコボコのギタギタにされていた。顔面の原形がなかった……。こわっ……!!



「ま……ロドスは今までレメディオスにモンスターを突っ込ませ、襲わせていたんだ。当然の報いだ。死刑にされないだけマシだろう」



 そうだ。俺はこの為にずっと頑張ってきた。

 これでもう、レメディオスにモンスターは現れないはずだ。


 ……そうだろ?

いつも応援ありがとうございます。

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