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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第253話 準決勝戦 - 追放されし元聖女の復讐 -

 ほんの少しだけ休憩が入り『準決勝戦』が始まった。

 俺は一回目は不戦勝で、二回目は見事に勝利を収めた。二回目の鬼女には驚かされたものだけど、あれから様子を見に行ってみれば、たいしたケガは無かったみたいだ。


 どうやら、殺傷能力は(おさ)えられていたらしい。


「やるな、エコ」

「ええ、私はこれでもエルフですから」


 とまあ小声で言ってきた。なんで小声?

 ……あ、そか、正体バレたくないんだっけ。でも幻術かけてるし大丈夫だろう。


「さて、準決勝か。俺の相手はあの『メカ天使の羽を持つ少女』か。名前は『マスティマ』か……。ふぅん、なんか強そうだな。実は主天使だとか熾天使だったりな」


「あの少女、今までの選手と気配が異なりますよ。私はずっと試合を見ていましたが、あのコは非常に危険と断言しておきます。危険、でんにゃーです!」


 猫目で俺を(おど)してくるエコ。

 ちなみに今の俺だけには『ロリエルフ』の姿が見えている。


「まじか。てか、でんにゃー……」

「ヘデラさま、武運長久(ぶうんちょうきゅう)をお祈りします。では」

「え、一緒に戦ってくれないのか?」


「残念ながら、私はスキルの『召喚』に従いヘデラさまのお力になったのですよ。ですから――世界の『(ことわり)』には従わねばなりません」


「まあまて、落ち着け、エコ。お前くらいの最強のエルフなら何とかなるだろ、そのヘン。なあ、俺とお前の仲じゃないか。『ちゅぅ~るぅ』欲しいんだろう~?」


 俺はエコにずいずい寄っていく。

 お~…プニプニの頬が近い。すりすりしたろか。


「……うぐっ。いくらヘデラさまとはいえ……なあなあで例外を認めるなど。ええ、まあ実は可能(・・)です。私は『理』を逸脱した者ですから」


「やっぱり出来るんじゃん。ほら、約束の『ちゅぅ~るぅ』だ」



「にゃああああああッ!!!(感涙)」



 エコはめちゃくちゃチョロかった。


「ヘデラさまああ、大好きですにゃ~♡」


 おお、凄い勢いだ。本当にこの『ちゅぅ~るぅ』が好きなんだな。よしよしっと俺はエコを撫でた。真の姿はエルフだけど、これではマジの猫だ。


 うん。


 ……勝ったな。


 俺はニヤリと口を(ゆが)ませた。……あ、いかん聖女のしちゃいけない顔をしていた。まずいまずい。誰かに見られたらドン引きされる。


 さあ、行こう。戦いへ。



 ★ ★ ★



 俺は頭にエコを乗せたまま舞台へ向かった。



「いよいよ準・決・勝! ここまで勝ち残ったのは『ヘデラ』選手、『マスティマ』選手、『エグザイル』選手、『匿名希望さん』選手の四名です!」

 それではまず……『ヘデラ』選手とぉぉおおお……! 『エグザイル』選手です!!」


「なに!? 対戦相手が変わった……どうして!?」


 俺の相手はメカ天使の『マスティマ』だったはず。

 なんだそりゃ……予想外すぎる展開!


「ここでお知らせです。どうやら、こちらに不備があったようで、これが正式です!」


 なんだと……不備だって。

 そりゃねぇだろ!! ちゃんと管理してくれよ。


 とにかく、俺の相手はあの『真っ赤なウェディングドレスの令嬢(目つき激ヤバ)』の……『エグザイル』か。おいおい、アレはなんかもう、ラスボス臭漂っているレベルなんだが……勝てるのかあれ。



「両者、前へ!!」



 くそ、異議を唱える時間もないか。やるしかない。



「フフフ……。ヘデラとか言ったな。お前のような可愛い顔をしている女はね……大嫌いなんだよ。塩漬けにして()ってやる」



 うわ、こわっ! ただでさえ目つき悪いってーのに。

 つーか殺したら失格だぞ。


「いいかい、私はね『聖女』なんてどうでもいいんだ。全員潰せればそれでいい。だって、私は『追放されし元聖女』……この恨み、この大会で晴らしてくれようぞ!!」


「なるほど。そんなことで参加しているのか」

「フフフ……今に私の恐ろしさが分かる」


 そうエグザイルは猛ダッシュ――いやこれはダッシュとかいう次元じゃない。人間離れした高速移動。早すぎて見えねえ!!



「死になァア!!」



「げ……『口裂け女』だったのか!!」


 エグザイルは大きな口を開けた。鋭い歯が俺を喰おうとしていた。てーか……怖すぎるだろ、バケモノだ。子供が見たら大泣きするぞ!


 だけど!!



「ほーりー☆くろす!!」



 俺はまさにこの接近を狙っていた。

 このほぼ零距離なら、ダメージは大きいぞ。


 至近距離で放った『ほーりー☆くろす』は口裂け女の腹部に集中的に命中。危うく俺の胸が食い千切られるところだったが、あと数センチのところで吹き飛ばした。


 ヤロー…! 俺の自慢の胸を狙ってきやがって……!!


 そう内心で()えていると、エグザイルは場外スレスレで飛び跳ね、数十回転して舞台へ戻ってくると――華麗に着地した。


「バケモノか……」

「ヘデラさま。ヤツは一筋縄ではいきません。ここは私が」

「ああ、そうしたいのは山々なんだけどな。く…………エグザイル」


 あの女……俺とネメシアの関係を知ったうえで、人質にしてやがる。もちろん、実際に人質にしているわけではなく、ネメシアのいる客席に合わせてポジションを維持していやがる。

 そんなところへレーザーやらを撃ったらネメシアだけじゃない。トーチカも巻き込んでしまう。それだけは絶対に出来ない。



 二人を傷つけるなんて……そんなの死んだ方が数億倍マシだ!



「……そういうことでしたか、ヘデラさま」

「察してくれて助かるよ、エコ。エグザイルは、俺とネメシアが待機所で話しているところを目撃しているからな。ここで逆手に取られるとは…………卑怯(ひきょう)な」


 こうなるとエコは戦力外。今や俺の頭の上で乗っかってる置物。いやでもチャンスはあるかもしれない。ヤツの位置さえ変えられれば。


「フフフフフ……。気づいたようね。そう、私はあなたの仲間を背にし、人質にしている。さあ、攻撃できるかしら……!」


 両手を広げ、(あお)ってくるエグザイル。くそ、むかつく。ヤツの背後にネメシアたちがいなかったら、今頃は土の中に埋めてやってるところだが――。


 けどな、まだ勝算はある。


 ネメシアのくれた『プレゼント』を――ここで使う!!!

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