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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第251話 聖女コンテスト - 優勝して世界一の聖女になれ!! -

 ラナン(ハリボテ)を使って、俺たちはロドスに見つからないよう現場を後にした。でもちょっと気になって振り返ってみたら、ロドスは目ん玉飛び出して驚いていた。



 サクサクっと『聖女コンテスト』の会場へ向かった。



 会場は、オープン型の闘技場みたいなところだった。


 ――ん、コロシアム?


 いやいや、戦うわけないよな~。俺はおしとやかな『美少女コンテスト』をイメージしているし、うん、きっとそうに違いない。だって、聖女(・・)だぜ。女同士でそんな激闘バトルするわけナイナイ。


 到着するとガヤガヤ、ワーワー騒がしいじゃないか。なんて人口密度。お客さん何人いるんだよ。多すぎだろ。アイドルのライブ会場じゃあるまいし。


「すげぇ人混み……国中の人たちが集まっていそうだぞこりゃ!」

「うん。てか、これ……殺し合い?」

「まて、ネメシア。そんな物騒なこと言うんじゃない。マジでそうなりそうだから、フラグを立てるのはヤメレい」


「あはは……そ、そうね。ごめん。滅多なことは言うもんじゃないわね」


 髪を(いじ)りながらネメシアは謝るが、しかしすぐに顔色を変えた。まて、なんだそのショッキングなものを見た表情! ヤメレ!! マジで!!



「……まさか……『聖女コンテスト』って……そういうことなのか!?」



「ヘデラさま。どうやら『聖女コンテスト』は武闘大会(・・・・)のようなものらしいですね。勝ち残ったひとりが世界一になれるってことらしいです」


 ――と親切に説明してくれるエコ。ええ、もう見れば分かります。


 あー…なんだその天下一[ピー]みたいな。


 で、立ち()くしているとアナウンスがはじまった。



『まもなく受付を締め切ります! 現在出場人数は『29名』――さあ、自信のある女性はどんどん参加してくれい!! 優勝すれば『世界一の聖女』となれるぞー!! ただーし、血飛沫(ちしぶき)を見る可能性もある! 参加には十分留意してくれい!!』



 おっと、締め切りが近いようだ。


「あーもう……。受付してくるか」

「がんばれ、ヘデラ。あたしが応援している」


 指でハートを作って健気に応援してくれるトーチカが天使に見えた。いや、天使だ。……よーし、頑張ろう。そうさ、世界一の聖女に俺はなる!!



 ★ ★ ★



 俺は受付を完了(・・)した。

 これでもう後戻りはできない。

 これから、あの舞台で戦い抜き、優勝を目指さなければ。



 受付の姉ちゃんから待機所を案内され、俺はひとりそこへ向かった。

 くそー…さすがに心細いぜ。しかもこんな時に……ネメシア、トーチカ、エコの顔が脳裏に浮かんできやがる。俺としたことが……恋しい(・・・)なんてな……。ああ、みんなが(そば)にいないとソワソワする。なんだこれは。なんなんだこの気持ち。


 そいや俺、ひとりだったのはこの国に来た時だけだった。それで、すぐネメシアと出会ったから、ひとりになる時間は少なかった。


 それが今ではどうだろうか。


 まさか、ひとりでこんな『聖女コンテスト』に参加することになるなんてな。あの頃からだったら想像もつかなかった。


 でもやってやる。


 最後までやり抜き通し――勝つ。それだけだ。



 優勝すれば、世界一になれるだけじゃない。

 ロドスの悪事を暴露できる。



 ――で、到着した。


 中に入ると……多っ。なんだこの人数。

 ざっと『30人』はいるぞ。みんなもちろん『女』だ。……う、どいつもこいつも、一癖も二癖もありそうな個性的なヤツばかり。俺も人のことは言えないけれど――なんだあの巨人女。身長二メートル以上はあろうかというヤツがいた。こえー。


 その他には……『覆面ウェイトレス』、『燃える鎖を手に持つ鬼女』、『恐怖のゴースト飼い喪女(もじょ)』、『真っ赤なウェディングドレスの令嬢(目つき激ヤバ)』『下着姿のメガネのお姉さん』、『なんかの種族の獣人少女』、『ヘンな髪色をしたゴスロリ少女』、『メカ天使の羽を持つ少女』――などなど見渡す限りとんでもないのが沢山――――ちょっとまて。



 『ヘンな髪色をしたゴスロリ少女』だって?



 完全に見過ごしていたが……これは明らかに!!


「おい、ネメシア(・・・・)。なんでいる……!」

「あ、バレた~?」

「あのな、そんな髪色かつ超目立つゴスロリ姿は世界でお前しかいないわ。て、参加するのか?」

「ううん。わたしはヘデラの応援。近くから見守りたいの」


「…………そ、そか」


 ちょっと照れた。

 うー…不意打ちずるいなぁ。とか顔を赤くしていると、ネメシアは『ホワイト』に手を突っ込み何かを取り出した。


「はいこれ」

「あ……これ『SPGミナギール×3』と『スキルポイントが1つ増える不思議なドリンク』じゃないか! いいのか」

「うん。使ってほしいの。わたしはヘデラに優勝して欲しいし、ヘデラの為なら全力でサポートする。これはわたしの素直な気持ち」


 やべ……けっこうウルっときちゃった。泣きそう。

 ネメシアって割と『女神属性』あるよな。

 実はそうだったりな。なわけないと思うけど。


 俺は、ネメシアからアイテムを受け取り(ふところ)に忍ばせた。よし、これなら希望はかなりあるぞ。絶対に勝つ、そう意気込んだ時だった。


 あの最初に見かけた『巨人女』が寄ってきていた。


 すると開口一番で――


「そこのちっこいの。本当に小さいな」


 ――とまぁ悪口を言ってきたんだな。俺は別に本当のことだから気にしなかった。それくらいのスルースキルは持ち合わせいるし。つーか、身長は小さいほうが俺は好きだね。

 だが、巨人女は言葉を続けた。


「噂は聞いているぞ。そんなチビのくせに国を救っているようだな。ははは、くだらない。そもそもそんな細腕で私に勝てると――――」



 そうヤツが言い終わる瞬間、凄い轟音(ごうおん)がして――


 巨人女は待機所の屋根を突き破り、空へふっ飛んでいた。あの巨体があんなバカスピードで飛行してやがる。あ~もう見えない。


 いやはや……すげえ音がしたが、これは、この容赦ない攻撃は…………ネ、ネメシア!? お前なのか。手元がまるで見えなかったけれど。



「…………ヘデラを侮辱(ぶじょく)するな」



 ……え?



 ネメシアさん、なんか顔が怖い。なんか……いつものネメシアじゃない!!



「いいかテメェ等!! わたしのヘデラに心の傷だろうが、傷ひとつでもつけたらぶち殺す!! 覚悟しろ!!!」



「あわわわわわわ……!! ちょ、キャラ変わってるキャラ変わってるって、ネメシアアア! 戻ってこおおおいッ!!」


 俺は必死に訴えた。すると、ネメシアは落ち着きを取り戻し……


「あ…………。まず……ごめん、わたしトーチカたちのところへ戻るね……」


 なんか両手で顔を(おお)い、恥ずかしそうに出て行った……。



 ~~~すぅ……はぁ…………。



 これ、夢?

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