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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第250話 モンスター襲来の謎 - ロドスの秘密を暴け -

 朝ふと目が覚めて新しい一日を迎えた。

 こうやってのんびり起きるのって最高に気持ちが良いな。しかも天気もよくて空気も新鮮だ。


 さすがに昨日は働き過ぎた。働き過ぎたので、今日は休日とした。たまには休まなくちゃな。【秘密結社】の動きも気になるところだが、あのロドスも後がない。だから慎重にはなっているはず。


 だったら、今日一日くらいはぐーたらしてもいいよな。


 俺は朝風呂へ行こうと廊下(ろうか)を歩いていった。その道中。


「おはよ、ネメシア。なんだシャツ一枚姿でボケボケしちゃって」

「あー…ヘデラ。おはよー…。うーん、疲れちゃって」


 頭の重そうなネメシアは、そのまま俺の方へ倒れてきた。おいおい。疲れすぎだろ。目に(くま)も出来ているし、疲労困憊(ひろうこんぱい)って感じだな。


「げっ……。しかもお前、下着はどうした。なんもつけてねーじゃん」

「……あぁ、超絶面倒臭くて。それでシャツだけ……ん~見たいの~?」

「俺が男だったら泣いて喜ぶシーンだけどな。残念ながら風呂でいつも見ているからな」

「うん。嬉しい。わたしのこと見ていてくれてるんだ」

「え……そりゃ、まあ……」


 で、なぜかネメシアは目を閉じ――ってまてーい! なんでそんな赤い顔で『キス』を迫ってきているー!? あれ、そういう雰囲気だっけ!?

 どうしよう。俺、なんかドキドキしてきた。なんでこんな朝っぱらからこんなイベントが発生しなきゃらなん!


「お、おい……ネメシア。俺たちは女同士だぞ」

「じゃあ【スターダスト】であんたを男に性転換させる! それでいいしょ」

「なんで怒ってんだよ。て、それはヤメレ! せっかくの美少女が台無しになるだろうが」


「えー。性転換させたらイケメンになると思うけどなぁ。あ、それかイケメンに変えてくださいって願えばいいかもね」


「却下だ。だったら俺はこのままでネメシアを好きになるよ…………あ」


「……うん。それが一番うれしい」


 う……。なんか見事に誘導され、言わされたような。ああもう!


「ネメシア」


 俺は、彼女を壁ドンした。


「…………いいよ」


 ……ちくしょう。なんでそんな『全てを受け入れる準備は出来てる』的な眼差しなんだよ。もう俺の理性は抑えられないぞ。

 少しずつ顔を近づけ、俺はネメシアの唇に――



「ふたりとも何してるの」



「「!?」」



 いつものメイド姿のトーチカが(そば)でしゃがんでいた。いつの間に!

 ずっと俺たちをじっくり観察していたのか。……う。


「こここここ、これは……! ネメシアの目のゴミを取ってやろうと思ってね!?」

「そ、そうよ。さっきわたし目にゴミが入っちゃってそれで……」


 なんて咄嗟(とっさ)に誤魔化したけどバレバレだな。


「じゃあ、あたしともキスしてよね」


 バレてるー!!

 てか、トーチカお前もかー!!!


「二人ともまた今度な。さ、さあ、朝風呂いこうっ~と」


 逃げるしかない。逃げるしか。


「あ、じゃあ、わたしも」

「さっき入ったけど、あたしも~」


 ついてくるんかーーーい!!

 ま、いっか。特段気まずさもないし。



 ★ ★ ★



 風呂を出て、そういえば『カーニバル』最終日なのを思い出した。

 そうだ、あのミノタウロスの一件で一時中断していた『聖女コンテスト』だが、改めて今日開催することになったようだ。ということで、俺は出場する!!


「身なりは完璧に整えたし、勝負下着だし、あと今日も絶好調な可愛さだし、いけるだろ!」


 ただまぁ『聖女コンテスト』とやらが外見だけを重視するものとは限らないけどな。でも参加することに意義がある。俺が優勝すれば更に名は広まり、その『聖女』たる地位を確固たるものにできよう。


「みんなカーニバルへ向かうぞ~」


「はーい」ネメシアよし。

「おけー」トーチカよし。

「にょーす」エコはにょーすと。


 みんな元気よく手をあげたので出発!



 道を歩いて会場へ向かう最中だった。

 あの例のジジイ『ロドス』がキョロキョロしていた。不審(ふしん)すぎだな。……てか、なんだ、なんか探してる?


「ねえ、ヘデラ。あのお爺さんって……」


 不安げに声を掛けてくるネメシアは、眉間(みけん)(しわ)を寄せていた。おー、引いてる引いてる。前に尻触られたしな。俺も抱きつかれたけど。


「ああ、この国随一のセクハラジジイだな。で、モンスター襲来の原因。けどな、まだ証拠が出揃ってないからな……ん。あれ、そやエコお前なに(くわ)えてんだ」


 そや、さっき出発前も変な鳴き声だったな。

 『にょーす』とか。それでか。


「にゃにゃにゃ」

「なんだ俺に取れってか?」


 エコの(くわ)えている本? ノート? らしきものを受け取った。



「ああ、これ……【秘密結社のノート】……はぁ!?」



 まんますぎだろ!! ちっとは(ひね)れよ!!


 あー…あれか、多分あのロドスが落としたのか……。で、エコがたまたま(くわ)えてきてしまったと。なんてこった。まさかこれ中身は……。


「うわっ!」


 俺は中身を見てゾッとした……。内容はこうだ。



 【ぶるぶるスライム】

  ……カビが強力。住民をカビ殺す。

 【オテントウ】

  ……偵察用使い魔。家中を監視だ。

 【クラウンゴブリン】

  ……家を破壊しつくす。きっと家の中に隠されているに違いない。

 【ケルベロス】

  ……ボスを使ってもっと破壊を。レッドスターを徹底的に捜索だ。

 【ごつごつのごっついミノタウロス】

  ……レッドスターを使って召喚。もう国を全て破壊だ。


 『著・ロドス』



「お……おいおい。これ今まで襲来してきたモンスターのデータだぞ。他にもたくさんモンスターのスペックがズラリと書かれていやがる。計画的犯行か……」

「ヘデラ、これ……あのロドスが」


 ネメシアの顔が凍り付く。


「ゆるせない……」


 その内容を見たトーチカは、静かに怒りに燃えていた。うわ、目つきが怖いぞ。今にも人を殺しそうな目をしていた。まさにゲキオコ。ビキビキィって感じだね。


「そうか……前の『ごつごつのごっついミノタウロス』はロドスが……。だから、ネメシアの【レッドスター】ではなかったんだ。つまり、ネメシアのはまだあの噴水に転がっている。たまたまタイミングが合っただけだ。良かったな、ネメシア!」


「そうだったんだ……はぁ~…良かった。割と気にしていたのよ、わたし……」


 胸をなでおろすネメシアは安堵(あんど)していた。

 そうだろうな。だいぶやつれた顔をしてたし。気にしているんじゃないかとは思っていたけど、フォローしようにもまったく気持ちを吐露しなかったからな。

 たぶん、こいつなりに自分で悩んでいたんだろうな。


「このノートは証拠。みんなにバラす」


 闘志を燃やすトーチカは、血管ぶちぎれるくらいに青筋を立てていらっしゃった。なんか怖いぞ。つーか、めちゃくちゃコエー!! なんか俺が(にら)まれてるよ!


「ト、トーチカ。落ち着けって」

「……うん。けど、どうすれば皆にこれを伝えられるんだろう」

「大丈夫だ。これから『聖女コンテスト』があるだろ。俺がそれを利用して、この情報を世間に公表する」



「ああ!」

 ネメシアが俺を見た。


「おお~!」

 トーチカも。


「にゃんと!」

 エコは俺の頭に乗った。いや乗るな。重い。



「そうこれでヤツは……ロドスはおしまいだ。俺が世界一の聖女になったその暁にはヤツに復讐する……!」



「「「おおおおおお~~~~!!!」」」


 二人と一匹は声を上げた。

 あ、やべ、ロドスがこっちを振り向こうとしている!


 させるかあああああああ!!


「こっち見んじゃねえ! 【建築スキル】――『ハリボテ』!」


 俺は【建築スキル】を用いて『ハリボテ』を即席で生成した。すると、俺たちの間の前に『へのへの文字の意味不明な男』の人型看板が立った。


「なにこれ……」


 じとっとネメシアが見てくる。


「え、これはラナン」



「ブッ――――――――-!!!!!!」



 まさかのあの生真面目(きまじめ)なトーチカが吹いていた。しかも両手で口を強く押え、プルプルと震えている。


 お前が笑うんかーーーーーーーーーい!!!

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