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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第248話 秘密結社の男 - 暗躍するものたち -

 俺はひとり人混みを抜け、モンスター襲来の原因を作っているジジイ『ロドス』を尾行した。……人目を避けていったいどこへ行くんだ。

 しかもなんだ、あの面白くなさそうな不貞腐(ふてくさ)れた顔。


 バレないよう進んでいくと、街からかなり離れた普段は通らないような裏路地へ着いた。……ここは、なんだ。……ん、倉庫?


「なんであんな倉庫に。しかも一人で? いや、誰かいるな」


 息を(ひそ)めて俺は、ヤツの会話を盗み聞きすることにした。



「……なに、失敗しただと? それでは我ら【秘密結社】の悲願――いつ成就(じょうじゅ)できようか。貴様の数々の失敗は目に余るものがある。いいか、これ以上の失敗は許されぬ。あの御方の寛容(かんよう)なお心も、いつまで大らかでいて下さるか分からんぞ」



 ――な。【秘密結社】だって!? あの女王様が言っていた……謎の組織のことか。まさか、こんなところに居たとはな。


「そ、それは……。どうかお待ちください。このロドス。今度こそこの王国を徹底的に破壊し、【スターダスト】を手に入れてご覧にいれましょう。

 ですが最近、『聖女』なる女が(いちじる)しい活躍を見せているのです。あの女をなんとかせねば……」


 しかもあのロドス……関係者だったのか!! そうか、それで大量のモンスターを国に襲わせて……やっと点と点が線で繋がった。


 これは間違いない。

 ロドス、あいつは【秘密結社】の一員だ。


 しかし、ロドスが話している相手の顔はまったく見えない……どうなってんだ。俺は更に耳を(かたむ)けた。



 ――が、そんな重要な時に



『ぐぅ~~~~~~……!!!!!!』



 俺のお腹が爆撃の(ごと)く鳴った。

 ……あ、昼からなんも食ってないや。って、まずい! 今ので向こうがかなり不審(ふしん)に思っている。どうする……誤魔化(ごまか)すか! よ、よし。



『にゃぁ……』



「なんだ猫か……」

「えぇ! ゴータマ様。今の猫なのでしょうか!?」


 なに、『ゴータマ』? それが相手の名前か。俺の咄嗟(とっさ)の行動がまさか相手の名前を引き出すキッカケになるとはな。



「どう聞いても猫だったろう。猫が腹を空かせていた。それだけのこと」

「そ……そうなんですかねえ。このロドスにはそうは聞こえませんでしたが……」

「なんだと!? 貴様、吾輩(わがはい)を疑うというのか!?」

「いえいえ! そんな恐れ多い……失礼を」


 あのロドスが『ゴータマ』だとかいう奴に恐れをなしていた。それほどの相手なのか。だけど、これでロドスを追いつめられれば【秘密結社】にも繋がる。


「では、ロドス。期限は三日だ。それまでにこの国あるという【スターダスト】を探し出し、奪うのだ。吾輩(わがはい)は他の王国へ(おもむ)き、貴様と同じ【七人の暗躍者】のひとり――『ハリカルナッソス』に命令を下しにいかねばらん。任せたぞ」


「う、承りました。ゴータマ様」

「ところで、ロドス」

「は、はい……なんでしょう」

「貴様、この国……街の住人、特に若い娘に手を出しているそうだな。いいか、そのような無知蒙昧(むちもうまい)は許されぬ。【秘密結社】の情報漏洩(ろうえい)は死へと直結するのだ。それは貴様も重々承知しているはずだ。分かったか」


「は……弁明する余地もございません。軽率な行動、大変申し訳ございませんでした。以降は『熟女』に切替を――」

「バカモノ!! 吾輩(わがはい)の話を聞いていたのか、貴様!!」


 おいおい、ロドスのやつまるで()りてないじゃないか。つーか、あいつの守備範囲どうなってんだよ。女なら誰でもいいのか。サイテーだな。


「まあいい。大目には見てやるがな、あの御方の気分次第では貴様は(ほうむ)られるかもしれん。精々気をつけるのだな。ではさらばだ」


 とゴータマとかいうヤツは……忽然(こつぜん)と消え去った。


 なんだ……姿がまったく見えなくなったぞ!


 スキルか何かだろうか?


 まあいい、収穫は十分にあった。これでロドスを追いつめてやる。――と、その前に街を復興してからな。それからでも遅くはないだろう。


 さて、そろそろ皆戻ってくる頃合いだ。

 俺はひっそりこの場から去った。


『ぐぅ~~~~~~……』


 あ、だめだ。その前に腹が減った。なにか食べようっと!

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