表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

255/563

第247話 聖女の建築スキル - 奇跡の力で国を救え!! -

 みんな楽しんでいた『カーニバル』は一変し、怪獣大戦争になっていたが、それは程なくして解決した。まさか(エコ)が王国――いや、世界を救ったと言っても誰も信じないだろうな。というか、真の正体はとんでも激カワロリ少女だったけど!


「なにをブツブツ言ってるのよ、ヘデラ」

「おう、悪いな、ネメシア。なんでもないよ」

「そ。それにしても……わたしの【レッドスター】が……はぁ」

「落ち込むな。ほら、【グリーンスター】ならあるぞ」

「嫌よ! 赤がいいの。赤じゃなきゃ嫌!」

「ワガママだなぁ。分かった。ちょっと待ってろ」


「え?」


 俺は噴水へ向かい、水中に落ちていた【レッドスター】をつかみ取り、さも当然であるかのように堂々と拾い上げた。


「はい、ネメシア。俺からの素敵(すてき)なプレゼントだ」


「はぁ!?」


 はぁ……って、なんでそんな驚く。


「……あ、ありがと。けど、普通一度落ちた【スター】は拾えないはずなのに……。あ、そっか。ヘデラは『聖女』だから……まさか!」


「え? まさか?」

「う、ううん。なんでもないって。でもありがとね」


 まぶしい笑顔を向けられて、俺も嬉しかった。

 やっぱりネメシアは笑顔が似合うな。


「でもさ、これってまた入れたら、どうなるのかしら」

「ヤメトケ。またバケモノが出るだけだろ。下手すりゃ爆弾だぞ」

「う……そうね。止めておきましょう。ハズレを引いた時が怖すぎるわ。さて……うーん。カーニバルどころじゃなくなっちゃったわね」


 街並みを見渡せば、どこもかしこも絶望的に倒壊している。

 半壊どころじゃない、全壊(・・)だ。瓦礫の山だ。全部、さっきの『ごつごつのごっついミノタウロス』のせいだ。あれが暴れたせいで、国はまた……人的被害だって出てる。


 今は王国のアマゾネスたちが救出作業やら、怪我人の手当てで動いている。けれど……建物はやっぱり元には戻らない。



 だから、俺の出番だ。



「ネメシア。俺は【建築スキル】を使う」

「うん。いいと思う。それがヘデラの使命なんでしょ」

「そうだ。俺はなんつったて『聖女』だからな。それにさ、エコがいつしか言っていたんだよ。世の為、人の為――それが私のプライオリティーってな。まったくもってその通りだ」


 俺は【パープルスター】をセット。

 【極スキル】として変換され、【建築スキル】を覚えた。本来【極スキル】は【スターレベル】を上げないと覚えられないらしいが、こういう近道もあるようだな。

 これであと二個は【極スキル】を覚えられるようだが、まあ今はそんな余裕はないな。


「よーし。じゃ、さっそく近所の服屋で、レモネードさんの家を直すぞ。この前、下着でお世話になったからな。特別に優先する!」


「そんな理由で……」


「おいおい、そんな呆れたような顔すんな。優先順位ってものがあるんだよ。それじゃ、建物の再構築開始――『復元』! って、材料が足りないー!? そか、修復するにも大量の『木材』が必要なのか……」


 なんてこった。触媒(しょくばい)が必要だったとはな!

 まあ、そういうスキルもあるわな。


「木材取ってきた」



『ど――――――――――ん!!!!!』



 ――と、置かれたそれは『木材』に他ならなかった。


「トーチカ! タイミング良すぎだろ……姿が見えないと思ったらどうして」

「ここあたしの国。自分の国を復興する、当然のこと」


 そうか、たまに建物が復活していると思ったら、トーチカの仕事だったか。もちろん、アマゾネスたちも奮闘しているとは思うけど。

 あの木材の量を見てしまうと、トーチカがほとんどを(にな)っているとしか思えない。


「ありがとう! 使っていいんだな?」

「うん、そのために【建築スキル】を高いお金で勝ち取った。あとはお願いね」


 メイドらしく、トーチカは頭を綺麗に下げた。

 あんな丁寧なお辞儀されちゃ、その期待に応えるしかないだろう。



「いくぜ! 今度こそ再構築開始――『復元』!」



 ピカッと光り、崩れていた建物が一瞬にして『復元』されていく。まるで逆再生を見ているみたいだ。どんどん積みあがっては、家が建っていた。



「「「「「おおぉおおおおおっ!!」」」」」



 感心、そして、どよめきとなった。



「うぉ、すげえ!!」「こ、こりゃ奇跡か……」「あの聖女さまがやったのか」「こんなの人生で初めて見たぜ!」「ヘデラさま万歳~~~!!」「元通りになってるよ。うちもやってくんねぇかなぁ」「へえ。大工聖女さまかあ?」「オレっちの家もおねがいっす!」「聖女さま、かっけえ!」「俺、聖女さまに惚れたっ」「レメディオスNo.1の聖女は、ヘデラさまでちげぇねぇ!」



 などなど、多数の有難きご声援が。

 いやぁ、俺もハッピーだし、みんなもハッピー! なんて気持ちのいい仕事なんだ。よし、続けて他の倒壊した家も直して直しまくるぞ!


「俺が全部、元通りに直してやる。トーチカ、もっと木材を!」


 俺がそう要請(ようせい)すると、


「受託した。ただし、あたしのアイテムボックスじゃ限界がある。ネメシアの『ホワイト』のストレージを借りたい。いい?」


 ネメシアを透き通った目で見つめるトーチカは、どこか生き生きとしているように感じる。ほー。あんなトーチカを見るのは初めてかもな。なるほど、彼女も世の為、人の為に本気か! いいねぇ。


「あーうん。いいけど、木材を?」

「そ。たくさん持ってきて、たくさんの家を直す。大丈夫、生態系にダメージを与えないほどに伐採する。それと木はすぐに生えてくるように……エコ、なんとか出来る?」

「ええ、私にお任せ下さい。他ならぬトーチカのご要望ですからね。いいですよ」


 どうやら話は(まと)まったようだ。


「じゃ、行ってくるわね、ヘデラ」

「待っててね~」

「少々お待ちください」


「みんな頼んだぜ」


 ネメシア、トーチカ、エコは『木材』を入手しに外へ向かった。俺は待つしかなさそうだな。さてと――ん?


「あれ……あの人。確かセクハラジジイの『ロドス』っていったか」


 この国【レメディオス】で有名な変人ジジイじゃないか。

 そや、前に抱きつかれたっけな。ああ、思い出しただけでゾっとしやがる。それと、どこかのおばちゃんから情報提供を貰ったままそれっきりだった。そうだ、アイツを何とかしなきゃ。


 つーか、【クリスピア】にも同じようなのがいたな。――ったく、ジジイはそういうヤツばかりなのか……。まあいい、とにかく今は『ロドス』が問題だ。



 すげぇ怪しいし、追ってみるか。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ