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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第245話 レッドスター暴走 - ごつごつのごっついミノタウロス -

 今日はちょっと寒々(さむざむ)しい朝だった。朝風呂、朝食を済ませてレメディオスの『カーニバル』とやらに参加してみることにした。


 最終日の『聖女コンテスト』は、もちろん出場する。いったい、どんな内容なんだか皆目見当もつかない。まあ、容姿だけを争うのなら、俺はぶっちぎりの一位だろうな(自信タップリ)。


「しっかし、トーチカ。なぜ俺がお前をおぶらなきゃならん。重いんだよ」

「ぶー。重いはダメ。あたしこれでも『99.2080179832lbs』だよ」

「よく言えるな!? つまり、何キロだよ!? そんな風に乙女の秘密をカミングアウトされてもな……。まあ確かに軽いけどさ、俺が男だったのならまだしも女の細腕じゃキツイって……」


 まさに俺の腕はプルプル震えていた。

 くそ……昔ならきっと余裕だったと思うけどな。

 俺も今はすっかりか弱い乙女ってことかぁ。


「はぁ……すまん、もう降りてくれ」

「分かった。今度はあたしがヘデラをおんぶしてあげるね」

「あん? 無理だろ、トーチカじゃ……あ、でも俺も体重はほぼ同じだわ」

「余裕余裕」


 とトーチカは腰を下ろす。乗れってことらしい。うーん。俺の予想じゃ、そのままぶっ倒れる気がするけどね。まあ、モノは試しってことで。


「じゃ、いくぞ~。無理すんなよ」

「うん」


 おそるおそる俺はトーチカの背中に乗った。

 すると余裕で持ち上がり、普通に歩きだしやがった。


 おお、すげえ! 力持ちか。


「ふふー。これでも(きた)えているから。そうじゃないと、銃器の扱いにも困るから」

「あ、そっか。じゃあなんだ、腕立てとか腹筋とかしてんのか」

「そ。目指せマッチョメイド」


 マッチョメイド……いや、トーチカはそのままでいいだろ。その方が可愛いし。つーか、そんなトーチカは俺は見たくない。ので、


「昨日の風呂に現れたあんなのにはなるなよ」

「うん? 昨日?」


 だめだ、すっかり記憶から消去されているようだ。



 トーチカにおぶんされながら『カーニバル』会場へ向かう。

 そうそう、ちなみにネメシアは別行動中。このお祭りを『配信』したいんだとか。あいつはやっぱり根っからの配信者なんだなあ。原理はよく分からんけど。

 あとエコだが――『猫の集会』があるらしく今日は珍しく不在。


 ということで、俺とトーチカの二人きり。


「お、あのスイーツ美味そうだなぁ」

「うん。買う?」

「そうだな。トーチカの分も買ってやるよ」

「わーい。嬉しい♡」


 俺はおんぶされたまま、出店のおっちゃんに注文した。


「らっしゃ~い。って、おぉ!? ……ね、猫耳メイドさんが聖女さまをおんぶ? これは珍妙なサブクエストだねぇ~?」


「いやいや、サブクエストなんかじゃないですよ。ただの運命の悪戯ってやつです。あ、おっちゃん。そこの『ぶるぶるスライム』みたいなやつ二つくれ」


「はぁ、ま、まあ分かりました。『テンフ』ふたつで【600セル】だよー」


 俺は金を払い、スイーツ『テンフ』を受け取った。

 変わった見た目だが、味はどうだろうか。……っと、その前に降りるか。


「っしょっと。トーチカ、ありがとな。さっそく向こうで食べようぜ」

「はーい」


 近くの例の噴水でスイーツを楽しんだ。


「うまー!! なんだこのまろやかな味わい。しつこくないし、サッパリしている」

瑞々(みずみず)しい~」



 とまぁ、ここまで普通だった。


 だが、それは唐突(とうとつ)に起きたのだ。



『ドボォォオ~~~~~~~~~~~~~~~ン!!!』



 噴水に何か落ちた。

 ……なんだ、ここは何か落ちないと気が済まないのか!?


 前は王子のラナンが落ちたけど、今回は……!?


「ぶぶぶぶぶぶっばばばば!」


 頭から突っ込み溺れてる。

 いかん! 溺れているのは、どうやら女の子のようでパンツが丸見えだ! って、そりゃええわ! 救出だ……! って、あれ。


 どこかで見たことあるようなパンツだ。


「って、ネメシア!!!」


 俺はネメシアを引っ張り上げた。


「ぷああああああああ!! 死ぬところだった!!」


「なにしてんだよお前……」


「いや~…夢中になって配信してたらさ、足引っ掛けて落ちちゃって…………あ、髪飾りの【レッドスター】が……!」


「え。まさか、衝撃で噴水に入っちゃったのか……ってことはガチャが?」

「ううん。大丈夫。『2個(・・)』しか落ちてないから、回すには『10個』欲しいから――」


 だが、なぜか噴水は反応しはじめた…………



「「「――――え?」」」



 みんな顔を合わせ、噴水を見た。まさか、そんな!?



『『『『『ズシ――――――――――ン!!!!!』』』』』



 街全体が揺れた。


「うわっ!! なんだこの突き上げるような地震は……!」

「ヘデラ、あれ!」


 ば、バカな……!

 噴水からモンスターが!?


 そういえば、トーチカが以前言っていた。



『【レッドスター】は武器とか防具が出るよ。あと、たまにヒトとかモンスター、爆弾とかゴミとかハズレも出るよ』



 ――と。



 まさにモンスターが召喚されてしまったようだ。

 つーか、『2個(・・)』だったはず……どうして!?


 焦っていれば、巨大なモンスターは目をカッと見開き……口から、



『!!!!!!!!!!!!!!!!!』



 エコのビームを軽く上回るとんでもないレーザーを放ち、街を一気に焦がした。



「……おいおいッ!」



『緊急事態発生! 緊急事態発生!! 王国に未知の大型モンスターが出現しました!! 大至急、住民は避難された――どぎゃあああああああああああああああああああああ!!』


「あああああああ!! アナウンスの人が死んだ!!! 多分!!」


 てか、アナウンスの人、毎度ボコボコにやられてるのに復活してるよな。いったいどんな人なんだか。って、そんな悠長に考えてい場合ではない。


「ネメシア……これは」

「……ええ。あれは【ブラスターボス】の『ごつごつのごっついミノタウロス』ってヤツみたい!」


「――は?」


「だから、『ごつごつのごっついミノタウロス』よ!」

「ご……ごつごつの」


 思わず吹きそうになった。



 どんだけごっついんだよ!?



「――――って、うわぁ!!」


 スーパーレーザーをまた放たれ、家がどんどん吹き飛んでいっていた。まずい……このままでは、この国は滅ぶ!!



 ===== !!!DANGER!!! =====


 【国の存亡を懸けた討伐】


 【ブラスターボス『ごつごつのごっついミノタウロス』 1体 を 討伐せよ!】


 【報酬期待度:☆☆☆☆☆】


 ===== !!!DANGER!!! =====



 なっ……『デンジャー』だって!?

 そんな表記は今までなかった……つまり、ヤツは超危険な存在ということ。こりゃヤバいぞ……。


 だけど、それでも!



 俺はこの国を――



 【レメディオス】を守る!!

いつも応援ありがとうございます。

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