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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第240話 ネメシアを救い出し - 貴族の野望を打ち砕け!! -

 【闇オークション】から帰還し、裏路地から表へ出ようとした時だった。


 それは突然起きた。


 三人……いや、四人か。

 ――の女たちにネメシアが捕まり、人質にされてしまった。


「きゃぁぁ!? 何、なんなの!?」

「ネメシア!! おい、お前ら俺の仲間になにしてんだ!」


 ……って、あの女の子たち。

 闇オークション会場にいた貴族の『奴隷(どれい)』じゃないか!!


 まさか、これを仕掛けてきたのは……


「くくく……。よくも私の【建築スキル】を奪ってくれたなァ!!」


「てめぇ! ネメシアを放せ!」

「おぉん? 放せ(・・)はマズイと思うがなぁ!?」


 貴族は、奴隷の女の子に指示すると……ネメシアを用水路に突き落とそうとした。



「やめろ!!」



「……ふっふふ、イイ顔だ。そうだ、それでいい。

 言っておくが、用水路に落ちれば最後。(おぼ)れ死ぬわけだが、その死体は永遠に流され続けるのだ。たとえ運よく引き上げられたとしても、水死体はそれは同情してしまうほどに無惨(むざん)だ。こんな滅多にいない可愛らしい娘を、そんな凄惨(せいさん)な姿には変えたくなかろう……?」


 ゴミ貴族はニヤリと笑い、俺たちを(おど)してきた。


 なんて卑劣! 卑怯! 鬼、悪魔!!


 許せん、絶対にだ!! だが、ネメシアを救うのが最優先だ。


「なにが望みだ」


「分かっているだろう?

 【建築スキル】だ。『パープルスター』を寄越(よこ)せ。それで娘は無傷で返してやろう。だが、拒否すれば用水路に落とす。あるいは、私の『奴隷』にしてもいいかもなァ……。これだけの美人を水死体にしてしまうのは、私としてもいささか心苦しいのでな。

 ……ふむ、そうだな。気が変わった。この娘は、私の『奴隷』にする。もちろん毎日、私ために尽くしてもらう。どうだ、それが嫌なら早く渡すんだ」



 俺は…………


 (ふところ)から『パープルスター』を取り出した。



「ほう。そんなところに隠し持っていたとはな。

 聖女、お前もかなりの美人だな。だが、生憎(あいにく)、私の好みではないのでね」


 そりゃ良かったよ。

 気に入られていたらと思うと、ゾッとするし。背筋が凍るね。いや、すでに凍っている。マジでドン引き。サイテーサイアク。


「トーチカ。あとは頼むぜ」

「うん。ネメシアは任せて。エコ、貴族をお願いね」

「了解しましたよ、トーチカ」


 トーチカにすべてを任せた。


 さて、俺は『パープルスター』を持って、貴族に近づく。


「よしよし、素直(すなお)でいい子だ」

「…………」



 スキルが貴族に手渡される……


 その時だった――。



 わずか数秒でトーチカは【アパッチ・ナックルダスター・リボルバー】を『リボルバー』に変形完了させ、即魔弾を連続ショットした。


 放たれた魔弾は『奴隷』の女の子たち四人のそれぞれの足に完全命中(ヒット)。威力は(おさ)えていたようで、彼女たちはよろめき、そのまま地面にペタンと腰をつけた。


 さらに、


 エコもダッシュで貴族に向かっていた。


 そして、


「ギャアアアアアアアアァ!!

 なんだこのクソ猫は!! うああ、やめろ! 私は猫アレルギーなのだああ、うあああ、私の顔面をひっかくなぁぁぁ!!! ンギャアアアアアアアアアアアアぁ~~~~!!!」



 エコは、容赦(ようしゃ)なく貴族の顔面を(するど)い爪で攻撃しまくっていた。あのひっかき攻撃、想像以上に威力ありそうだな!



 いまだ!!



「ネメシア!! こっちだ! 手を伸ばせ!!」

「ヘデラ! うん……!」


 今にも用水路に落ちようとしているネメシアを、俺は引っ張り上げた。

 勢いで俺の胸に飛び込んでくるネメシアを捕獲し、誰にも奪われないようぎゅっと抱きしめた。


 あっぶねぇ~…。


 もうすぐで頭から落ちるところだったぞ。

 (きも)を冷やした。身も凍るくらいにヒヤヒヤしたぜ。


「ネメシア、無事か!? どこにもケガはないよな!?」

「うん、平気。ヘデラ、ありがと……みんなも」


 安心したのか、ネメシアは少し震え、若干涙目だった。

 やっぱり怖かったんだな。


「ヘデラぁ…………」

「うん。ネメシア、好きなだけ俺の胸の中で泣いていいぞ」


「……くぅ~~~!!!!!」

「……へ?」


 ネメシアは唐突(とうとつ)(うな)り声をあげた。なにごと!?


「ちょっと! ヘデラ、また胸大きくなった!?」

「そっちかよ!! って、知らんがな。自分じゃ分からんって」

「こ、こんなことって……」

「っておい、バカ。揉むな! 人前で恥ずかしいだろうが……うぅ」


 その時、ゴトリと嫌な音が。


「アッー!! 王子が大量の鼻血を噴出してぶっ倒れた―――!!!」


 ラナンは地面に仰向(あおむ)けでぶっ倒れ、鼻から大量出血していた。体はピクピクと痙攣(けいれん)し、ヤバソーな感じだった。


 ていうか、地面が血塗れになっていた。

 これちょっとした殺人事件になっとるぞ!?


 なんとやっとると、


「おーい、ヘデラ。奴隷と貴族どーする。捕縛したけど」

「おう、トーチカ。ナイス。そうだな、奴隷の女の子たちは解放してやれ。貴族はラナンがなんとかしてくれるさ」


「了解した。……でも、王子死んじゃいそう」

「そうだな、ヒールでもしておくよ」


 なんとか危機を回避したが、王子が倒れるとはな。

 てか、なんで倒れたんだろう……?



 ん~…思い当たる(ふし)が…………あ、俺か。

いつも応援ありがとうございます。

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