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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第235話 鎖国クリスピア - 秘密の地下通路を進め -

 次の日。

 ネメシアの『ホワイト』からチェックアウトした。

 いや、本当に高級ホテルにいた気分だった。なんて夢心地。ただし、あの少女……『ハティ』は決して出てこなかった。謎過ぎるな。



 再び『草原フィールド』へ出て、隣国【クリスピア】を目指した。



「ふぁ~。ねむ」

「どした、ヘデラ。なんか眠そう」

「おう、トーチカ。まあな。主にネメシアのせいでね」


 あのあとネメシアに付き合わされ、ずっと宴会(えんかい)が続いていた。

 なんで聖女たる俺が、酒に溺れなきゃならんのだか。


 美味かったけど!


 はぁ、おかげで二日酔いだ。頭痛い。


 すると、


「もう直ぐですよ! ここを真っ直ぐいけば【クリスピア】です!」


 王子がそう張り切って声を荒げた。


「うー……。声が頭に響く」

「ヘデラさま! 大丈夫ですか!」

「…………ラナン、わざとじゃないよな」

「え!? なんだか、ヘデラさまのお顔が優れないよう見えますが」

「ちょっと、お酒を(たしな)み過ぎた結果だ。悪いけど、声量を(おさ)えてくれると助かる」


「わ・か・り・ま・し・た!!!!!」



 う、うるせぇ……。

 ブン殴りてぇ。



 もう、ネメシアは絶望的に体調不良だし、参ったな。

 なんて幸先の怪しいことになっていると、


「ヘデラ。ネメシアもこれ飲む」


 お? なんか、トーチカがアイテムを差し出してきた。


「なんだこれは?」

「特製の酔い止め。飲むと楽になる」

「うーん……なんか毒々しいけどな、まあいい」


 俺はそれを飲んだ。


 お、おおおおっ!?


「キター!! なんか知らんけど、めっちゃスッキリした! 体が軽いよ。ていうか、SPGも回復したかも! やっば、これいいわぁ。気分爽快! ありがとな、トーチカ!」


 自分でもビックリするくらい、元気になった。


「おい、ネメシア。これ飲めヨ」

「ん? これは?」

「いいらいいから」


 ネメシアに、トーチカ特製アイテムを飲ませた。



「!!」



「お?」



「辛アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――!!!!!」



 ネメシアは顔を真っ赤にし、ドラゴンの(ごと)く火を吹いた。



「あ。それは罰ゲーム用のだった。ごめん、ネメシア」

「うおーい! トーチカ! ネメシアがたらこ唇になっちまったぞ!!」


「ひ、ひふぇふぉい……。ふぃふぁいよぉ……ふぇええええん!!」


 何言ってるか分からねぇ!

 けど、すげえ悲しみは伝わってきた。


 俺は、同情しつつも、


「ヒール」


「ふぁーん……。ヘデラ、ヒールありがとぉ……。辛かった(泣) すっごく辛かった(泣) もぉ――――! トーチカ、なんであんなモノを!!」



「ご、ごめんなさい。その、これで勘弁して」


 トーチカは、大量のトマトを差し出した。お口直しにしろってことらしい。

 そや、スキルで野菜とかを召喚できるんだっけ。魔弾用の。


「はぁ~……。おかげで酔いもすっかりふっ飛んだわ。

 トーチカ、今度やったら怒るからね。いい?」


「反省」


 腰を九十度ピッタシに折り曲げ、深く謝罪するトーチカ。


 誠意は十分に伝わっていた。


 つーか、すっかり忘れていたけど、さすがメイドだな。



「いいわ。許してあげる。頭をあげて、トーチカ」

「……うん」


 そこで、ネメシアは、トーチカに耳打ちしていた。



「ごにょごにょごにょにょにょ」

「!!」



 耳も尻尾もピ~~~ンとなるトーチカ。

 その顔は次第に青ざめ、紫色に変色していた。


 おいおい、なにを言われたんだ!?



「……誓います! もう二度としません!」



 えぇ……そんな(おび)えるほどの事を言われたのか。

 こえーな。



 ★ ★ ★



 ――さて、いろいろあったけど【クリスピア】に到着した。


 クリスピアは、全体が壁に覆われており、中へ入るには正門を行くしかない。だが、その門も今は閉じていた。だめか。


「やっとかぁ。でも、本当に『鎖国』してるんだ。どこから入ればいいんだ?」

「ヘデラさま、こちらへ」

「へえ、そんなところに地下階段か。分かった。みんな、行くぞ」


 なんと、川に掛かっている橋の下にあった。

 秘密の通路ってヤツか。


 ラナンに案内され、中へ向かっていく。

 階段を下りていくと、中は真っ暗で、ほとんど奥が見えなかった。



「――ちょ! 誰だよ、俺の尻を触ったやつ。怒るから、先生にちゃんと言いなさい」


『………………』


 ですよねー。



「つーか、おい! いつまで触っとんじゃボケ!!」


 俺は尻を触ってるボケに、チョップをかました。



「ごわぁぁぁぁッ!?」



 で――そこで灯りがついた。


「……あん? 誰だおめえ。俺のキュートな尻に触りやがって。ボッコボッコにしてやんよ!?」


「うわ、ごめんじゃ! ワシャ、この秘密の通路を守護している『ジーヤ』じゃ」

「あ、ジーヤ! おられたのですね。真っ暗なので、てっきり誰もいないかと」


 どうやら、王子の知り合いらしい。

 おい、スケベジジイ……。


「しかし、お主……聖女さまか。なんという触り心地をしておるのじゃ。こんな感触、この世にふたりとおらんぞ。ど~れ、もう一度」


 俺は――正当防衛として、ジジイに容赦(ようしゃ)なくチョップした。


「ぎょふぇえええええ!!!」



「触るな。俺に触れていいのは、ネメシアとトーチカだけだ!! あと猫はおまけだ!」

「そんにゃー! 私はおまけですかぁ~」


 なぜそこ、ショックを受ける!?


「ほう。これは珍しい聖女さまじゃ。なんだか、口調がとても、凄く、激しく、悪魔的に悪いように思えるが、なぜか気にならんのじゃ」


 おいコラ、ジジイ。


「まあいい。ラナン、よくぞ無事に戻った。それで――【秘密結社】の情報は手に入ったのか?」

「それが……まったく」

「んむ。やはり、無理だったか。ヤツ等はそう簡単には、尻尾(しっぽ)を出さないようじゃしな。しかし、ここまでとはな……。それで、ラナンよ。こちらの客人は?」


「はい。ご紹介しますね。

 こちらの大変お美しい聖女さまは『ヘデラ』さま。そっちの白黒の髪の女の子は『ネメシア』さん。メイド服は『トーチカ』さん。で、この黒猫は『エコ』さんです」


「ほうほう。ヘデラさまとな。ふ~むぅ」


 ジジイは、俺を珍獣か何かのように見てくる。

 …………って、俺のおっぱいをガン見すんな!!!


 俺は、咄嗟(とっさ)に腕で隠した。


 くぅ~……、いざこうセクハラされると、とても恥ずかしいな……。これが女の羞恥心(しゅうちしん)ってヤツか。ヤダー!

 つーかー!! やっぱり、ヘンタイジジイだ。


「ヘ、ヘデラ。なんだか、お爺さんに気に入られちゃってるわね」

「ああ、助けてくれよ、ネメシア」


 あ、引いてやがる。


「とにかくじゃ、ラナン。気をつけるのだぞ」


「はい、ジーヤ。僕たちはこれから【建築スキル】を買いにいってきます。それできっと、【秘密結社】に繋がると、僕は確信しているんです」


「お前の信じる道をゆけ、ラナン。それと、その聖女さまじゃ。彼女は途轍(とてつ)もない力を秘めておる。決して、離すでないぞ」

「わかりました! では、行ってきます。引き続き、守備の方よろしくお願いします」

「うむ」


 俺たちはジジイと別れた。


「じゃ・あ・な! ジ・ジ・イ」

「良い尻じゃったぞ~!」

「……う、うっせぇ!」


 次やったらブッコロス。

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