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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第234話 花の邸宅

 ネメシアの『ホワイト』の中で、しかも、自然いっぱい花いっぱいの――【花の邸宅】とでも命名しておこう。

 ――で、一泊することになった。


 でもって、ついでに飯。


「ネメシア、なんでラーメンなんだよ。世界観合わなすぎだろ」

「…………うっ。即席って言ったら、それしか在庫がないのよ~。――いや、あることにはあるけど、ほら、もう時間も遅いし、料理している時間もないし。トーチカも疲れているみたいだしさ」


「それもそうか。

 でも、いいよ。まさか、この世界で俺の大好物のラーメンが食える日がこようとはな。しかも、塩。しかも、フォークで食える。はー、最高だぁ、涙がでるぅ!」


 ま、俺にとっては棚から牡丹餅(ぼたもち)だね。

 正直、なぜか懐かしい味だったし。


 トーチカは物珍しそうに、王子も恐る恐る食べていた。


 ちなみに、エコは――



「あちいいいいいいいいいいいいいいい~~です~~~!!!」



 あ、猫舌だった。



 可哀想なので、『ちゅぅ~るぅ』にしておいた。すげぇ喜んだ。



「にゃあああああああああああああああ~~~~~~!!!!!」



 ★ ★ ★



「風呂もあるのか!?」


 驚いた。

 この【花の邸宅】は、お風呂もあった。

 本当になんでもあるな。


「スゴイでしょ♪ このお風呂はとっておきよ~。しかも、混浴」

「……な、なんだと」


 俺は、王子の方を向いた。



「ちょ、ちょちょちょ! 無理です! 絶対に無理です! ごめんなさい、僕はあとでひとりで入りますから!!」



 うわぁ、必死だー。

 顔もすげぇ赤い。なんだ、絶好のチャンスなのに。

 俺が男だったら、迷わず入っちゃうね。殺されるだろうけどな!


「ああ、そうしてくれ。俺たちは先にいく。ラナン、もし気が変わったら覗きに来てみ。混浴だしさ」

「の、覗きませんってば! せ、聖女さまの裸を覗き見るなど恐れ多すぎます……。恐ろしい神罰を食らってしまいます。うう、顔が熱い……」


 本当に顔が熱そうだ。

 あんまり(いじ)らんとてやるか。


「じゃ、あとでな」



 ★ ★ ★



 大浴場にはすでに先客がいた。


「ハティ」


 ネメシアがその少女の名を呼ぶ。

 あー、あのコか。すぐ逃げちゃうあの女の子。


 たたたた……と、小動物のように逃げようとするが――


「えい」


 トーチカが獣の(ごと)俊敏(しゅんびん)な動きを見せ、ハティを捕獲した。

 なんて見事な狩裁きだよ。


「あ……」


 ハティが眼を見開き、俺を見る。……てか、見惚れてる?


「……お、お姉ちゃん。白くて、すっごくきれい……」

「俺、なぜか聖女だからな」

「へぇ、そうなんだ~。まるで――」


 何かを言いかけたハティ。だが、ネメシアがその口を(ふさ)いだ。


「もがもがー!?」


「ちょ、おい。ネメシア。なんで止める」

「余計なことは聞かなくていいの。さ、お風呂入りましょ」

「むー」


 ネメシアは、そのままハティを連れ去った。

 なんだったんだろ。


「ヘ~デ~ラ~」

「うわ、トーチカ! おま、やめ……!」


 まるで気が狂ったかのようなトーチカは、当然、俺の背筋に指を当て、上から下へ線を書いた。そんな、筆のような感触で……!


「ひゃう……!! ……な、ななななにをするっ!」

「頭洗って~」

「なんだ、そんなことか。(まぎ)らわしいな……。分かったよ、トーチカ」

「うん♪」



 ★ ★ ★



 これでは【貴族邸宅】と住んでいる時と、なんら変わりはない。

 景色こそ『真っ白』だけど、不便もないし、なんでも(そろ)っている。



 これが、ネメシアの世界だとするならば……


 俺は、彼女がちょっと遠い存在に思えてしまった。


 ほんの、ちょっとだけどな。これは、俺の意地だ。



 なーんて、らしくないセンチメンタルに(おちい)っていれば、



「ヘぇデぇラ~。飲むわよぉー! ほらぁ、付き合ってぇ~」



 なんの悩みもなさそうなネメシアが、酒持って現れた。おいおい、呂律(ろれつ)が回ってないし、フラフラだし酩酊(めいてい)状態じゃないか。

 はぁ……。俺のさっきのセンチメンタルをおまけを付けて返品してほしいね。


「つーか、もう酒くっさ! おいおい、ほどほどにしておけよ。またレインボー吐くぞぉ……」


「おえええええええええええええええッ」


「だあああああ!!! もう吐いてるし!!!」



 やっぱり、ネメシアはネメシアであったのだ……。

 だめだ、この大酒家(たいしゅか)……早くなんとかしないと。

いつも応援ありがとうございます。

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