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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第232話 ホワイト - 救世主 -

『……ごくごく』


 俺は、ネメシアから受け取った『SPGミナギール』を飲み――



「ブッ――――――――――!!!!!!』



 ()き出した。



「まっず!!! くっそまっず!! おい、ネメシア……この『SPGミナギール』くっそまずいぞ!! ゲロだ、ゲロだよこれ!!」

「……あ、あんたね。まずいとかゲロとか失礼よ!? ん~? おかしいわね、調合間違えたかしら……あ!」



「……あ? ちょ、おい! 『あ』ってなんだよ!! え……なんで、そんな青ざめてんの……」

「…………」



 ネメシアは、やっちまたぁ……みたいな顔で硬直(こうちょく)していた。



「お…………おい、そんなギャンブルで破産した直後のような顔すんなよ!! こえーだろうが!!」


「………………」

「やめろって!! おい!! 冗談だろ!?」



 ――その直後、俺は突然、意識を失った。



 あれ…………。



 ★ ★ ★



 ――――意識を取り戻した。



 幸い、死んではいないらしい。

 良かった……俺は『聖女』のままだ。……酷く安堵(あんど)した。



「えっと……俺。あれ、おでんのモンスターは?」

「倒した」


 トーチカが短く反応する。

 なんだか、いつも以上に素っ気ないというか、ぶっきら棒だな。


「た、倒した? 誰が?」

「ヘデラが」

「え、俺? 俺は気絶していて――それで……どうなった?」

「…………」


 無言になるトーチカは、どこか俺を、怖いもの(・・・・)を見るような目をしていた。なんで……なんでそんな顔をする?


「……ごめん。ヘデラはヘデラだよね。悪気はなかった」

「え?」


 分からない。本当に何が起きたんだ。


「ところで、ネメシアと王子は? あと猫」

「エコはここ」

「ああ、トーチカの頭の上にいたのか」

「王子は、そこで倒れてる」


 あそこ?


 トーチカの指さす方向を見ると、


「あ、すぐ近くの川沿(かわぞ)いに……頭から突っ込んでる――!?」



 俺はすぐ駆けつけ、王子を引き上げた。



「ばふぁあぁぁっ!! ――げっほ。げっほォ!!! あ、危うく(おぼ)れ死ぬどころでした…………助けて戴きありがとうございました」


「な、何やってんだよ。しかも、そんな()れて。お前、水難に()いやすいヤツだな」

「ははは……そうなんです。僕、子供の頃からそんな感じで」


「で、ネメシアは?」

「ネ、ネメシアさんですか。いえ、僕は見ていませんね」

「そっか……」


 ネメシアのヤツ、どこへ……。



 …………ん?



 よ~~~~~~~~く見ると、近くの宙に『()』だけが出ていた。



 手招き……? つーか、不気味!

 こんな時間帯にゴースト系モンスター?



「うーん……。なんだろ、あの怪しい手」



 俺はその場所まで歩き、手を(つか)んだ。


 で、逆に引っ張られた――



「うわっ!? なんだこりゃ!?」



 ゴロンの中へ突っ込むと――そこには、


「ネ、ネメシア! つか、なんだこの『白い空間』……!」

「これは『ホワイト』の中よ。わたしの、わたしだけの空間。広さは無限で、ご存じの通り、アイテムストレージになっていたり――あとね、住むことも可能。ほら、あそこ(・・・)見て」



 あそこ?



「うわ、なんであんなところに『家』が!? すげ……こんな、なにも無い空間なのに、あそこだけ大きな邸宅(うち)があるな。しかも、自然も一緒に……花だらけだ」


 ちょっと遠いところに、湖の(ほとり)があって……息を飲むほど美しかった。


「それで、これを俺に見せてどうしたんだ?」

「今日はね、ここで一泊よ」


「は……はぁ? まあ、外の方は……間もなく日も沈むしな、野宿よりはいっか。ところで、あの『おでん』のモンスターは俺がやったらしいが、なにか知ってるか?」


 それを聞くと、ネメシアは肩をピクっとさせていた。

 あれは――何か知っているのか。


「あとで話す。今はみんなを連れてくるわ」



 ん?

 なんであんな……(おび)えているんだ?



 ★ ★ ★



 ネメシアの『ホワイト』の中にみんな集合。

 あの湖の邸宅にお邪魔することになった。



「こりゃ……王国【レメディオス】にある【貴族邸宅】の三倍はあるぞ。よくもまぁ、こんな白い空間に建てたものだなぁ」

「ええ、これはまさに青天の霹靂(へきれき)です。私は、過去いろんなモノを見てきましたが、これは、初めての事象ですね。軽くショックを覚えたほどですよ。考古学的にも大変興味深い」


 ところどころ分析しているエコ。

 へぇ、あんな興奮するなんて、珍しいな。本当に考古学者みたいだ。



 ネメシアの邸宅にお邪魔した。



「うあ、花だ……」



 邸内は、プランターがズラりと並び、花があちらこちらに咲いていた。なんの種類か分からないけど、なんて(はかな)げな……。気のせいか、なんか見たことあるような……ないような。この香りといい、う~ん?



「不思議な場所」



 トーチカがぽつりとつぶやいた。

 しかも、花に興味があるのか、香りを楽しんでいた。


 確かに、懐かしいような……甘い良い匂いがする。



 そんな状況に、俺はただただ圧倒されていた。



 だって、ネメシアの中に――いや、正確には『ホワイト』だけど、こんな家とか自然があるなんて思わないだろ、普通。

 そういえば……俺は彼女のことを、あんまり知らないな。



 ――で、


 客間みたいなところに連れてこられた。


「なんぞ!?」


 誰がいる…………。誰!?

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