表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/557

第24話 超爆発スキル - 怒りと憎しみの爆拳 -

 従妹(いとこ)と名乗る獣耳をもつ巨乳ビキニアーマー少女こと『ハーデンベルギア』――いや、ベルによれば『ポインセチア』というところで、何かあるらしい。



 そこへ行けば、きっと皆も。



 俺は人混みをかき分けて向かった。

 向かっている最中だった。誰かが俺の腰にしがみついた。


「……あん?」

「兄様」

「フォル!?」


 フォルがいつの間にか、俺の腰にしがみついていた!


「んなところで何やってんだお前」

「兄様こそ、わたくしを置いていかないで戴きたい! 心配したのですよ!」

「それはこっちのセリフだ。つーか、なんでフォル……あぁ~」


 そっか。

 フォルのLUK&Cri255(カンスト)だったな。

 運に恵まれているようで『フォーチュン』だとかの加護もあるらしいし。



 だから、最初にフォルを拾えたのだろうな。たぶん!



「お前は、本当に運がいいヤツだな」

「はい、わたくしは兄様に会いたいって思ったら、会えるんですよ。だって、それが『フォーチュン』の導きなのですから」

「ふむ、よし。残りリースとメサイアだが。なあ、フォルの運で何とかならないのか?」

「出来なくはないですよ~。でも、運は常に変化しますから~……」

「どうした、フォル」

「そ、その、兄様。はぐれないよう手を繋いで戴きたいのですが」

「む。そうか。それもそうだな」


 俺はフォルの手を取った。

 うお~…小さくほっそりしていて、ふにふにしてやがる。


 勢いで手を繋いでしまったが。

 ……いや、今更何を気にする必要がある。


「……兄様。ありがとうございます。わたくし、今すっごく楽しいです」

「そ、そか。フォルが嬉しいのは良い事だ」

「はい♪」


 今日のフォルはいつになく上機嫌だ。

 気づけば、腕を組まれていた。


 まあ、たまにはいいか。



 ◆



 『ポインセチア』に到着した。

 王様のいる『城』の事だったのか。



 そこには、中心部のお祭り騒ぎだった『シンビジウム』とはまるで違う、硬い空気が(ただよ)っていた。空気が重いなぁ……。



 ヒトもちらほら。数十人以上はいる。

 どうやら、五グループの『ギルド』が城の前で待機しているようだ。


 多いな。なんでこんなヒトが。


 そんな中、黒いドレス姿の、どこかでみたような女神がいた。


 あんなド真ん中で、ひとりポツンとして……めっちゃ目立ってるじゃないか。あいつは、容姿も目立てば、その服も目立つ。際立ってるなぁ。


「……お、メサイア。メサイアじゃないか!」

「サ、サトル! やっぱり、此処(ココ)へ来ると思ったわ!」

「なんだ、知っていたのか」

「ええ。これでも私は女神ですから! えっへん」


 そこそこある胸を張るメサイア。

 少し成長したか? それともパッドか?


「よし、ともかくこれで、あとはリースだけだ。メサイア、リースが見つからないんだが……」


「あ~……それね。それなんだけど」


 頭を痛める素振りで、どこかを指さすメサイア。


「あん? なんだその方角にいるって…………?」


 いた。

 五グループある『ギルド』のひとつ、なんだか一番具合が悪そう(・・・・・・・・)な集団の中に。



 なんだ……あの世紀末(せいきまつ)集団。



 全員モヒカンで、無法者(アウトロー)のような。

 あんな輩が城の前にいる事にも驚きだが……つーか、場違いすぎるだろ!?



「あ、あいつら……リースを!!」



 リースを恐怖で押さえつけていやがった。

 あんなに(おび)えて……今にも泣きだしそうで。


「メサイア。なんで助けなかった!?」

「うーん……ごめん。私のレベルじゃ低すぎて。だってほら……【Lv.61】だし。ステータスもほとんど振ってないから」


 あ~…そうでしたね。

 メサイアは【建築スキル】にほとんどの力を回しているから……。そら、あんな(いか)ついヤツ等に挑むのには無理があるか。


 どれ……。

 ガラの悪い集団のレベルは……



 【Lv.439】



 一番高いヤツでこれか。

 確かに、メサイアのレベルじゃ返り討ちにされちまうな。


 ヤツ等のレベルは高いが……



 俺は【Lv.1544】だ。


 念のため、自分のステータスをチェック。



 サトル:【Lv.1544】

 ステータス:ATK1999 DEF1650 AGI800 INT555 LUK&Cri69

 主スキル:血の煉獄、ホーリーブレード、ニトロ、ヒドゥンクレバスⅡ



 よし。問題ないな。



「メサイア、フォル。二人は此処(ココ)で待っていてくれ。いや、出来れば遠くにいてくれ。巻き込みたくない。あと、他の関係ないギルドも遠ざけておいてくれ」


「分かったわ」

「分かりました」



 なるべく距離を取らせ、俺は、あの世紀末集団の元へ向かった。



「おい、お前ら!」


「あぁん? なんだテメ~? オレたちになんか用かよォ!?」


 呼び止めると、ひとりが俺に(すご)む。

 見事なガンを飛ばしたが、それしきで俺が(ひる)むことはない。


「なんだ、おっさん。オレらはヨォ、この可愛いエルフちゃんと今交渉中なんだよ、パーティメンバーがひとり足りてねーんだよ。ついでに、夜のお楽しみも交渉中だぜぇ~…グヘヘ」


 赤モヒカン野郎はリースのスカートを()まみ、ピラッと少しだけ(まく)った。それに対してリースは赤面し、大粒の涙を目尻めじりに溜めていた。



 ………………。



「アニキの言う通りだゼ~! こんな金髪の純粋エルフは珍しいよなァ。街に出歩いているなんて、初めてみたぜ。しかも、こんな別嬪(べっぴん)ときたもんだ。売れば高くなりそうだぜ」


「バ~カ、売ってどうする弟。こいつぁパーティに入れておくんだよ。じゃなきゃ『聖者』になるための条件が(そろ)わねーんだろ、バカ」

「あぁ、そうだ。そうだったよ、アニキ。すまねぇ。にしてもさ、このエルフの頬……すげぇツヤツヤだぜ~」


 ……こいつら、リースの頬に気安く触れやがって……。


「さぁてよォ、このエルフちゃん仲間にしたら、下半身のお世話になろうゼェ~」

「あはー! アニキ、それサイコー! なあ、今ちょっとだけ味見しちゃおうゼェ!」



 瞬間、俺の堪忍袋(かんにんぶくろ)()がはち切れた。



 ぶち殺す。



『サ…………サトルさん助けて』


 リースの声が直接、俺の脳内に。


(ああ……今すぐ助ける)



「おい……」


「アァ!? さっきから何だよ、おっさんよォ!? 言っておくが、オレ等ァ、三兄弟……長男のオレが【Lv.439】、次男が【Lv.393】、三男(さんなん)が【Lv.377】だぜ? てめー(ごと)き雑魚おっさんじゃ、オレ等に勝てるワケねーだろ」



「うるせーよ」

「アァン!?」


 長男だとかいう赤モヒカン男が、俺に(つか)みかかろうとしてきた……



 ――その時。



 俺は【オートスキル】にセットしてある【超爆発スキル】の『ニトロ』を任意(・・)で発動した。



『ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!』



 などと、凄まじい爆発が一帯を(おお)った。


 その爆発に巻き込まれた赤モヒカンは、全身丸()げになり、『ニトロ』の爆風で空高く吹っ飛んでいった。威力を(おさ)えたので、辛うじて死んではいないだろう。全治一年の重症なのは確かだ。



「ア…………アニキィ!? こ、このクソ野郎……よくもアニキを!!」



 恐らく次男だろう、青モヒカン男が毒々(どくどく)しいスキルを放ってきた。


 動くまでもないが、今の俺は機嫌が悪い(・・・・・)



 自身の(フィスト)に『ニトロ』を付与し、



「怒りと……憎しみのぉぉぉぉぉおぉぉぉ!!

 ニトロフィストォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」



 俺は、次男の顔面に、毒もまとめて思いっきり『爆拳』(ニトロフィスト)()じ込んだ。



『ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!』



 次男の顔が変形すると同時に、超爆発。

 ヤツの身体は吹っ飛び、城壁を何十枚も突き破って、何処かへ吹っ飛んだ。



「……あわ、あわわわわわ……アニキたちが爆発で…………そんな」


「俺を()めるなよ小僧」

「ひっ……! や、やめてくれ。エルフは返す…………返すから!! 命だけは!!」


「よしよし、分かった。三男のお前は……絶対に許さん」

「え?」


 三男――緑モヒカンは、特にリースの頬にベタベタ触れていやがったので――



 『血の煉獄』で(なぶ)り殺す……



 しかし、


「そこで止めておくのですよ、サトル殿」


「お……王様!」


「この不逞(ふてい)な輩は、この場に相応しくないのは確か。ですので、あとの処遇は私にお任せを」


 そう、フリージア王・ミクトランは三男に『追放』と宣言すると、彼の姿は一瞬にして消えた。


「き、消えた……」

「彼と彼の兄弟をこの国から追放しました。ああいった者たちが『聖者』や『討伐隊』になる資格はありません。しかし、参加自体は自由なため……たまにあのような()しき者もこの場に現れるのです。申し訳なかったですね」


「い、いえ……王様が悪いわけじゃ……」


 気づくと、残り四ギルドが王に対して跼蹐(きょくせき)していた。

 つまり、みんな片膝(かたひざ)をついて頭を()れていたのだ。

 んな……俺たち以外の全員が!


「皆さま、気を楽に。

 ようこそ、我が城に。あなた方は、これから『聖者』への道を目指すか――あるいは『討伐隊』へ加入し、周辺国を支配する『レイドボス』を倒して戴きます。……ですが、その前に」



 ――と、王様は空を見上げる。



 ん~? 空?



「うわぁ、なんだアレ!?」



 空に『大きな黒い穴(・・・・・・)』が……!



 ブラックホール!?

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ