表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/563

第228話 聖女になった日 - オートスキルの前兆 -

 隣国【クリスピア】の王子様っぽいのを捜索(そうさく)することになった。

 けど、そんな直ぐに見つかるはずもない――そう思っていた。



 が、



 例の噴水のところに入ったところ、ごっつい盗賊らしき三人組が、誰かを取り囲んでいた。あー…。あのガラの悪そうな連中に囲まれている『青年』は見覚えがあるなぁ。



「ヘデラ、あれ」


 トーチカが指さす。ああ、間違いないな。

 しゃーない。俺がなんとかすっか。聖女として。


「おい、お前ら! 弱い者いじめするんじゃねえ」


「あぁ!?」「なんだオメー!」「うわ、コイツこの前の、目つき悪聖女!」


 盗賊たちは俺の方へ寄ってくる。


「この女ぁ、この前はよくもやってくれたな!!」

「ア、兄貴、でもまたビームくらいますよ!?」

「そうでっせ。逃げましょうぜ……」



「ばぁーか。なにを弱気になってんだ! いいか、俺はあの日以来、このウ●コ聖女に復讐すると胸に誓った! こうやって暴れてりゃ、いつか現れると思っていたからな」



 そういうことか。って、おい!! 誰がウ●コだ!!

 兄貴と呼ばれている一番ゴッつい盗賊は、俺の胸倉(むなぐら)(つか)もうとした――が。



「ごわぁっ!!」



 魔弾を食らい、噴水に頭から突っ込んでいた。

 ナイス、トーチカ!


「ヘデラに気安く触れるな」


 おー。トーチカのやつ、珍しくブチ切れてるな。

 あんな怖い顔は初めてみた。いつも淡泊(クール)なのに。


 俺はその隙に、


「青年、大丈夫か」

「あ……ありがとうございま……あ、聖女さま!」


 青年、たぶん王子(仮)は顔を赤くした。


「そ、その手を貸して戴けるなんて…………」

「当然のことをしただけさ。む、ケガしてるじゃないか……『ヒール』してやるよ」

「え、そんな! 悪いですよ」

遠慮(えんりょ)するなって。ほれ」

「……あ、ありがとう。聖女さまはやっぱり優しいのですね」

()めるくらいなら、まず名前を教えろよ」

「そうでした。僕は『ラナン』と申します」

「そか。俺は『ヘデラ』な。で、ラナン、君は隣国【クリスピア】の王子なのか?」

「え、なぜそれを! はい、そうです。僕は【クリスピア】の王子です。ですが……うわ、危ない!!」


 ラナンが何か事情を話そうとしたところ、突然、俺を押し倒した。



「うわ、なにをする! ……って、あっぶね!!」



 よく見ると、ナイフが飛んできていた。

 アイツらか!



「チッ……。外したか! もう少しズレていれば仕留(しと)められたのだがなぁ……。あの憎たらしい顔面に、一生消えることのない傷を与えられたよなァ」



 いやいや! そんなレベルではない。危うく顔面にナイフが突き刺さるところだったろうが、クソが!


「バカ野郎! お嫁に行けなくなっちゃだろうが!! 行く気もないけど!」

「うるせぇブス! てめぇのような醜悪(しゅうあく)で、口悪すぎ聖女がいてたまるか!!」



「……な」



 そ、そんな……。


 俺は、地面に両手をつけ……

 神器レベルの鈍器で殴られたようなショックを受けた。


「お、おふ………………」


「なーにショック受けてるのよ、ヘデラ。あんたブスではないでしょ。そんな、女だったら誰もが嫉妬(しっと)するような容姿(ようし)なクセに」



 ネメシアは(はげ)ましてくれるが、そうじゃない。



「いや……ね、ネメシア、今まで悪かったな……」


「え、どうしたの。……あ、まさか! あんた、『口悪すぎ』にショックを受けたのね。え、今更気にするの!?」


「ヘデラはそのままでいい」

「そーですよ。敬語のヘデラさまなんて、むしろ気色悪いですよ~」


 トーチカもエコも(なぐさ)めてくれる。



 っておい、猫!!!



 フォローになってねええええええッ!!



 やっぱり、シャミセンにしたるか!!!



 そんな時だった。

 気づけば、街の人たちが噴水を――いや、盗賊三人組を取り囲んでいた。



「なっ、なんだコイツ等!」「兄貴、これやばいっすよ!」「なんで街のヤツ等が……!」



 人々は、盗賊を殺す勢いで(にら)んでいた。

 うあ、みんな、激おこプンプンバーニングだな。



「聖女さまを傷つけるな、この盗人!!」「盗賊は街から出てけ!!」「そうだそうだ!」「お前らだろ! 大量のモンスターを王国に入れてるのは!」「絶対そうだ! 追い出せぇ!!」「聖女さまたちを守るんだ!!」



『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』



「みんな……。俺のために!?」


「みたいね、ヘデラ。あんた、最近ずっと王国を守っていたから認められたみたいよ。これでいよいよ本当の聖女になったわね。……あ、今ので閲覧者数すごい上がった! わぁ、【ウルチャ】もすごいわよ! えぇ! 【56,000セル】も入ったわよ! ばんばん稼いでいつか……オートスキルも」


 ネメシアは狂喜乱舞していた。

 ん、なんか気になる単語を聞いた気がするが、気のせいか。


 てか、おい! 真面目な顔から一転して、顔がほころびすぎだろ!?

 この金の亡者め。まあ、可愛い笑顔だから許すけどっ!



 かくして盗賊共は、街の人々の、狂ったような憤怒(ふんぬ)に押され――情けなく敗走した。……へっ、俺に向かって『口悪すぎ聖女』なんて言った(ばつ)だ。



 ざまぁみろ。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ