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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第225話 建物を直したい聖女 - 建築スキルは何処にある? -

 毎度ながら、王国にモンスターが侵入している。

 これは明らかに意図的だ。


「やっぱり、あのクソジジイか」

「うん、でしょうね。けど、決定的な証拠がないわ。ああいう人だと、現場を押さえて問いただしたとしても、知らぬ存ぜぬで(シラ)を切るでしょうね」


 ネメシアの言う通りだ。

 決定的な証拠(しょうこ)がなければならない。うーん……。証拠、証拠ね。


 それにしても――。


「また、家屋に被害が……これじゃ、いつまで経っても復興できねえな」

「便利な【建築スキル】があったらいいのになー」


 ぼうっとしていたトーチカが、そんなことをつぶやく。

 え、まてよ。


「なあ、ネメシア。【建築スキル】はないのか?」

「そんな都合の良いもの――あ、あるわ。隣国【クリスピア】にそんなのが高額で販売されてるって噂を聞いたことがあるわ」

「へえ、スキルって売ってるものなんだな」


「うん。一部の特殊なスキルは売買されていることもあるのよ。前にも言ったけど、【スターレベル】を上げると、最大三つまで【極スキル】を覚えられるのよ。けどね、リセットする全部と消えちゃうし、憶える際は慎重にね。リセットするのにも、一生遊んで暮らせるほどの大金が掛かるから」


 はー…そういうことか。納得。


「てことは、それさえ覚えればいいんだな」

「そうね。――って、ヘデラ、隣国へ行くつもり?」

「ああ、俺はこの国を守るためにも【建築スキル】をゲットしたい。頼む、手伝ってくれ、ネメシア」

「あー、うん。いいけど、隣国【クリスピア】はつい最近、鎖国したみたいよ。だから、入るには関係者がいないと難しわね」

「は? 鎖国? なにがあったんだよ」

「さあ~? あ、じゃあ『リスナー』に聞いてみるかな」


 ――と、ネメシアはブツブツと独り言を始めた。ちょっと不気味だ。


 俺は、その間に――


「トーチカ」

「ん? ヘデラ、どうしたの。ぅ……なんで、顔触る。恥ずかしい」

「いや……ケガとかないかなって。大丈夫か。ほら、ケルベロスの爪で引っ()かれてないか見せてみ」

「へ、平気。腕ちょっと()りむいたくらい」

「あ……。トーチカ、すまない。お前に前衛をやらせたばかりに……」

「なんで謝るの~。あたしはこの国出身だから、当然のことをしただけ。みんなを守る、その気持ちは一緒だよ」


 なんという志。ボケっとしているようで、割かし考えていたんだな。


「よし、トーチカ。ちょっと腕を貸せ」

「え~?」



 トーチカは、嫌々ながらも右腕を差し出してくる。

 俺は()りむいた傷口を――



「ひゃ!? なんで()める~!」

「いやーほら、傷口は舐めれば治るっていうだろう」


「…………」


 あら。トーチカ、なぜか石になった。動かん。

 顔がなんか真っ赤だけど……大丈夫かこれ?



「分かったわ!」

「うわ、びっくりした。どうした、ネメシア」

「分かったのよ。鎖国の原因!」

「あ、そうだ。隣国【クリスピア】……なんで、そんな閉鎖的になったんだよ?」


「リスナーによるとね、王子様が行方不明みたいなのよ。それで、国は喧喧囂囂(けんけんごうごう)の大騒ぎ中。大混乱みたいね。で、自体が収束するまで『鎖国』という措置を取ったみたいね」


「王子様……。はて、どこかで見たような――――え。あれか! あの時の青年!」

「え、ヘデラ。王子様を見たことあるの?」

「ああ、ちょっと身に覚えがある。明日、探してみるか」

「うん。そうね、今日はもう遅いし帰りましょう。ところで、トーチカはどうしたの? なんか石みたいになってるけど。石化してくるモンスターなんていたっけ?」


「ああ、ちょっとな……」


 しゃーない。トーチカは俺がおぶっていくか。



 ★ ★ ★



 石化メイドを部屋に放り投げ、寝かせた。


「ふぅ」

「にゃー」

「あ、エコ。お前、家にいたのか」

「お手伝い出来なくて申し訳なかったです。ごめんなさい」


 エコは腹痛に悩まされ、今回の戦闘には参加できなかった。ま、あんだけサーモンをバクバク食ってりゃーな。


「いいよ。それより、天井直してくれよ。寒く敵わん」

「あ、そうでした。あの、私は猫ですし、この肉球で直すのはとても困難なので……その、ヘデラさまご自身で【建築スキル】を取られるなりして戴けると幸いなのですが。もちろん、全力でサポートさせて戴きますから」


 申し訳なさそうに猫の性能の限界を示す、エコ。

 そうだな。猫だし、仕方ないか。


「――――ん。エコ、今なんて?」

「その、肉球で工具を持つなんて芸当は出来かねますと――」

「いや、その後だよ」

「ああ~、【建築スキル】ですか?」

「そう、それ!! エコ、詳しいのか!?」

「ええ……はい。隣国【クリスピア】に売られていますね。ただ、お値段が少々……」

「い、いくらなんだ!?」

「詳しい値段までは。スキルというのは貴金属類と一緒で、時価ですから」


 かっー! 時価かよ。てことは、下手すりゃとんでもない額だな。


「大体の値段は分からないのか?」

「うーん……。私が見たのは『150年前』のことですから――」


「へ……150年前? お前、何歳だよ……!?」


「あ、その私、猫ですから!」

「やっぱり化け猫だったんだな」

「あはははは~」

「笑って誤魔化すな! まあいい、明日はその隣国【クリスピア】の王子様を捕まえる。この国にいるはずなんだ」

「そうなのですね。分かりました。明日は私も捜索をお手伝い致します」

「おう、頼む」


 エコは自室に戻った。


 俺は~お風呂へ!


 ルンルン気分で、浴場へ向かった。俺は聖女になってから、すっかり綺麗好きになってしまったのだ。というか、あの浴場、見晴らしもいいから好きなんだよね。

いつも応援ありがとうございます。

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