第223話 危険度マックス - 大型ボスモンスター襲来!! -
夜になるとまた楕円銀河が現れた。
主張が激しいが、綺麗に変わりはない。
「いやしっかし、この皿洗いは面倒だな。スキルとかで何とかならんもんかね」
「何いってんの~。トーチカばかりにやらせるワケにもいかないでしょ。メイドだけど」
「まあな。メイドだけどな」
そんな会話をネメシアとしていると――
『緊急事態発生! 緊急事態発生!! 王国に危険度マックスの大型モンスター襲来中!! 大至急、住民は避難されたし!! 繰り返――ぎゃあああああああああああああっ!!』
アナウンスの人またやられてる――――――!?
「おいおい……。危険度マックスの大型モンスター襲来だって!?」
「み、みたいね……。あ、街が!」
外が騒々しい。どうやら、何か途轍もなく大きなモンスターが暴れまわっているようだ。そのせいか、火の手が上がっている。大惨事じゃねーか……!
「マジか。こんな時こそ俺たちの出番だろ。いくぞ!」
「うん。わたしはトーチカとエコを呼んでくるよ」
「任せた」
「任された!」
俺は一足先に邸宅を出た。
★ ★ ★
「みんな、集まったな!」
ネメシアは「ライブ配信開始よ!」とウィンクした。隣のトーチカもキメ顔で「新装備はばっちり」と準備万端だった。行けそうだな。
「よし! 戦闘開始!」
「ちょっとまって下さい!!」
「どうした、エコ」
「さっき食べたサーモンが当たった……み、みたいです……。申し訳ありません。私はちょっとお花を摘みに……」
「なんだって!! じゃあ、あとで来てくれ」
「申し訳ないです、にゃああ~~~!!!(血涙)」
エコは走り出して行ってしまった。
俺たちは、エコを置いて現場へ向かった。
★ ★ ★
===== !!WARNING!! =====
【国の存亡を懸けた討伐】
【ボスモンスター『ケルベロス』 1体 を 討伐せよ!】
【報酬期待度:☆☆☆】
===== !!WARNING!! =====
「ボスモンスターだって……!?」
「みたいね、あの家のような大きさのケルベロスは、ボスよ。気を付けて」
先行するネメシア。おいおい、随分と張り切ってるな。……あ、そか。ボスモンスターだから、儲かるってワケか。よし。
「げぇ、あれがケルベロスか。でけえな」
近くまで来ると、デケェ犬が暴れていた。
家を尻尾や爪あるいは牙で破壊し、人々を襲っていた。凶暴な犬だな!
「ああ、やっぱり顔は三つあるんだな」
「うん、すごいヨダレ。食べられちゃいそうだね」
トーチカは特に恐怖も感じていないようで、淡泊に言った。そして、ダンッっと
宙に舞い上がると、例の【アパッチ・ナックルダスター・リボルバー】を『リボルバー』モードへ変形させ、スピーディーに攻撃を開始した。
うお、まぶし……!
なんて連射速度、なんて火力だ。
あれならヤツの体力をかなり削いだんじゃ……!
だが、ケルベロスのボディは固かった。あんまりダメージは通ってないようだ。おいおい、あの犬のボディは特殊な装甲か何かで出来ているのか!? いくらなんでも防御力高すぎである。
「まずいっ、避けろトーチカ!」
「…………っ!!」
ケルベロスはいきなり『黒炎』を口から吐きやがった。しかも、三つ同時に。
それをトーチカはギリギリの際どいところで超緊急回避。どこかの家の屋根に飛び移った。……おお、ホントあいつの身体能力はズバ抜けているな。ひょっとして、前世は最強の戦士だったのかもな。
しかし、なんちゅーもんを吐くんだ。
それはどうせなら、エコにやってもらいたかったぜ。
まあでも、なんとなく分かったが、あれは『ダークブレス』という、喰らったら大ダメージだけでなく、呪いや鈍足などの厄介な状態異常に陥るようだ。
「こりゃ、苦戦しそうだな……」
俺のスキルは消費SPが多すぎて連射はできない。
一度の戦闘で一回が限度だ。
果たして……倒せるのか!?
あのワンコロに食べられないといいがな。
「いくぜ……!」
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