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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第216話 新たな家・貴族邸宅 - 幽霊!? 不穏な気配 -

 「……っぶねえ!!」


 俺は口を押えた。

 危うく、またクシャミで女王様を吹き飛ばすところだった。


「ヘデラ、あ、あんたね……。心臓が止まるかと思ったでしょ!」

「悪い、ネメシア。俺はちょっと花粉症なんだよ」


「でも、クシャミするヘデラ、かわいい」

「聖女さまもクシャミはするんですね~」


 トーチカ、エコからよく分からん感心を向けられる。


「ま、さっそく【貴族邸宅】とやらに行ってみるか。これで、宿屋を取る必要もなくなったしな」

「そうね、住む場所があるならそれに越したことはないし」



「そじゃ、女王様。残りふたつの【スターダスト】は任せてくれ」

「うむ。期待しておるぞ。もし何か必要あれば、いつでも申せ」

「はい。では」


 俺たちは、女王様に別れを告げ――城を出た。



 ★ ★ ★



 【貴族邸宅】



 到着すると、そりゃ~デカイ邸宅(いえ)が現れた。


「でけー! こんなバカデカイ邸宅(いえ)をタダで使っていいのかよ」

「そ、そうみたいね。女王様ってば……『前報酬』にしては太っ腹ね」

「うん。あたしは、丁度住む家が消し飛んだから助かる」

「ええ、私もです。こんな立派な家なら、今回のようなスライム事件があっても、そう簡単には壊れませんね」


 俺、ネメシア、トーチカ、エコはそれぞれ感想を()べた。


 って。

 ――まて。


「トーチカ、エコ、お前たちの家は消し飛んだのかよ」

「うん。スライムにやられちゃった」

「横に同じく」


 あー、なるほど。

 あの驚異のカビスライムのせいで、家を失った……と。地味に深刻な事態だが、ま、新しい家は出来たんだ。路頭に迷うことはない。


 しかし、実際問題、路頭に迷っている人もいるんだろうなぁ。

 何とかしてやりたいな、聖女として。



 ★ ★ ★



「うあ~! ふかふかのベッドだー! すごーい」


 ダブルベッドをひとりで占領するトーチカ。んむ、たしかに弾力があって、寝心地は凄い良さそうだ。どれ、俺も。


「よいしょっと。うおー…こりゃスゲェ。この前の宿屋の比じゃないぞこりゃ」


 などと感動に浸っていれば、ネメシアが走ってきた。

 興奮した顔で。


「ヘデラ! こっち来て! こっちこっち!」

「な、なんだよ。そんな子供みたいにはしゃいで」

「いいから!」


 ネメシアに連れられ、奥へ向かった。ん、結構、奥だな。


 進むと、だんだん湯気が立ってきて……え、温泉?


「うわ、ここ温泉もあるのかよ。しかも、和風!」


 やたら広い温泉があった。ナント、露天風呂つき。なんて贅沢な。しかも、景色もよくて、俯瞰(ふかん)の街が見渡せる展望つき。やば。鳥肌立った!


「……こりゃ圧巻だなぁ。美しい街並みに溜息が出た。一部はスライムのせいで滅んでるけど。――て、まて。なんかいるぞ!」

「え?」


 露天風呂につかっている先客(ヤツ)がいた。誰やねん。


 しかし、その影はすぐに消えてしまった。


「な――――なんだ……消えたぞ」

「そ、そうみたいね。モンスターではなかったようだけど……」


 う~ん……。実害があったわけでもないし、いいんだが……なんか気色悪いなぁ。まさか曰く付きの邸宅だったか。


「ひょっとして、この家って幽霊が住み着いているんじゃなかろうな」

「ひっ……! ヘデラ、怖いこと言わないでよ!」

「お? なんだ、ネメシア。お前ひょっとして幽霊が怖いのか」

「うっさいわね! ああ、もう今ので【ウルチャ】がなぜか入ったわよ!」

「ん~ん、これはいつか肝試しするのもいいかもな」

「こ、怖くなんてないわよ! それより、わたしは自分の部屋見てくる」


 ガクブル震えて、ネメシアは戻った。

 あーあ、めっちゃ震えてるよ。分かりやすいな。


 俺は一人取り残され…………よし、風呂入るか。


 なんか無性に入りたくなった。

 ゴースト――いや、本能がそうしろと囁いているような気がしていた。そうだな、やっぱり女として、体は清めておこないとな。俺、聖女だし。


 脱衣所で服を脱ぎ、浴場へ。まずは、シャワーを浴びた。


 すると、なんか嫌な視線を感じた。……ちょ、なんだこの気配。明らかに誰かに見られているじゃないか。ヘンタイか!? くそ、俺は中身はアレかもしれんが、一応は女なんだ。勘弁してくれ!


「う……」


 ソワソワしていると、背後から――。



『シャアアアアアアアアアアアアッ!!』


「ぎゃああああ! なんか出たあああああああああああ!!!」

いつも応援ありがとうございます。

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