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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第207話 スライム大量襲来 - はいてない聖女 -

 ――翌朝。



「おぉふぅ……。頭いてー…なにがあったっけ」



 飲みすぎて何も覚えていない。激しく記憶喪失(きおくそうしつ)だ。

 えーっと……『ヘンな髪色のゴスロリ無職女』と『ヘンなコックの銃使いメイド』と……。あ、あと『喋る不気味猫』か。そんな愉快な仲間たちと宴会(えんかい)していたら、いつの間にか寝落ちしていたんだった。



 みんな逆さまぶっ倒れ、ゴミのように散乱していた。あるいはゴミ箱につっこんでいた。ネメシアが。おいおい、寝相(ねぞう)悪すぎだろう。



「はぁ……。なんで、どいつもこいつも裸に近い状態になっているんだか」



 俺も人のことは言えんけど。



 あ……そういえば、俺は下着すらつけていなかった。

 今更過ぎるが下は全裸(・・)だった。


「うわっ!! 昨日は泥酔いしてたから気づかなかったけど、こ、これは恥ずかしい……くっ、あのNPC女神、下着くらい用意しておけよな……ケチくせえ」



 なーんか、ずっとスースーすると思ったが、装備品が『聖なるシスター服』だけだったとは。……まいったな、一文無しだし……下着をどう調達したものか。


 ヨダレを垂らし、幸せそうに寝ているネメシアを見つめた。


「下着が欲しい……。しゃーない。デコピンして叩き起こすか……」




 ――その瞬間(とき)だった。




『た、大変だーーーーーー!!!! 王国に大量のスライムが侵入してきたぞ!!』



 必死の叫び声がした。

 外でなにかあったようだな。ん、スライムだって?


「まじかっ! そりゃヤベーな。この異世界の聖女として【討伐クエスト】を……でも、下着がほしぃ~……スースーするんだよぉぉぉ……!」


 なんだ、この圧倒的な(・・・・)羞恥心…………。


 く…………一応、腐っても女だからか、俺。


 大量のスライムも大変だが、俺も大変だった。


「おはよー。ヘデラ。……って、なんでハダカ!?」

「うわ、いきなり目を覚ましやがった! ……み、見るなよ……恥ずかしいだろうが…………」



「あ、あ~~~…うん。あんた本当に女だったんだ。ごめん。その裸を見るまでオネエなんじゃないかと、ずっと疑ってた。てか、形も綺麗(きれい)だし、大きいわねェ……」


「お前な……。ああもうジロジロ見ないでくれよ、恥ずかしい。……それより、悪いんだが下着を買えるだけの金を少し(めぐ)んでくれないか……さすがに、スースーして困っている」


「え、下着持ってないの? う~~~ん。そうね、でもヘデラとわたしって、そんなに体形に差がなさそうだし~」



 ネメシアは、ごそごそっと例の『ホワイト』に手を突っ込む。


 するとそこから女性物の『下着』を取り出した。



「え、それストレージにもなるのか。便利だなー」

「うん。これがわたしのアイテムボックス的な。はい、貸してあげる」


「おう、わりぃな。…………えーっと、すまん。つけ方が分からん」

「!? え……え? あんた、やっぱり……」



 この上ない疑いの眼差しが向けられる。


 あ、まずい。



「違うって。この世界に来たばかりで記憶が曖昧(あいまい)つーか……昨晩飲みすぎて、ちょっとボケてんだ俺。だから、頼む」


 実は女神に記憶を【消去】(デリート)されてるとは言えなかった。基本的な知識はあるけどさ。つっても女の方の作法なんてまるで記憶にない。


「なんだ、そゆーこと。仕方ないわね~」


 納得し、しぶしぶとネメシアは俺に下着を丁寧につけてくれた。



「むぅ? ちょっと胸が……苦しいぞ」



「う、うっさいわ! あんたがちょっと大きいのよ……なんかムカつくわね」

嫉妬(しっと)はよせ。……ぉ、ありがと。やっとしっくりきたわ。ちょっと胸がきついけど」



「くぅ~~~…ちょっと可愛いからって! はい、これね」


「あん?」

「お小遣(こづか)いよ。これで下着でもなんでも買えるでしょ」



「……ありがとう」



「なんでそこだけバカ真面目なのよ。調子狂うわね」


 少しくらい感謝しないとバチが当たるってもんだ。



 だから――



『ぴんぽんぱんぽ――――――――――ん』



 そこで謎の放送が入った。



「お? なんだ?」



『緊急事態です! スライムが王国を破壊しています。居住区にお住いの方は至急、避難してください。繰り返します――んぎゃああああああああああああァ!!』



 って、襲われてる――――――――――!?

いつも応援ありがとうございます。

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