表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

211/554

第203話 ぼったくりバー - 飲んだくれの墓場 -

 ぼったくりバー『えんじょい』は、歩いて二分のところだった。



 近ッ!! しかもボロッちぃ!!



 ひょんなことで出会った、髪色が一風変わったゴスロリ少女『ネメシア』に導かれ、俺はその店に入った。が……!



 (くさ)かった。



「は、鼻が()がる……こりゃあ地獄よりひでえや。

 みんな見事に泥酔(どろよ)いしてんな……。なんかアウトローみたいなおっさんとか……『破産した!』と連呼して人生終わってるヤツとか、あと変な猫耳メイドもいるし……」


「そりゃそうよー。こんな(くさ)った世の中だもの。みんな酔いたくもなるわぁ~」


 カラカラと笑うネメシアの手には(すで)にグラスが(にぎ)られていた。あんな顔を赤くして、アルコール度数の高そうな酒を飲んでやがるな~。つーか、おっさんクサ!


 ん……? 『ウルトラスピリタス』ぅ~?


「あー、これ。じゃ、貴女(あなた)との出会いに」


 ネメシアから(びん)をそのまま渡される。ん、コイツ左利きか。って、歓迎にしては雑だなぁ。まあいいけどさ。


「せめてグラスには入れてくれないのか」

「えーめんどい。それにね……」


「それになんだ?」



「おえええええええええええええええええ……」



 ネメシアはレインボーを吐いた。



「うわ、きたなっ!!

 いやそれより俺はこの世界で何をすりゃいいんだ、そこんとこの説明を詳しく求む」



「うおえええええええええええええええええええ」



「わかったわかった。背中くらいは(さす)ってあげるからさ」

「あんた……見かけに――いえ、口調によらず殊勝(しゅしょう)なんだね。中身はおっさんくさいけど。でもなんだろ、なんかその乱暴な口調も気にならなくなってきた。不思議ね~。ねえ、ここへ転生する前は何してたの?」


「それについては企業秘密ってことにしておいてくれい。説明に三年くらいは掛かるしな」

「はへー。あんたも苦労してんのね。わかるわぁ~~~その気持ち」


 ほろっと泣き出すネメシアは、また酒をガブ飲みした。どんだけ飲むんだよ。酒豪(しゅごう)かよ。つーか、酔いすぎだろ。酒くせえ。

 あーもう、最初に会った時のイメージが全部砕け散った。俺の純潔(じゅんけつ)返せ。


「わたしは『ネメシア』よろしくね!」

「いや、知ってるし。そんなことより、スペック――ネメシアの職業とかステータス的なものを教えてくれると助かるが。ほら、これから一緒に冒険するならさ、お互いのことを知った方がいいだろう」



「無職」


「は…………? なんだって……?」



「だから、無職(・・)だってば」


「そうか、じゃあ達者(たっしゃ)でな」



「ちょ、ちょちょ、ちょっとぉ!

 無職と聞くなりいきなり気が変わらないでよおおおお、わたしを()てないでえええええええうわあああああああん!! ううおええええええええ……」



「悪いけど、俺はこの異世界にやってきたばかり。手持ちがまったく無くてな。螻蛄(おけら)なんだ。だから、パーティつーか、無職を(やしな)う力は残念ながら皆無(かいむ)。今晩のメシだって、下手すりゃそこらに生えてる雑草(ざっそう)とか毒キノコだ」



(やしな)ってならあげるわよ。わたしが一生面倒見てあげる」

「ああ、俺を養ってくれるのか、そりゃーすまんが――――え? え? え!?」



 なんか、コヤツとんでもない事を口走(くちばし)りやがった。



 ゴスロリ無職が金のない俺を養う? 面倒見てくれる?



 無理だろ。不可能だろ。酔ってんだろう!?

 ドッキリなら早くタネ明かしをしてくれ。その方がこのモヤモヤがいち早くスッキリする。ていうか、どこにそんな金があるっていうんだ、こんな飲んだくれに。


 なんて思っていると、


「あんた、今こう思ったでしょ。こんな飲んだくれの無職じゃ養えるわけないって」


「すまんけど、そりゃまあ……」


「バカにしないでよね~!

 こう見えても、わたしはね【ウルチャ】をこの瞬間にもず~~~~~~~~~~~~~っと受けてるんだから!」



 へ……【ウルチャ】? なんぞそれ。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ