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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第四章 未来

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第202話 異世界の中心 - 少女との奇跡の出会い -

  新しい世界の名は『パロブ・サンディエゴ・ホセ・フランシス・ステラ・パウラス・ホアン・ネポムセイノ・マリア・デイ・エロス・レメディオス・クリスピア・クリスティーナ・デン・ラム・サンデシマ・トリニダート・ルイス・イル・ヒカソ』という。



「なげぇよ!! 名前長すぎィー!!」



 どうやら最後の【ヒカソ】が異世界の名のようだ。


 そんな【異世界・ヒカソ】の中心に位置する王国……



 【レメディオス】に俺はいた。



「へぇ、活気に満ちあふれた王国じゃないか。人口も多そうだな。おお、噴水とかキレイだな。あっちはイベントでもやってるのかな」


 国を見渡すと、多くの冒険者が街を闊歩(かっぽ)し、クエストをしたりギルドメンバーを(つの)ったり、露店で何かを売り買いしていた。


 ここが新しい異世界! いいね!


 なかなか良いスタートが切れたんじゃなかろうか。

 この体の底から()き出る高揚感(こうようかん)、おぉ、なんかワクワクしてきた!


 で――感動とかに(ひた)っていれば、なんか急に話しかけられた。


「おやぁ、シスター服のお(じょう)ちゃん、ひとりか~い? 良かったら、おじさんと楽しいことしないか~い」



「黙れ。()に近寄るな」



「だっ……黙れだと!?

 これでも私はね、この辺りじゃ名高い貴族なのだよ。いいか……ん。()? なんだ、君……男なのかね? なるほど、そっちか! そっちなのか! いいぞ、おじさんますます興味(きょうみ)()いた! どうかね、見返りは(はず)むぞ」



 うわっ、ヘンタイだ!!



「きゃー! ヘンタイですー。誰か助けて~」


 俺は棒読みで叫んだ。


「なっ! キミ、よしたまえ!! くっ……おのれ、(おぼ)えておけ!」


 ヘンタイは去った。


 ……まったく、いきなりあんな悪趣味なヘンタイとエンカウントするとはな。幸先(さいさき)の悪い。どうせなら『可愛いエルフ』とか『お姉さん系の盗賊(シーフ)とか』そういう美女が良かったね。

 性別が『女』になったといえ、まあやっぱり仲間にするならそっちの方がいい。


 さて、もうちょい王国を散策(さんさく)しようかなと思ったが――



「……ん?」



 正面から、とてもヘンな髪色をした女の子がこちらへ向かってきていた。


 なんだ、俺を見ている?


 すると……女の子は俺の目の前で、静かに足を止めた。

 へぇ、なんだかお嬢様っぽい雰囲気で……つか、服装がなんかの召喚儀式で使うような紋様(もんよう)の入ったゴスロリで、近寄りがたい感じだ。


 人形のような娘だなと俺は思った。


 ルビーのような――いや、あれはそれ以上だ。この世のモノとは思えない美しくも(はかな)げな赤い瞳を流し、真っ直ぐ見てくる。……明眸(めいぼう)だ。


 目と目が完全に合ったことすら忘れてしまうほどに、彼女は可憐(かれん)だった。なんだろう、この高嶺(たかね)の花のような存在。思わず俺は感動しちまった。



 こんな可愛い女の子と冒険できたら楽しいだろうな。



 などと思っていれば、


 ヘンな髪色の女の子は突然()いた。



「うぉえええええええええええええええ……」



「ぬわ!? レインボーの物体を俺に向けて吐くな!!」



「いや~昨日、飲みすぎちゃって。

 あ、自己紹介が遅れたね。わたしは『ネメシア』っていうの。あなたが女神さまの言っていた…………カルボナーラ……?」


「それじゃあ『ラ』しか合ってないじゃないか! ヘデラだよ!」



「ああ! そう、ヘデラ。あなたが七度目の転生者ね。ずっと待っていたわ」



 頭が弱い子なのかなぁ。なんか頼りない。つーか、俺の第一印象返せ! 人ってーのは、第一印象が大事だからな。もう一気に長時間放置していた激マズコーヒーのように()めたよ。


 ま、何にしてもこの子が俺を(みちび)いてくれるらしい。



「じゃ、よろしく」

「却下」



「――は? 却下ってどういうこった」


「わたしより肌白すぎ。まつ毛長すぎ、小柄(こがら)で可愛すぎ! あぁ、手もこんなにスラっとしてるし(うらや)ましいわぁ。って、なによ、そのいかにも神様の恩寵(おんちょう)受けてます~的な服。絶対隠しアイテムよね。ていうか、あんた本当に女? 言葉(づか)いといい……怪しいわ」


 まず!!


「え……。わたくし(・・・・)なにか粗相(そそう)を?」



「バカっぽい」

「うるせーよ、縞馬(ゼブラ)みたいな髪色しやがって。しかもなんで右目を前髪で隠してるんだ?」


 彼女の髪型はワンサイドアップで、髪色は基本ベースは『黒』だが、金と銀のメッシュカラーを(こしら)えていた。で、ポイントの高い右目隠し。いや、でもそれ見辛いだろう。


 ――とまあ、(ただ)ならぬ雰囲気を(かもし)し出していたのだった。


 なんであんなド派手な髪色してんだか。すげぇ目立つし、周りの人からも結構ジロジロ見られているんだよな。本人はまったく気にしていないようだけど。

 この国の流行(はや)りのファッションか何かだろうか。



「わたしは『ネメシア』よ」

「それは知ってる。その髪の色の謎には答えてくれないんかい。まあいいや、よろしく」



「まー、わたしの髪のこれはほぼ地毛(じげ)よ。

 って……あ、そうそう、これからの事を話さなきゃね。近くの居酒屋(バー)でもどう~? この奇跡(?)の出会いに一杯くらいなら(おご)るわよー」



 他に頼れるヤツもいないしな。

 ヘンタイ貴族を頼るよりは数億倍マシである。

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