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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第21話 三つの選択肢 - 俺たちが世界を救済!? -

 花の王ミクトランは、茶を(すす)って一息ついた。

 (ひど)く落ち着きがあり、とても重要そうな話題でもなさそうだが……。


「あなた方には、今、三つの選択肢(・・・・・・)があります」

唐突(とうとつ)だな、花の王。いきなり俺たちになんの話なんだよ。まず経緯(いきさつ)を説明してくれ」



「おっと、そうでしたね。それでは、少しだけ話を戻しますと……まず、メサイアは『元・死神』であるということはご存知(ぞんじ)ですか?」


「それは知ってる。なあ、メサイア」



 俺は、メサイアに話を振るが本人は顔面蒼白(ブルー)だった。



「お、おい、メサイア。まだ腹が痛いのか!?」

「……へ、平気よ。話を続けて」



 やっぱり、無理してんな、コイツ。

 まあいい。それより話だ。



「元々この世界は『女神』たちであふれておりました。ですが、突然現れた【死の呪い】によって世界は変えられてしまったのです」


「……【死の呪い】? なんだその物騒(ぶっそう)なモンは」


「ええ。その呪いこそが女神たちを(おとしい)れ、死神へと変えたのです。それだけでなく、今のこの『闇の世界(ダークネスワールド)』を作り上げてしまったワケなのですね」



 え……?

 『闇の世界(ダークネスワールド)』?



 この世界ってそんな暗黒(ダーク)な世界だったっけ。そうでもないような。確かに、少し歩けばそこら中モンスターだらけなのは事実だけど、街に至っては平穏(へいおん)そのものだ。


「あのぉ~、そんなに治安(ちあん)が悪かったでしたっけ。確かに、ボスモンスターの出現は多いような気がしますけれど」



 リースがそう首を(かし)げていた。

 それには俺も同意見だな。


 ミクトランは話を続ける。



「ですから、あなた方は何度か経験しているはずですよ。モンスターの突然変異(ミューテーション)を」



 突然変異(ミューテーション)――そういえば、今まで何度か目撃した。

 実際に戦闘を交えたことも。



「まさかな」


「察しがいいですね、サトル殿。現在のモンスターは【死の呪い】によって、突然変異(ミューテーション)するのです。変異することで、モンスターはより強力に。

 その中でも最も恐ろしいのが『メタモルフォーゼ』です。ボスモンスター(・・・・・・・)が更にパワーアップするうえで必要な素質といいますか素養といいますか。その『メタモルフォーゼ』によって『レイドボス』が生まれるのですね。それが、これからお話する案件に繋がるのです」



 メタモルフォーゼだって? てか『レイドボス』って……。まだ上があったのか。



「いいですか。あなた方には三つの選択肢(・・・・・・)があるのです」



「はい、ちょっといいですか!」


 いいところで、フォルが勢いよく手を挙げた。



「なんでしょう、フォルトゥナ様」

「おトイレ行っていいですか!? もう()れそうです!」



「ずっと我慢してたのかよ! さっさと行ってこいよ、フォル」


「は~い」


「あ、あのぉ~…あたしも」

「あ、私も」


 リースもメサイアも。



 緊張感ねぇ~~~!!



 ……あ、話が長くなりそうだし、俺も行っておこ。



 ◆



 結局、花の王であるミクトランもトイレに行った。遅いな……大きい方か!?


「みんな我慢しすぎだろ~」

「ほら、今季節って冬でしょ。トイレが近くなっちゃうのよね~」


 あはは~と笑いながら、メサイアが『醤油煎餅(しょうゆせんべい)』をバリバリ頬張っていた。毒は抜けたらしい。コイツの胃袋はどうなってんだろうなぁ……。



「兄様、兄様~」

「ん、どうしたフォル」

「明日は『聖者祭(アルビオン)』ですよ~。行きますですか?」



 『聖者祭(アルビオン)』――そいや、以前、メサイアがそんな事を言っていたような気がするな。詳しくは聞いていなかったけど。



「なあ、その『聖者祭(アルビオン)』ってなんだ?」

「ああ、ご存知なかったですか。では、お(そば)で説明してあげますね」



 俺の左隣にフォルが座ってきた。ピタっとくっつくようにして。



「あ~、フォルちゃん、ずるいのですよぉ。じゃあ、サトルさんの右側はあたしが!」


 エルフと聖女に(はさ)まれた。

 (せま)いなぁ。でも、うん……アリだな。



「メサイアは、俺の(ひざ)の上にでも座るか?」

「サトル、それ名案だわ! じゃあ、遠慮(えんりょ)なく……」


「って、おい、バカ! 冗談に決まってるだろ! くんな! せめーよ!」


「冗談に決まってるでしょ。さすがに狭いわ。でも、こうすれば私もサトルの隣に座れるわ」



 ――と、メサイアはリースを抱え、(ひざ)の上に乗せて俺の隣に座った。



「きゃぅっ……メ、メサイアさん」

「ごめんね、リース。でも、こうしないと皆で入れないでしょ」



 ……な、なるほど。

 メサイアのヤツ考えたな。この中じゃ一番小柄(こがら)なリースなら重くもないし……。つーか、俺、今とんでもない状況になっちまったなぁ。


 ていうか、メサイアがリースを抱えているっていうのも、なんだか新鮮でいいな。まるでお姉さんと妹のような。そんな微笑ましい光景だ。



「よし、フォル。説明頼む」

「はい。『聖者祭(アルビオン)』とはですね~…」



「――おや、皆さん仲が良さそうで」


 フォルの説明が始まろうとしたところ、ミクトランが帰ってきた。長かったな。やっぱり、大きい方か。王様だって大きいのくらいするよな。



「フォル、説明は後で。じゃ、王様、続きを」

「ええ。それなんですけども、あとはあなた方に選択して戴くだけです」

「選択……洗濯(・・)じゃ、ないんですね?」

「ええ、選択(・・)です。決して洗う方じゃありません。選ぶ方です」



 選択――なにを選べっていうんだ。



「いいですか、皆さま。心してよく聞いて下さい。



 1.死の魔王・ゾルタクスゼイアン


 『聖地・アーサー』の支配を強めている魔王です。四人の死神『オルクス』『プルート』『モルス』『メサイア』が魔王を倒す為に向かいましたが、その討伐(とうばつ)メンバーの一人であったメサイアが抜けましたので、現在は三人体制で大激闘中です。



 2.アルティメット・デス・アナイアレイション・ドラゴン


 『聖地・パーシヴァル』で暴れている世界最強のドラゴンです。

 現在は、炎、氷、雷のそれぞれの属性を持つ三大騎士達がドラゴン打倒のために命()けで戦っております。ちなみに、現地の方々からは『名前が長すぎる!』というクレーム多数につき、別名『アルバトロス』の名で呼ばれておりますよ。



 3.冥界の死女神・アルラトゥ


 半年前『聖地・ランスロット』を落とし、手中にした死の女神。死神でもあれば、女神でもある。両方の属性を合わせ持つ特異な存在。あまりに強力な力を持っているので、手出しできていない状況です。



 以上、三つの選択肢です。

 どれがいいでしょうか?」



「………………」



 俺含め、みんなポカ~~~~~~ンと口をあんぐり開けていた。呆然(ぼうぜん)するだろ、そりゃ。唖然(あぜん)するだろ、そりゃ。



 むしろ、圧倒的愕然(がくぜん)としている……!



「あの…………王様、それを俺たちにどうしろと?」

「願わくば、全部(・・)倒して戴きたいのですが」



「ふ・ざ・け・ん・な」



 無理!

 無理無理無理!!

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