表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

194/559

第189話 死神と女神

 みんな一斉に死神スキル『オーバードライブ』を叫んだ。

 全ての速度が上がるだけでなく、攻撃力も十倍以上も()ね上がるとんでもスキルなのだ。それがみんな適応されるとは、もはや実質、死神勢ぞろいってところだ。



「全員が赤く……だからどうした」



 ドゥーベは(ひる)むことも(おく)することもなく、マインドスキルを全員に向けて発動した――だが。



 だが、誰一人倒れることなく、心を破壊された者はいなかった。



「なっ……なぜだ!! なぜ、ひとりも倒れない!!」


「女神スキル1001番目の『アンチマインド』よ。

 ドゥーベ、あなたの心を破壊するスキルは効かないわ! それにね、心はあんたみたいな怪人(・・)が壊していいものじゃない!!」


 メサイアが激怒し、そう言い放った。



「女神、貴様ァ……私をあんな出来損ないと一緒にするな!! 私は超人(・・)だ。人間(ひと)やエルフ、聖者を超えし存在なのだ! そして、いずれは神をも超える」



「だったら、私は女神よ!! 女神を超えられるのなら、やってみなさいよ……! この頓痴気(とんちき)女!!」



 ダンっと()ね、一瞬でドゥーベとの距離をつめるメサイアは、白く輝き始めた。――あれは、女神スキル『エーヴィヒ ヴィーダーケーレン』。

 そのうえ、オーバードライブも掛かっている。



『オーバー・シャイニング・ブレイズ・ゴッドフィンガァァァァァァァアァアアアアアアアァアアアアア!!――――――!!!!!』



「バカなッ!!!」



 メサイアの予想外すぎる行動に、驚くドゥーベは完全に呆気に取られてしまっていた。それだけじゃない。みんなが次々とメサイアの後に続いた。



『最終奥義・覇王武光拳!』

『アークシールド!』

『ホーリーグレイル!』

『アメジンググレイス・スレイプニル!』



 フォル、ベル、リース、サイネリアの連携が続く。



「グはぁぁぁあああああッ…………!!」



 それらは、ドゥーベに確実にダメージを与えていた。



『エレメンタルフォース!』

『エンペラークリムゾン!』



 後衛職である、スイカとアグニも大魔法を放った。オーバードライブが上乗せされているとはいえ、なんて力だ……!


 干支ノ助と愉快な仲間たちは、あまりの状況に震えあがっていたが、死神三人衆に背中を押されて、泣く泣く前線へ出ていた。


「くっそおおお、こんなのマジで聞いてねえぞ!!」

「ああああの兄貴は死んだと聞いた……今、(かたき)を取るぞ!!」

「うおおおおおおおおおおおおお!!」


 彼らは剣を抜き、勇敢にも向かっていった。

 俺はそんなみんなの激闘を見守っていた。なぜなら、今、力を充電中(・・・・・)だからだ。どんどん魔力を()めている。


「サトル。久しぶりだな」

「よ、オルクス。相変わらずイケメンだな」

「きゅ、急に……褒めるな。照れるだろう。それより、俺たちはメサイア様に呼び出されて、いきなり懐かしの死神に変えられてしまった。緊急事態だというのでね」


 だからと言いかけて、プルートが横から入るなり――


「だからね~、サトちゃん。メサイアからぜーんぶ聞いたからね、わたしたち星の都、潰すことにしたよ~☆」


 と、可愛い顔して恐ろしいことを言った。

 いや、正しいけども!


「ボクらは、女神としての(つと)めを果たす。(ことわり)を乱すもの、これすなわち排除する」


 モル子は淡々としながらも、俺の前へ出た。



「なんだ、モル子。俺を守ってくれるのか」



 コクっとうなずくモル子。

 続いて、オルクスとプルートも俺を囲った。どうやら、三人とも察しているらしい。俺がやろうとしていることを。


「ありがとう」


「いいってことさ。これも、メサイア様のため」

「わたしはサトちゃんのためだよ~☆ これが終わったら、デートする~?」

「プルート、サトルさんはメサイア様のパートナーでしょ」


 (にぎ)やか死神三人衆は、相変わらず騒がしかった。

 そんな状況にほんわかしていると、ドゥーベの闇攻撃が飛んでくるや、俺たちに襲い掛かってきた。


 だが――



『永劫の扉――イノセンス』



 モル子の前に、大きな扉が出現。

 それが開くと、ドゥーベの闇を飲み込んだ。


「おお、すごいなモル子!」

「いえいえ。お守りする為ですから」



「サトル! 大丈夫?」

「おう、メサイア。モル子が良い働きをしてくれた。そっちこそ、平気か?」

「ええ。みんなオーバードライブのおかげで、ご覧の通りバリバリ戦っているわ。おかげで、ドゥーベをかなり追い詰めてる。でも、あいつも死神ではあるから、そう簡単には……」



 確かに。

 ヤツは物理・魔法攻撃を浴びまくり、ダメージをかなり蓄積してはいるはず。だが、決定打にはなっていない。残りのHPもまだまだ多いのだろう。

 というか、自然回復速度が異常なのかも。

 確か、死神はそんな性質があったと、メサイアに聞いたことがあった。


 あれでは、いつまで経っても戦闘不能にはできない。



「メサイア、俺……」

「ダメ! 今はまだ『力』が足りていないわ。サトル、あんたはあのドゥーベを一撃で葬る力を溜めるの。いい?」

「だ、だけど……」

「安心して。私たちの仲間は、そう簡単には倒されないわ。信じて」


 俺は……


 メサイアを……


 仲間たちを信じる。


「二人とも、イチャイチャしている場合ではないぞ。あのドゥーベとかいうヤツの闇が強くなってきている。油断するな!」


 闇を(はじ)くオルクスが強く警告した。


「そうだな。メサイア、お前はとくに要警戒だ。なぜなら、今唯一の女神だからな。俺から離れるな。ていうか、こっちこい!」


「サ、サトル!?」


 死神三人衆の視線はあったが、気にせず俺はメサイアを抱き寄せ、ぎゅっとした。


「俺は、お前を離さない」

「…………うん。一緒に」



「やれやれ。メサイア様とサトルをお守りするしかないようだな」

「あら~、オルクス。どうしたの、ちょっと複雑そうな顔」

「う、うるさいぞ、プルート!」

「オルクスは、ちょっとだけサトルが好きみたい」

「ば、ばか! 言うなモル!」


 顔を赤くするオルクスは、頭を押さえた。

 へぇ、あのオルクスがね。



 そんな風に(なご)んでいれば――



「貴様らあああああああああああああああああァ!!!!!」



 みんなと激闘中だったドゥーベが飛び出てきた。

 クソ、抜けて来やがったか……!!



 少し焦ったが、オルクスとプルート、そしてモル子は行動を開始した。……三人とも、息をピッタリ合わせ、死神の鎌(デスサイズ)を取り出し、振りかぶった。



「そんな大鎌ごとき!!」



 ドゥーベは必死に回避しようとするが、鎌のスピードの方が遥に速く、彼女の右腕、両足を切断した。



「ぐぅぅぅぁッ!! ――のれええぇええ!!!」



 ダメージは与えたが、ドゥーベはすぐさま切断された部位を『闇』で再生させた。くそ、なんて再生能力だ。化け物か!!


 それから、ドゥーベは至近距離でそれを発動した。



『ダークマインドォォォォ!!!』



 大きな闇がうねりとなり、俺とメサイアの体が吸い寄せられていった。……まず!


 しかし、みんなが次々にドゥーベを押さえつけて――



「み、みんな!! 無茶はよせ!!」


「兄様、これしか方法がないんです!!」「そうだよ、理くん。それにさ、戦闘不能にすりゃいいんでしょ」「サトルさん! あたしたちがドゥーベを押さえつけていますから! トドメを!!」「サトル、あなたを信じていますわ」「なんでもいいから早く!!」「サトルの兄貴ぃぃい! 頼むううう!!」「うおおおおおおおおおおおお!!」「サトルさん、あとはあなた次第」「やっちまえ~!」



 みんなが必死に、ドゥーベの体を押さえつけていた。

 しかし、邪悪な闇が()(つくば)って、みんなへ浸食しはじめていた。くそ、あのままじゃ、みんなが……!



「あと少し……あと少しだ!!!」

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ