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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

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第185話 死神の腕と巨大戦斧

※フォルトゥナ視点です

 ずいぶんと意識を失っていました。

 目を覚ますと、激しい戦闘が繰り広げられていました。


「…………ど、どうなっているんですか」


 今、荒野では、ベルさんだけ(・・)が戦っていた。

 リースは? サイネリアは?


 (あせ)っていると、猫の鳴き声が。


「黒猫……リースの召喚した猫のエコちゃん。あなただけ?」

「にゃー」


 猫はこちらのことがまるで分っているかのように、(うなず)いた。


「そんな……戦闘不能になってしまった、というのですか……」


 そんなはずはないと願いたい。

 しかし、どこを見てもリースとサイネリアの姿はなかった。



『ヒーリングシールド、オーディンシールド、ヒーリングシールド、オーディンシールド、ヒーリングシールド、オーディンシールド――!!!』



 ベルさんは、回復と攻撃を繰り返していました。

 まさか、苦戦を――!?


 相手は女の人……あれは――あの顔立ち、星の都に入ったばかりの時に現れたレイピア使い『フェクダ』とかいう。そうです、彼女は七剣星だった。



 でも今は、レイピアではなく――――『巨大戦斧(せんぷ)』を手にしています。



「な、なんて大きさですか……自身の三倍はあるではないですか」



 そんなモノを片手でブンブンを振り回し、ベルさんの盾を一撃で破壊していました……。なんて恐ろしい攻撃力。



「守るだけで精一杯のようですね」

「…………くっ!」



 そんな、あのベルさんが押されているなんて!

 こうしてはいられない。わたくしも手助けを――!



「おや、あなたのお仲間の聖女さま、目が覚めたみたいですよ」

「フォルちゃん! 気づいたのね。良かった……ぜんぜん目を覚まさないから、心配したじゃないか」


「ご、ごめんなさい。それより、リースとサイネリアは!?」


「……あぁ、ごめん。守り切れなかった。二人とも戦闘不能さ。大丈夫。死んではいない。けど、もうこっちには来れないかもね。フェクダが恐ろしく強くってさ……。前にサトルくんが相手にしていたけど、こんなに強かったなんてね。それとも、あの時は本気じゃなかったのかな」


「ええ。私はあの時は、ただの様子見(・・・・・・)。お嬢様の目もあった――ですが、今は思う存分、この姿で戦える」


 姿……あれ(・・)は、貴族のノヴァの時と同じだ。

 彼女も『マグネター』なのだ。だから、あんな大きな斧も軽々と持てるということでしょう。よく見れば、彼女の腕は……『鬼』とか『悪魔』のようでした。


「あるいは……魔王とか死神?」


 フェクダの腕を観察していると、戦斧が地面を大きくえぐった。

 それをシールドで防ぐベルさんでしたが、またも盾を砕かれ――



「――――ああぁぁぁぁっ!!」



 その重い衝撃で遠くへ、見えないほど遠くへ飛ばされてしまいました。


「…………ベルさん!!」


 このままでは、ベルさんがやられてしまう。

 ならば、先手必勝。



『覇王轟翔波――――――!!!!!』



 がら空きのフェクダの背中に向けて、それを放った。


 しかし、あの巨大戦斧で真っ二つに斬られて……技が消滅した。



「そ、そんな……わたくしの秘奥義が……」

「素晴らしい攻撃でしたが、私には遠く及びませんね。でも、聖女がこれだけの力を持つとは……ふむ、認識を改める必要がありそうですね」

「フェクダ、あなたはレイピア使いではなかったのですか……」


「ああ、それのことですか。先ほど申した通り。ただの様子見です。これが私の真の力というわけです。そうそう、言い忘れていましたね――今の私は『死神』の超人(マグネター)です」


「し、死神……ありえないです。レイドボスは全部倒して、死神は消えてなくなったはずですよ」


「ええ、おっしゃる通り。これは力を借りている(・・・・・)だけ。

 なにも、死神という概念は消え去ったわけではないのです。言葉や記憶に残っている限り、死神の力は復活可能ということ。やろうと思えば全身を死神にも出来ましょう。

 ですが、そこまでしてしまうと、心が破壊されてしまうことが分かったのです。ですから、一部の能力を拝借(はいしゃく)し、己の魂に宿すことによって、我々は超人(・・)となったのですよ」


 それは結局、禁忌(きんき)を犯しているのでは。


 開けてはいけない箱を無理やり開け、不正に力を得ているということなのだと、わたくしは感じました。



「それが超人の……マグネターの秘密ってことですか。では、洞窟前や中にいたマグネターは何なのです」



「あれは言ってしまえば、失敗作(・・・)です。研究に失敗はつきものですよ。ちなみにね、彼らは元・エルフです。いやぁ、この星の都には、特上の研究素材が多くて助かりましたよ~」


 フェクダはそう、あっさりと言い放った。


 失敗作…………彼らを救うでもなく、野放しにしてやりたい放題……。しかも放置し、貴族には力を与えてメチャクチャにして……。



「…………もう、あなたと会話する必要はありませんね」

「ほう、怒りましたか聖女さま。ですが、力は私のほうが上ですよ。どう勝とうというのですか……くすくす」


 不敵に笑うフェクダ。

 確かに、戦力差はある。あの巨大戦斧には歯が立たないかもしれない。でも、諦めない。兄様やみんなの為にも、わたくしはひとりでも戦い続ける。

いつも応援ありがとうございます。

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