表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/556

第165話 うごめく貴族たち

 朝ふと目覚めると、下着姿の女神とエルフと聖女、聖戦士に囲まれているというか……()い寝されていた。


 おぉ……みんな天使の寝顔。癒されるぅ~。

 それに、この懐かしい光景。


「う~ん、身動きが取れんなぁ」


 困ったなぁと腕を組んで、どうするべきか思案していると――


 扉が勢いよく開いた。



「邪魔するぜい~サトルぅ!

 ――って、うわ!!! なんだこれ!! す、すまん……!?」



 そこには、アゴが外れそうなくらい驚いている『ああああ』がいた。しかも、腰を抜かしてしまっている。


「おはよ、ボボボボ」

「……わわわわ! サ、サトル……お前ってとんでもねぇ生活してるんだな……。よ、四人もの美女に囲まれて一晩を明かすとか……ありえんだろう、普通。絶倫なのか!? そうなんだな!?」


「バカ、勘違いするなって。もともと俺たちは、長い冒険で小屋生活だったから、習慣が染みついてしまっているんだよ。で、いつも大抵はこうなる」


「いや……ねーよ」

「ねーか……」


 で、続いて『ええええ』と『うううう』もやって来た。



「うわァ、何事!?」「にょ、女体まみれ!!」



 二人も腰を抜かしてしまった。



「よう、二人とも久しぶり。てか、三人してなんの用だよ。このままだとプライバシーの侵害だぞ。どこに訴えればいい?」

「おっと、すまん。説明がワシがする。ええええとううううは見張りにつけ」


「分かった、兄貴!」「こっちは任せてくれい!」


 二人は颯爽(さっそう)と去った。

 え……見張り?


「なんだ、朝っぱらから物騒だな」

「……ああ、ついにヤツ等がついに動きだしたんじゃ」

「ヤツ等?」

「この都のバランスだった存在『七剣星』っちゅーやつやな。

 ま~、『星の都』の守り神みたいな連中だ。この都じゃ有名でな。

 ドゥーベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、アルカイド&ベネトナシュちゅーとんでもねぇ力を持つ守護者――いや、星の代行者が七人もおるんじゃ」


 その中で聞き覚えのある名前があった。

 そや、ミザールは洞窟前にいたような。

 都に入った時にはフェクダと遭遇したな。


「で、そいつらが何だよ」

「それがな、『七剣星』がマックノート家についたんじゃ。これはとんでもねぇことになっちまった。驚天動地(きょうてんどうち)じゃ!」



「――というと?」



貴族すらも(・・・・・)奴隷になる可能性があるっちゅーことや」



 ――は?


 貴族すらも……?



「もともとこの『星の都』は、醜い権力争いとか領土問題で内紛が度々頻発しておったんや。それを収めるために御三家が誕生した」



 それが『マックノート家』、『ヘールボップ家』、『ハレー家』ってことか。



「――で、それだけじゃ心もとないと、バランスを保つために星の力(・・・)を借り、『七剣星』を結成した。彼らは外界でいうところの『軍』じゃ。けど、少数精鋭でな。たった七人で治安を維持し、マグネターからも都を守護していると聞いておる」


「なるほ。んで、その『七剣星』がマックノート家についてバランスが崩壊しちまって、都はいよいよウ●コ化してるってことか。そのせいで全員が奴隷になっちまうかもしれんと」


「ま、要はそういうこったな」


 困り顔でああああは笑った。



「俺にどうしろと」



「まずは大会に勝て。その優勝賞品……とは言いたくないんじゃがな、エルフはお宝らしい。噂によれば、そのエルフがもつ『指輪』が全能なる力を持つとかな。だが、そのエルフは指輪の在り処について一切、口を割ろうとしなかった。その結果、今回の大会の優勝賞品になったちゅー話をハレー家から聞いた」


「そうか、ああああはハレー家派なのか」


「ああ、そうじゃ。でも前に言った通り、ワシはもう関係ない。この『星の都』に戻ったのも、復讐ためじゃ! 復讐じゃ! ヤツら一族郎党[ニャオーン!]や!

 でまあ……今はかつてのパイプを使い、ハレー家に潜入し、スパイ活動をしとるってとこだな」


「すげぇなお前。尊敬するよ。よし、分かったよ。俺等は、もともとそのエルフを救出しに来たんだ。それが最大の目的でもあった。

 だけど、この『星の都』に来てよく分かった……ここはウ●コだ。

 臭すぎる。ひどい悪臭に満ちている。

 こんなに可愛いエルフを奴隷にしているとかさ……絶対に許せん」


 俺はリースの頭を撫でながら、闘志を燃やしまくった。


「お……おう。サトル、お前の殺気すごいのう。

 正気を保っておらんと、ぶっ倒れそうや。

 まあ、お前さんには期待しておる。どうか頼む、この腐りに腐りきった都を変えてくれい」


 いつかのように土下座する、ああああ。


「サトル、もうひとつ頼みがある」

「なんだ、言ってみ」


「ワシは、フォルトゥナ様のファンでな……そ、その、握手して戴きたい」


「なんだそんなことか。後でな。こいつら叩き起こして支度したら、すぐ向かう。それまで待っていてくれ」

「すまんな。では、ワシらは待機しておる」


 清々(すがすが)しい顔でああああは去った。



「さてと……起こすか」



 ◆



 準備支度を済ませ、俺たちは宿を後にした。


「サトル~まだ眠いわぁ」


 気だるそうにメサイアは目を(こす)る。


「姉様、大きなアクビですね」

「そうなのよ、フォルぅ~。あぁ、あんたにおんぶしてもらおうかしら~」


 とメサイアはフォルにだる~んと寄り掛かった。


「お、重いですよぉ、姉様ぁ」

「むぅ~。失礼なこと言ったので、このままね」

「えー! そんな、兄様ぁ助けてくださいまし~」


「後でな。それより、宿の前に既に貴族共がこうも殺到しているとはな……めんどくせえ……ああ、めんどくせえ」



 どうやら、大会の前に俺を出場不能にしたいらしい。



 なるほど……そこまでして俺を優勝させたくねぇか。



「クク……サトルとか言ったな、ここでテメーをやっちまえば……大会も楽になるよなァ」「そうだそうだ! ベル様は俺のモンだ!」「これだけ人数がいるんだ、楽勝だろう」「ああ、こっちの戦力は『8人』もいるぜ」「さっさと闇討ちしちまおう!」「貴族の力を見せてやる!!」



 不穏な空気が襲ってくる。


「はぁ~~~…。まいいや、準備運動にはいいだろう」


 面倒ながらも俺は、指をバキボキ鳴らし……

 新スキルを試してみることにした。



『ダークディストラクション――――!!!!!』



 つっても【オートスキル】にセットしたものなので――敵が攻撃してこないと発動しないのだが、物の見事にヤツ等は一斉に向かってきてくれた。



「死ねやああああ!!」「女は俺たちが面倒見てやんよ!!」「優勝は俺のもんだあああ!!」「やっちまええええええええ!!」「ハラワタぶちまけろおおおお」「晒し首じゃあああああ!!!」



 条件は整った。


 俺自身から小さな、とても小さな『ダークエネルギー』が放出された。なんです、あのビー玉みたいなサイズ。



「ちっさ!」



 だが、次の瞬間には――



「うぎゃあああああああああああああ!!!!」「ぬぉぉぉおおおおおあああ!!!」うぉえええええええああああ」「っべべべべべばばばぶぶぶう!!!」「ぶええええええええええええ!!」「ちょりいいいいいい!!!」



 黒いビー玉は貴族たちに命中し、大爆発を起こした。



「おわっ……!」

「きゃっ……」「こ、これは……」「うっ……」「ひゃー」


 あまりの威力・爆風に俺は仲間たちを守る姿勢に入った。



「こ、ここまでとはな……」



 新スキル『ダークディストラクション』は【ニトロ】の付与を前提としたもので、更に爆発的なエネルギーとして放出することができる。言ってしまえばこれは『核エネルギー』に匹敵する。


 が、今そんなモン使ったら都が余裕で吹き飛び、壊滅してしまうので、かな~り威力を抑えて発動した――つもりだった。だが、ここまでの威力だったとは。



「まあいいか。どのみち、貴族共はぶちのめす予定だったし」


「サ、サトル……もう少し手加減しなさいよ。危うく死ぬところだったわよ!」

「すまんすまん、メサイア。飯(おご)るからさ」

「ならいいわ!」


 どうやら許してくれたようだ。単純で良かった。



「さあ、兄様。大会に遅れてしまいます。参りましょう」

「そうだな、こんな事している場合じゃねえ。行くぞ!」



「「「「おおおお~~~~!!!!」」」」



 邪魔が入ったが、俺たちを止めることなんて誰にも出来ない。

 何があろうとも、俺たちは先へ進むだけだ。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ