表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/555

第160話 ビキニアーマーに殺到する貴族たち

 星の都は、都というだけあって宇宙のように広大だった。

 現在、都全体を見渡せる展望台。

 今そこで俺とベルは二人きりだった。


「へぇ。こんな絶景を前に、こんな美味いものが食えるとはな」


 串に刺さったトルネードだかハリケーンだかサイクロンだか、まあどれでもいいんだけど、そんな『スパイラルなスライスポテト』を俺とベルは頬張っていた。


 ただ一点、問題があった。


「ベル。お前さっきから、顔とか体とかジロジロ見られすぎだろう。しかもさ、大半が男連中だし、まあ……ビキニアーマーだから目立つんだろうけどさ」

「う~ん、それもあるかもね。

 でも多分だけど、わたしってほら、王様に仕えていたじゃない。それでちょっと有名人なのかもね」


 ちょっと、どころじゃないだろう。


 はむはむとポテトを食べていると、ベルはナンパされていた。

 ……いや、されまくっていた。

 さすが聖戦士・ビキニアーマー。モテモテだなぁ。



「ベ、ベル様ですよね! よければ、大貴族であるボクとお付き合い戴きたい」

「いやいや、俺でしょう。花の都で父上が騎士長をやっておりましてね!」

「僕は『ハレー家』の者。アーサー王とは懇意にさせて戴いておりますよ。生活もお金も不自由させません」



 などなど……貴族が殺到していた。


 困惑するベルは俺をチラチラ見てくる。

 その度に、俺には男共から殺意の視線も向けられているんだ。

 ヤメテ戴きたい。



「では、こういうのは如何(いかが)でしょう」



 ある貴族はこう言った。



「明日、星の決闘大会『コメット』が行われます。それに優勝した者がベル様を我が物にできる……というのは如何(いかが)でしょうか。しかも、優勝すれば今回はとても価値のある『奴隷エルフ』も贈られるのです。とても名案だと思いませんか」



「「「おおおおおお~~~!!!」」」



 貴族とその他は歓声をあげた。

 いや、まて。勝手に話を進めるなボケ共。


「おい、お前ら。このベルは俺のだ。勝手に賞品にするんじゃねえ」

「理くん……嬉しいな」


 うわずった声でガバッと腕を回してくるベル。注目度は抜群になってしまい、余計に彼らを(ふる)い立たせてしまった……。



「「「「「もう許さねええええええ!! 決闘だああァァァアアアア!!!」」」」」



「……い、いやだから、ベルは俺のだってば」



「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」



 だめだ……コイツ等。

 もう聞く耳持たずだ……まずい。ベルが取られてしまう!



「大丈夫だよ、理くん。(よう)は優勝すればいいんでしょ」

「あ、そっか。その手があったわ」

「でも万が一、誰かのモノになったらどうしようっかな」

「いじわるなこと言うなよ……」

「ふふ、ごめんごめん。……けどね」


 ベルは目蓋(まぶた)を閉じ、こう言った。



「星の決闘大会『コメット』……わたしの為だけなく、絶対優勝した方がいい」

「ああ……その為(・・・)に来たんだろう」



 もうすぐ……きっと。



「それでは、僕はこの案件を他の貴族たちにも伝えてくる。その方が公平だし、大会ももっと面白くなる。そうは思わないか」


「なっ、テメェ……。確か『ハレー家』とか言ったな」


「ああ、そうとも。ヘールボップ家を知っているだろう。あのバカ共と並ぶ地位と財力を持っていてね。まあ、ライバルみたいなものさ」


「そういうことか。つまり、俺とお前とは相性最悪だな」

「あぁ、確かに貴様とは馬が合わなさそうというか、こちらから願い下げだ。

 そんなワケだ、貴様からベル様を奪ってみせる……。貴様のような平民以下の奴隷(どれい)には相応(ふさわ)しくないんだよ。奴隷は奴隷らしく振舞いたまえ」


 と、ハレー家の貴族は嫌味たらしく、薄笑いを浮かべた。


 俺はというと……。

 ベルのビキニアーマーにある、ふたつのお山に手を置いた。



「なっ――――――――――!!!!!!!?」



 貴族は、俺のその予想外すぎる行動に仰天し、ひっくり返った。

 他の一同も目を充血させ、愕然(がくぜん)としていた。



「………………」


 ベルは無表情だった。いつものクール。



「お、憶えてやがれええええ!!! くそおおおおお!!!」



 みんな恐れをなして(?)去った。



「理くん」

「うん~?」

「盾で殴り殺したいところだけれど、今回は特別に許してあげる。あのハレー家の男……理くんのことを奴隷奴隷って連呼しすぎ……むかついた」

「だな。アイツは特に気に食わん。いつか泣かす」


「がんばれ」


 微笑みを浮かべ、ベルは俺の頭を()でてきた。


「さて、そろそろ皆のところへ戻るか」

「うん。……あ、まって」

「どうした」

「理くん。口元にポテトついてる」


 そうベルは、俺の口元からポテトの欠片(かけら)を取って、飲み込んだ。


「うん、おいしい。うんうん……キスしたいな」

「なんだ、ベル。お前からなんて積極的だな。けど、それは記念すべき優勝に取っておく。そうだ、俺の優勝賞品はそれがいい」


「へぇ、名案。じゃあそうしよう。約束。ゆびきりげんまんウソついたら、理くんの大事なところ切断~♪ 指切った」


「おう、やくそ――――くぅ!?!? まてまて、なに物騒な約束させてんだよ」

「ああ、今のは負けた場合ね。勝ったらもちろんキスだよ」



 そ、そういうことか……てか切断って……。

 恐ろしい約束をしたものだ。



 大会まではまだ時間がある。

 もう少し、都を散策したいところだが――。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ