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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

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第156話 超巨大洞窟ダンジョン

 翌朝。

 朝食を食べていれば、メサイアがこんなことを言った。


「そういえば、そのお嬢様誰よ。なんかやたら豪華なドレスだけど。舞踏会イベントなんてあったかしら」


「ああ~」


 そいや、すっかり馴染んでいたので紹介し忘れていた。

 紹介しようと思ったら、サイネリアが率先して自分を紹介し始めた。



「そうでしたわ。わたしは『サイネリア』です。以後見知りおきを」



 やはり挨拶は丁寧(ていねい)だった。


「私はメサイアよ。一応、女神」

「へえ……め、女神? 御冗談でしょう?」

「ほ……本当よ。ねえ、サトル」


「え、そうだっけ」


「…………」


「冗談だって。そんな女神らしくないヤバイ目つきしたら、余計に疑われるぞ。……ああ、断言する。メサイアは本物の女神だよ」


「そうなのですか。へえ、女神は初めて見ました。本当に実在していたんですのね。そこの可愛らしいエルフは、リースさんでしたわね。よろしく」


「え、はい。あれ、なんであたしの名前……」


「昨日、あれだけ目立っていましたからね。印象が強かったってことです。そちらの銀髪のクールな片目隠しの女性(ひと)は?」



「久しぶり、サイネリア。多分覚えてないだろうけど、わたしはハーデンベルギア。花の都でよく会ったけどね」



「ハーデンベルギア…………あ!

 あなた、花の都の……王様に仕えていらした……。数年前のことなので、すっかり忘れていました。ええ、記憶を丹念に掘り起こし、確かに思い出しましたわ。再びお会いできてとても光栄です」


 ベルに対し、サイネリアはスカートを()まみ上げ、深くお辞儀した。そういえば、あの挨拶は『カーテシー』というそうな。以前、ベルから教えてもらった。



 にしても……まるで違う対応だな。


 とにかく――これで全員とは挨拶を交わした。



 とか思ったんだが。

 サイネリアはどこか適当な(くう)を見ながら――


「あ~そうそう、もうひとりいました。誰でしたっけね、無名すぎて忘れてしまいましたわぁ~」


 そう嫌味たらしく、溜息を交えて言葉を()らした。

 ……おいおい。



「…………ぐ」



 あれは完全にフォルのことだ。

 本人は歯をギリギリさせながら、サイネリアをかつてないほど鋭くガンを飛ばしていた。ありゃ、一触即発だぞ。



 で、毎度のことながら火花がバチバチと。


 この聖女と令嬢――本当に仲が悪い。


 やれやれと俺は、朝食のトーストを頬張った。



 ◆



 サイネリアの勧めで、この霊山付近にある都へ向かうことに。


「そこは天空の星の都と呼ばれていまして、名を『アステリズム』といいます。霊山『アヴェレスト』と深い繋がりありますの。古い伝承もありましてね、詳しい事は到着したらお話しますわ」



 そんなわけで、俺たちはその『星の都』を目指し徒歩で向かっていた。


 ――のだが。



「この怪しげな洞窟の先にあるのか」


 今俺たちの目の前には『超巨大洞窟ダンジョン』があった。

 あの霊山『アヴェレスト』の反対側にこんな出入口があったとはね。


「大きいわね。下が真っ暗でなにも見えないわ」


 そう腰を下ろし、深淵を見下ろすメサイア。

 髪をかきあげる仕草が俺的ポイント高かった。いや、そこじゃないな。



「メサイアよ。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているらしいぜ」



「サトル、あんたバカァ?」

「どっかの女パイロットみたいな言い方するんじゃない」



 なんてやっとると、メサイアの目の前に『ナニカ(・・・)』が現れやがった。



「きゃぁ!? な、なになに! 怖い」


 メサイアは急に飛び出してきた物体に驚き、俺にしがみついた。


 で、よく見るとそれは人間(ヒト)だった。



「なんだぁ、あんたぁら……あ、サイネリア様じゃねーべかぁ」



「御機嫌よう、ミザール。丁度いいところでしたわ。彼と彼女たちは『力』です。きっとわたしたちを導いて下さることでしょう」



 サイネリアは、ミザールだとかいう中年とそんな会話をしていた。なるほど、どうやら知り合いらしい。んー、にしても、あのミザール……なぜ白衣を?

 その見た目通り、医者かもしれんけど。



「そっか。これのことだったんだ」

「どうした、ベル。勝手に納得してないで教えてくれよ」

「うん、理くん。この洞窟はね、星の都『アステリズム』に繋がっているんだよ。だから、あの男性医師は外界に出てきたんだろうね。そんな話を神王様から聞かされたことがあったよ」


 そうベルは状況を説明してくれた。

 そういうことか。巨大洞窟だと思っていたアレは、星の都を繋ぐものだったと。……でも、どういう構造なんだか。



「分かりやした。お嬢がそう申すんであれぃば……。でぃは、オイラはちっ~と野暮用ですわぁ。あとはメグレズ伯爵にご報告をなすってくだせい~」



 ペコっと頭を下げて、ミザールは霊山の方向へ去った。医者にしては、なんか言葉がすげぇ(なま)ってる人だなぁと俺は思った。



「では参りましょう。この洞窟に入れば向こうは『アステリズム』ですから」



 少し緊張。初めて入る街っていうのはワクワクするな。

 この先にはどんな街があるのだろうか。



 そうして、視界ゼロの暗闇を歩く。


 なにもない――ただの闇の中を。



 メサイアが自然と手を繋いできた。

 負けじと……ベ、ベルも。勝者はこの二人か。


 どこかでフォルの悔しそうな声が響く。リースもしょんぼりしているような気配だ。……あれ、そういえば、サイネリアの気配がないような。



「ここですわ。さあ、もう直ぐです」



 着いた。

 ここが…………星の都?



 ◆ ◆ ◆



 一方その頃、ある場所では……。



「……ほう、サイネリアが『力』を」

「はい……ドゥーベ様。『力』にはエルフもおりますゆえ」


「そうか。そろそろエルフ共があの存在(・・・・)を察知する頃合いだとは思っていたが、早かったな。時は満ちた……ということか」


 ドゥーベは静かに笑う。

 すると部下は、こうつぶやいた。



「神は死すべき存在です……」



「――いいや、すでに神は死んだ。

 奴ら……畜群(ヒト)は我らを恐れ『怪人』などと侮蔑するすが――違う。我らは『超人』だ。畜群(ヒト)の一歩先を――いや、それ以上をいく崇高なる存在。人智を超越し、トランスヒューマニズムの理念を智見し、体現するパイオニア」



「星は我々に」

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