表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/556

第150話 イクシード

 俺は……死んだかのように思えた。


 だが、すっかり忘れていたスキル【イクシード】により復活を()たした。



「うぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」



「バ、バカな!!! 貴様なぜまだ生きて――――――!!!!! 肉体は滅び、なにかもが消滅したはず!!! なぜだああああああああああ!!!!!」



 俺が蘇生したことに驚愕するコンスタンティンは、ありえないモノを見るような目で(さけ)んだ。まあ、幽霊なのには間違いないかもな。



 12人のコンスタンティンは再び、【世界終焉剣・エクスカイザー】を構え始めた。やることだけは早いな。けどな――!



「させるかよ!!!!!!」



 俺は、



 これまでずっと温存していた最大の大技スキルを――




「これが、俺の、怒りだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」





『――――――――――エンデュランスッッ!!!!!!』





「かぁっ……! そ、それは…………あの憎き神王の…………光、か」



 ・

 ・

 ・



『うぉぉああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!』






 ――――――。




 【虹】の輝きが聖地を包んだ。




 もう、なにかもが消え去った





 …………あぁ、俺は。やっと。




 ◆ ◆ ◆



 鐘の音だ。


 あ、そうか。どこかで聞いたことがあったんだよな。


『……あ、れ。フォル』


「よろしくお願いします。フォーチュンさま」

「いえ、私は『フォーチュン』ではありません。神王・アルクトゥルスなんですよ。これから、あなたと共に旅をするのです。ですから、この先にある『小屋』を目指すのですよ」


「はい……これが『フォーチュンの導き』なのですね」


 フォルは『小屋』へ向かった。



 ◆ ◆ ◆



 ――また鐘の音だ。



「おや、あれは可愛らしいエルフですね。なるほど、アヴァロンを追い出されたと。……よし、可愛いので仲間に加えましょう。……そうですね、イノシシを使って――」


 そこらにいたイノシシモンスター『グリンブルスティ』を(あお)った。



「きゃあああああ! モンスターがなんであたしを!! いやあああ」


 リースは近くにあった『小屋』に突っ込んだ。



 そっか。

 それで、小屋に突っ込んだんだ。



 ◆ ◆ ◆



 鐘の音は続く。



 桜が吹雪いている。

 これは、本当に本当に昔の話だ。



 従妹はオンラインゲームが好きで、俺とよく遊んでいたっけ。

 ある日、彼女は『現実とオンラインゲームが融合』しただかの、そんな最先端のゲームテストを手伝うため――不運な事故に巻き込まれ……



 でも、彼女は、奇跡的に深い眠りについていただけだった。


 だから、金の卵に。



 ◆ ◆ ◆



 ――――――ん。



「あぁ、この甘い香り。メサイア」

「うん。ここは『家』よ」



「…………あぁ」


「そ。あんたはね、一週間くらいは寝ていたと思う」


「長いなそれ。通りで腹が減ったわけだ……。で、あれ、戦争は?」

「とっくに終わったわよ。世界はもうすっかり平和。なーんも起きていないわ」


 そっか。

 あれから『コンスタンティン』を倒し、世界は平和になったらしい。


 そこで、ゴトっと物の落ちる音がした。


「あ、兄様! お目覚めですか……よかった!」

「お、フォル。久しぶり」

「よかった、本当に!!」


 フォルは大泣きし、俺に抱きつき……『よかった』と、それをずっと繰り返していた。ああ、……随分(ずいぶん)と心配させてしまったようだな。


「すまん。なんとか帰ってこれたよ」

「はい……」


 そして、またも物が落ちた。

 うわ、果物が大量に床に落ちて――


「え!? サトルさん!?」


「リース! あれ、髪型変わったか?」

「サトルさぁぁぁあっぁあん!!」


 リースもまた大粒の涙を流し、俺に抱きついてきた。

 こう連続で女の子に泣かれると、さすがに心が痛いな。


「リースにも心配を掛けたな。俺は無事だぞ。けど、なんかレベルとかスキル全部失ったっぽいなぁ……リセットでも掛ったかな」

「サトルさんがご無事で本当に良かったです……」


 俺もリースにまた会えて良かった。


 で、ふと、視線を泳がすと――



「お、ベル。お前も……服、変わったか。あれ、ビキニアーマーはどうした? なんで、そんなマトモな服を着ているんだ!?」


 ベルはすげぇオシャレしていた。

 なんだろう、凄く頼り甲斐(がい)のありそうなお姉さんって感じ。



「…………あ、理くん。目を覚ましたんだ……」



 ちょ……!



 あの、冷静で、淡泊(たんぱく)で、無感情のベルが『涙』を!?


 もう一度言う。


 『涙』を!?



「お、おいおい……珍しいこともあるもんだな、ベルが泣くなんて……」

「そりゃ泣くよ!! もう、すごーーーく心配したんだから!!」



 ……おぉ、ベルが自ら飛びついて来た。



 これは現実(リアル)!?



「それとも夢か」



「夢なわけないでしょ。じゃあ、証拠ね!」


 みんな、一斉にキスを求めてくる――!



「うわ、みんな! ちょっとー!」


 ドタバタと騒がしい。俺のベッド上でなにしてんだか。


 その隙を抜け出してきたのは、メサイアだった。



「――――ん」



 あ……。



 甘い香りと味がする。



 夢じゃないんだ。



 これは、本物だ。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ