表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

149/559

第144話 白い女神

 二人の騎士『プロキシマ』と『ケンタウリ』は人間ではなく、赤い影だった。


「なんだ……二人ともバケモノだったってことか」


「バケモノ? それ以上だ。俺たちはな、コンスタンティン様から『特別な聖杯』を戴いた。それにより、このレイドボスをも上回る力を手にいれた」



「プロキシマ、さっさと殺っちまおうぜ」

「そう慌てるな、こっちは不死身(ふじみ)なんだからな!」



 そうか。コイツらは人間(・・)だったから――以前、あの『赤い影』は、モンスターとしては認識できなかったわけか。つまり、コイツ等は何者でもない何かだ。



「不死身か――だからと言って、倒せないわけじゃない」



「ほう、なにか手段があるというのか――――!!」


 プロキシマが赤い手を振るってくる。

 砂漠が真っ二つに割れた。なんつー、威力。けど、俺は軽々回避。あれくらいなら、まだ何とかなる。



「飛ばしていくぜ! 【トランセンデンス】からの『オーディール』――!!」



 裁きの光を放ち、ケンタウリに命中させた。



「なんだこの不愉快(ふゆかい)な光は……! ぐあぁぁぁぁっ……」



 命中はしたが、ほぼ効いていない。

 くそ、だめか。割と本気の一撃だったんだが。


「後ろがガラ空きだぜ!!」


 ……しまった、プロキシマのヤロー、いつの間に俺の背後に!!


「こっちは任せて!!」

「メサイア!」


 メサイアは『素手』で、プロキシマのあの邪悪な赤い腕を掴んだ。


 マジか!!!


「ぐっ……!! なんて力よ……」

「いや……メサイア、お前も十分バカ力だよ」

「し、失礼ね。これでもか弱い女神様よ――!」


 すると、メサイアは白く光り始めた。女神専用スキルか!


 それは【エーヴィヒ ヴィーダーケーレン】というモノだった。


「いやぁ、このスキル取るの苦労したわよ。なんたって、千個以上取ってやっと取れた最強のヤツなんだから――!!」


 え……そんなに!?


 メサイアは力を込めると、プロキシマの腕を(ちり)にした。



「バ、バカなぁぁぁあっぁぁ!! あああぁぁぁぁあァ!!!」



 腕が溶け、取り乱すプロキシマ。……うそだろ、ドロドロに溶けてんぞ。


「な、なにをしたんだ、メサイア」

「これは『永劫回帰』よ。時間は無限であり、物質は有限であるの」

「つ、つまりどういうことだ?」


「わからないわ!!」



 わからないか――――――――――い!!



 てか、そんなドヤ顔で。



「お、おのれええええ!! このクソ女神よくも俺の腕を!!」


「クソ女神ですって!?」


 あ、メサイアのヤツ、すげぇ顔してる。ありゃ、ブチギレたな。



「よくもクソ女神だなんて……!!」



 うおぉぉぉ、メサイアが更に白く光り始めた!


 そして、その勢いでプロキシマに突撃――



『零式・シャイニング・ブレイズ・ゴッドフィンガァァァァァァァアァアァアアアアア!!』




「ひょぼぼぼぼばばばばばばあああああああああああああああああががががああああああああああああああああどういぉぉぉぉぉおおおおおおおおえええええええええええええ!!!!!!」




 プロキシマは爆散した。

 いくら不死身とはいえ、あんな粉々じゃ、再生はできんだろう。



「プ、プロキシマ!! うそだ……やられちまったのかよ。信じられねぇ」



 残りはケンタウリだ。

 ヤツは、不利な状況になりつつあることを実感しているのか、逃げ腰だ。


「っ……」

「メサイア。無茶したな。ちょっと休んでろ」

「ごめん。あとは任せた」

「ああ、任せろ。まだ切り札は残っているからな!」


 ケンタウリ、あいつを倒せば……!


 いや……だがまて。


「おい、ケンタウリ! 一応、聞いてやる。裏切者は誰だ! 教えろ、そうすりゃ命は取らないぞ」


「なんだと……情報を吐けというのか!? バカか! 俺は、コンスタンティン様に忠誠を誓ったのだぞ! 誰か貴様なんぞに!!」


 腕を上げるケンタウリ。


「けど、プロキシマのような死に方はしたくないだろ?」

「く……! 貴様、俺を(たばか)る気か! ふざけるな!」


「そうか、悪い話じゃないとは思ったんだがな……。フォル、今だ!!」


 俺は、空にいる(・・・・)フォルに合図を送った。

 さきほど飛び上がって滞空していた。タイミングはバッチリだな。



『秘奥義!! 覇王轟翔波――――――!!』



 赤色が空から降ってくる。



「そ、空からだとォ!? くそォ!!!」



 いまだ!!!



 俺は【オートスキル】発動を任意で発動し、『血の煉獄』を敵に浴びせた。



「ヌゥおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! ガガガガガガアアアア、ヤメ、ロオオオオオオオ!!! ……お、俺は不死身だ……この程度の攻撃で……死ぬかああああああああァァァアア!!」



 さすが不死身か……。

 【エーヴィヒ ヴィーダーケーレン】が使えれば倒せるが、メサイアは、今は疲弊(ひへい)して倒れている。だから、あれは一度きり。この攻撃に全身全霊をかけるしかない。



「うおぉぉおぉぉおぉぉぉおぉ!!!」



 もはや気合と根性だった。

 俺はただ出来る限りの力を出し尽くし、敵を焦がしまくった。



「ウあぁぁぁあぁぁあぁああぁああ――――――!!!!!」



 叫ぶケンタウリ。効いてる……効いているぞ!

 だが、決定的なトドメは刺せない。くそ、不死身がこれほど厄介だったとは!



 そんな時だった。




『オオオぉぉぉぉぉおっぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』



 どこからか声が。

 これは――【聖地・モードレッド】の方角から――まさか!!



『俺たちも戦うぞ!!』『聖地が滅びようとしてんだ、黙ってられっか!!』『あの赤いバケモノを倒せばいいんだな!』『あのアンちゃんに加勢しろォォオ!!』『うおぉぉぉぉおぉぉぉ』『っしゃあああああああああああああ』




 こ、これは……!

 聖地・モードレッドの一万の兵。それと、レッドスカーフ。



「理くん。わたしたちもいるよ~」

「サトルさん、あたしたちはあなたと共に!」



 ……ベル。リース! ありがとう。



「みんな!! あの赤い影に、総攻撃を開始せよ!!!」


 レッドスカーフが全軍に指令を送る。




『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』』』




 俺とフォルは瞬時に離れ、メサイアを担いで距離を取った。


 その直後、一万の総攻撃が始まった。



「バカなああ!!! こ、こんな大規模の攻撃は……不死身とはいえ、た、耐えられんぞ!! ううあああああ、やめ、やめろおおおおおおおおうああああああああああああ!!!」



 砂漠は燃え上がり、赤く染まった。



 勝ったか……!

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ