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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第138話 血の煉獄と勇猛な竜殺し

 かつてを共にしたギルドが協力してくれる事になった。

 彼らは一枚岩の団結を誇る。それは、あの戦い『レイドボス討伐』でもハッキリ分かっていた。そうじゃなかったら、世界は今頃、闇に落ちていただろうしな。



 さあ、強力な仲間も引き入れたところで――



「よし、俺たち『テラボンバー』は……このまま砂漠を抜け『聖地・モードレッド』へ向かう。ま、道中にお姫さんがいるってのは、マーリンから聞いた。会いに行こうじゃないか」


「さっすが旦那!」「俺たちゃぁ、旦那に一生ついて行いきやす!」


 そう賛同したのは、パースケとグースケだけだった。


 ……あれぇ。


「どうした、メサイア、リース、フォル、ベル。テンション低いぞ……」

「だって、あんなモヒカンたちと一緒だなんて……」

「おい、メサイア。今の彼らにモヒカンははないぞ。ただのハゲだ」

「そうだけどー」

「それにな、おい、パースケとグースケ。ご苦労だったな」


「ええ、旦那。俺たちは、指示通り【情報操作】へ向かいます」

「旦那! 達者で!」


「ああ、任せたぞ」


 パースケとグースケは去った。


「え……情報操作ですか?」

 真っ先に驚いたのはリースだった。



「ふっ、敵を欺くには、まず味方からってな」

「どーゆーことー?」

「詳しい話はあとだ、メサイア。もうすぐ、モードレッドとエンカウントするだろう。その時が勝負だ」


 その通り、いきなり無数の剣が飛んできやがった。


「あっぶねっ!!」


 ベルが巨大なシールドを展開し、全てを防いだ。ナイスゥ!


「よくやった、ベル」

「これくらい余裕。それより、わたしはアーサーを守るよ」

「ああ、頼む。アーサー、大丈夫か。このビキニアーマーの姉ちゃんが守ってくれるからな」

「はい……! よろしくお願いします、ベルさん」


 さてと――俺は……


 歩いて、ヤツのところへ向かう。

 『赤いスカーフ』を首に巻いた女のところへ。


「あんたが……モードレッドか」

「ほう、お前が噂の『聖者』か。我が名は『レッドスカーフ』だ。間違ってもその名で呼ぶなよ」


 ぐっと顔が近づくと、睨みあう状況になった。



「レッドスカーフ。あんたはどっち(・・・)の側なんだ? マーリンに聞いたぜ、あんたはどっちつかず……半端者(・・・)だってな。本当は、アーサーを殺したいんだろう。この際だ、ハッキリ言ったらどうだ」



「くくく……。アーサーを殺したいかだって? 確かに一時の迷いはあった。裏切ろうとしたことも何度もあった。しかし、今はアーサーよりも貴様だ! お前は、我が『ドラゴンキラー』をあっさりと撃ち落としたのだからな。

 それに、貴様は我が聖地に無断で()み入れようとしている。――であれば、それを阻止するのが我が使命だ」



「そうか。それじゃ、アーサーは殺さないんだな」

「それは貴様次第だ――!」


 レッドスカーフが体勢を崩し、蹴り上げてくる。俺はそれを回避。おかげで【オートスキル】が発動し、水属性攻撃の『ヒドゥンクレバス』がモードレッドにぶち当たる。


「なっ! 貴様、なんだこれは……!」

「さあな、続けてみれば分かるさ」


 距離を取るレッドスカーフ。

 ヤツは『ドラゴンキラー』をスキルで生成し、構えた。なんつー覇気だ。それが俺に重く圧し掛かる。


 それからヤツは、剣を俺に向けて振っただけで――


「――――ぐっ、なんだこの爆発! そうか『エクサダイト』か!!」

「気づくのが遅かったな!」


 連鎖爆発が続く。……くそっ、なんて威力だ。厄介な。けど、その分はヤツにお見舞いできるな。


 俺の【オートスキル】――『ダークニトロ』がレッドスカーフの爆発を上回る速度で自動反撃(オートカウンター)を開始した。



「ぬあっ……! なんだこの黒い爆発は……! 我が『エクサダイト』を凌駕(りょうが)するとだと……! くぅぅぅ!!」



 それもそうだ。これは、この世の全ての憎悪。そう簡単には――


「それが、どうしたァァァ!!」

「――――な」


 レッドスカーフのヤツ、気合で掻い潜ってきやがった!


 なんて、ヤツだ……!


 こいつ、まさかこの距離で――!!


 必死に『ドラゴンキラー』を伸ばしてくるレッドスカーフ。

 こんな勇猛果敢な騎士がいたとはな……! 甘く見過ぎていた……! 認めよう、こいつは半端者なんかじゃない……紛れもない十聖騎士(ホーリーナイト)だ。


「はぁぁぁあぁあぁぁ――――!!」


 ドラゴンキラーの剣先が俺の腹部に到達する。


「ぐあぁッ!?」


 まずい、このままだと腹を貫通し、俺は……


「く……ぅぅぅ!!」


 な、なんの……ォ! これしき!


 俺は『ドラゴンキラー』の刃を(にぎ)った……!


「な……! 貴様! 我がドラゴンキラーを両手で抑え込む気か!! このままだと両手がなくなるぞ!!」


「ああ……そうかもな。けどな、おかげで血塗れになれた!!」


 活路は開けた。

 そうだ、俺はここで負けるわけにはいかない。コンスタンティンをぶっ潰すためにも! みんなの期待に応えるためにも……!



「血の煉獄!」



 血潮が炎となり、レッドスカーフを焦がした。


「うあぁあぁぁ――――――ッ!!」



 いまだ!!



『聖槍・エクスカリバァァァアアアアアアアアア――――――!!!!!』



「バカな! その輝きは……アーサーの、どうしてそれを! うああああああああああああああああ!!」



 太陽の光に匹敵する黄金の輝き。それは、レッドスカーフに命中し、彼女は遥か彼方まで飛ばされていった――。




「……はぁ、『痛覚遮断』スキルを取っておいて良かったぜ……。ただ、不快感は拭えんが」

「サトル! バカ! 無茶しすぎよ!」

「……なんだ。心配してくれていたのか、メサイア」

「当たり前でしょう。もう、まさかあんな苦戦するだなんて」

「……ああ、俺はレッドスカーフを完全に侮っていた。ヤツは強かった」


「サトルさん! 手、手は……!」


 青い顔で駆けてつけてくるアーサー。


「大丈夫さ。フォルが治癒してくれる……」

「も、もうなんて危険な真似を……心臓が止まるかと思いましたよ……」

「はは、今回ばかりは俺の甘さが招いたことさ」

「もう、安静にしていてくださいね。……そういえば、モードレッドは……」


 アーサーはモードレッドが気掛かりのようだ。

 一応でも、心配はしているんだな。


「大丈夫だ。少しだけ手加減しておいた。死にはしていないはずだ」

「そ、そうですか……。良かった」

「さあ、聖地・モードレッドへ向かおう。その道中で、アイツも拾えるだろ」

「はい……。そうしましょう。決戦の日は近いですからね」


 俺たちは『聖地・モードレッド』へ向かう。



 ◆



 聖地まであと少しのところで、レッドスカーフはぶっ倒れていた。


「兄様、あの人……」

「ああ、フォル悪い。あの赤い姉ちゃんを治癒してやってくれ」

「え……いいんですか? また襲ってくるかもしれないですよ」

「いいんだ。それに、レッドスカーフの力は必要不可欠(・・・・・)だからな」

「え、そうなんですね。分かりました。それでは……」


 治癒をフォルに任せた。


 しかし、マーリンのヤツ、本当に無茶を言ってくれる。


「…………っ。わ、私は……」


 治癒を受けたレッドスカーフが目を覚ます。


「起きたか、赤いの」

「き、貴様っ! くっ……」

「無茶すんな。エクスカリバーをまともに受けたんだぞ。普通は死ぬぞ」


 なんて話していると、


「ねえ、サトル。これどういうこと? なんで、あのモードレッド……いえ、レッドスカーフを助けちゃうのよ」

「うん。実はな、別れ際、マーリンから耳打ちがあってな。モードレッドを仲間に入れろだなんて言ってきやがった。必要なんだってさ」

「そうは思えないけど……」


 メサイアは納得いかんとしていた。

 まあ、そうだよな。俺だってどうして『聖地・トリスタン』を破壊しようとしたヤツなんかを助けるか分からん。

 それに、仲間になるとは到底思えなかった。


「く……アーサー、私に近付くな!!」


 そうこうしていると、アーサーがレッドスカーフに近付いていた。

 おいおい、危ないぞ。


「モードレッド。僕たちに力を貸してくれないか。頼む、お願いだ。僕との『決闘』なら、その後でいいだろう」


 アーサーは頭を下げた。


「……アーサー。……ふん。決闘などどうでもいい。だが、聖地を破壊されては敵わん。コンスタンティンの下衆な目論み、叩き潰してくれようぞ」

「ありがとう、モードレッド」

「違う! 私は『レッドスカーフ』だ。いいな」

「うん、わかった。モードレッド」

「おい、分かってないだろ! アーサー!」


 どうやら、仲間に入った(?)ようだ。

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