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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第132話 モンスタレースの不正を暴き出せ!

 俺は、女神であるメサイアを羽交(はが)()めにした。


 なぜこんな状況になっているかといえば、メサイアのなけなしの『130プル』を奪おうとしたら、逃げたからである。しかも、抵抗しまくりやがって……! 俺の顔に爪痕が(泣)



 全財産の『130プル』を取ろうとすれば、自身の胸の谷間に押し込みやがった!! なんてヤツだ!!



 さすがの俺でも、メサイアの胸に手を突っ込むなんてマネはできない。つーか、ベルとリースのいる前では100%無理だ。なので――


「ベル! メサイアのパッド入りの胸に挟まっている『130プル』を取ってくれ! 取ってくれたら、なんでも言うこと聞いてやる!」


「ほんと!? うん、最高の条件だね。それならいいよ。ごめんね、シア……そういうことだから」

「ベルの裏切者~~!! てか、パッド言うな! 私の胸は普通にあるわ! ねえ、リースは私を助けてくれるわよね!?」


「耳を貸すな、リース! いいか、そのまま静観していてくれ。そうしたら、今度、お父さんに挨拶しに行く!」


「わかりました!!!」


 リースは俺の手に落ちた。



「リースぅ~~~~~~~~~~!!」



 四面楚歌に陥ったメサイア。あ、ちょっと泣いてる。

 ふふ……だがな、これでお前の味方をする者は誰もいなくなったぞ!!



「いけ、ベル!」

「はいさ~」



「いやぁぁぁぁぁぁあ――――――――――!!!!!!」



 ・

 ・

 ・



 なけなしの『130プル』を手に入れた!!<チャリーン



 ……さて、この金の使い道は決まっている。



 ヤツ……ホテルのオーナー『イゾルデ』の不正を暴くには、確かな証拠が必要だ。だから、俺は『千里眼』(クレアボイヤンス)で視た。



 その『ビジョン』はこうだった――



 イゾルデが誰か(・・)に依頼して、レース場では通常不可能(・・・)なモンスターの移動速度を上げてもらっていたのだ。そうすることで、客から金を巻き上げまくっていたのだ。



 詐欺(さぎ)じゃねーか!!



 許せん。

 善良な人々を騙し、己の私腹を肥やし……そして、あろうことか俺の大切なフォルを奪いやがったんだ。あの女狐(めぎつね)め!!



 だが、この『ビジョン』を皆にどう伝えるべきか、それが難題だったが……



 女神(メサイア)はいつだって俺の味方だ。



 ……ま、本人は気付いていないみたいだけど。



 この『130プル』があれば……まだ【最終レース】には参加できる。



 そこで俺は、ヤツ等の不正を暴露する。

 そうすれば、レース参加者は激怒し、返金を求めて大混乱するだろう。



「リースは、最終レースの情報を集めてきてくれ。ベル、お前はモンスターの移動速度を上げている誰か(・・)を探してくれ。場所はゴニョゴニョっと」


「はいよー。そこだね。分かった」



 さて、あとはメサイアだが――



「………………」



 あぁ……めっちゃ落ち込んでるな。


 あんな豆粒のように(ちぢ)こまって……むぅ。どう声をかけたものか。


 このままも何だかな。


「メサイア……その、すまなかったな。お前の大事な『130プル』を奪っちまって……。悪気はなかったんだ。これも、フォルを取り戻すためだ。協力してくれるよな?」


「当たり前でしょ」


 体を起こし、メサイアは空を仰ぐ。

 どこか遠くを見つめ、


「サトル……あのイゾルデってやつ、やるなら徹底的にボコりましょ! ぎゃふんと言わせるの! その為なら、ジュース代にしかならない『130プル』なんか惜しくはないわ」


「ああ、それでこそだ。だからな、メサイア……女神専用スキルの出番だ。確か、モンスターとかの正体を暴く……鑑定スキル的なのあったよな?」


「ああ! それね、あんまり役に立たないと思って、取るかすっごく悩んだんだけどね。でもスキルポイントがアホみたいにあったから、ほとんど取っちゃった。

 ……うん、取ってある。スキルの名は『ヴァールハイト』。効果は『種族問わず、対象の正体を暴くことが出来る。また、支援・補助・異常など掛かっている【状態】をサーチ、強制表示する。対象の【状態】だけ表示することも可能。パーティ・ギルド間での情報共有も出来る。また任意で、全体へ情報公開も出来る』ね」



 まじか……!



「メサイア……抱きしめていいか……」

「ひゃっ!? もういきなり抱きついているじゃないっ……。もう……。

 でもそうね、私もフォルを助けたい」


「行こう。イゾルデの不正を皆に知らしめるんだ!」



 いざ、モンスタレース会場へ……!



 そうそう、モンスターレース会場へ入るには入場料が『10プル』掛かるのだ。これは、ひとり『10プル』なので、俺、メサイア、ベル、リースで『40プル』必要となる。


 が……世間的には、リースは子供にしか見えないらしく……『入場料無料』だった。さっきもそうだったけどな。幸い、リースは気にしていないようだ。ま……本人がいいなら、いっか。


 なので、『30プル』を支払い……



 残り『100プル』……なんとレースに投資できるギリギリの額だった。



「よし、ベルは行動開始したな。リースも情報収集へ行った。レース開始まではもう少しだけ時間がある。最終レースだから早くしてくれよ~…!」


「情報収集完了しました!」


 リースがもう戻って来た。


「はやっ!!!」

「えへへ……本気だしちゃいました。もう全て把握済みですよ♪」


 行動開始3分で終わった。ラーメンかよ。


「で、どんな感じなんだ?」


「はい。えっとですね――」



 一番人気:世界一素早いゴブリン

 二番人気:エレクトロスパイダー

 三番人気:ジャスティス

 四番人気:ギルドから追放されし勇者・ケイ

 五番人気:獣人・ドドド

 六番人気:【食べられたため棄権】



 ――ふむふむ。


 って、六番人気、食われとる――――――――――!?



「六番人気にいったい何があったんだ……」

「さ、さあ……」



 どうやらこの五名(?)で最終レース開始のようだ。

 ふむ……名前からして一番人気が固そうだが……。



 俺の『千里眼(スキル)』によれば――なるほどね。

 一番人気が固いが、どうやら……まったく人気のない、明らかに鈍足っぽい五番『獣人・ドドド』に【速度増加】が掛かるようだ。やっぱりそう来るのか。


 リースから聞くところによれば、ほぼ九割の人間が一番人気に高額投資しているという。そりゃそうだよな……【最終レース】でしかも分かりやすい名前の『世界一素早いゴブリン』ときたものだ。狙いすぎだが、人間つーのは、シンプルに分かりやすいヤツを選びたがる傾向にあるものだ。



 それじゃ、俺は適当に『ギルドから追放されし勇者・ケイ』にでも『100プル』を賭けておくか。特に理由はないけどな!


 尚、俺は別に勝つ必要はない。

 ただ一般客と同じようにレースを見守っていればいい……その時が来るまで。



『ぱぱぱぱぱぱ~~~~~~ん♪』



 おっと、ファンファーレだ。

 いよいよレースが始まる。



 ヤツの――イゾルデの不正をここで……

 ぶちまけてやる。

いつも応援ありがとうございます。

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