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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第127話 おっさんと聖女、死にかける

 まさか、危険な森の中で野宿をする羽目になるとは。

 この森【ブロセリアンド】は高レベルのモンスターが湧きまくっていた。しかも、種類も多く、把握しきれないほどだ。


 そんなモンスターが群れを成し、俺たちに襲い掛かってきていた。



 ――が。



 俺には【オートスキル】がある。

 セットしてあるスキルが自動(オート)で敵を駆逐し、殲滅。その度に膨大な経験値を獲得し、レアアイテムをドロップ。


 非常にウマウマな狩場であった。


 ぶっちゃけ、高効率を出せる最高の森ダンジョンだった。


「もうアイテム持ちきれませんね、兄様」

「こんな量になるとはなぁ。収集品を全部持って行ければ、街とかで売りさばいて大儲けなんだけど、うーん……」


 俺の【運搬スキル】にも限界はあった。

 アイテムボックスでいえば、もう『90%』を超えてしまっている。重量オーバーとなると、【オートスキル】の発動に支障をきたす。


 これは由々(ゆゆ)しき問題であった。


「メサイアたちが居ればな……」


 依然として、メサイア、ベル、リースとは合流できていない。

 本当、どこへ行ったやらね。


 そんな状況を整理しながら、俺とフォルは楽しく食事をしていた。


「はい、兄様♪ あ~ん♡」


 イノシシ肉を口元に運んでくれるフォル。

 俺はそれを遠慮なく戴く。


「うまー! さすがフォル。お前の料理スキルはファンタスティックだな」

「ふぁんたすてぃっく?」


「つまり、スゲーってことさ」


「褒めて戴き、ありがとうございます♪ わたくし、今日ほどこの幸運(フォーチュン)に感謝した日はないかもしれません」


 フォルは感無量な面持ちだった。


「どうした。そんな嬉しそうに」

「嬉しいんです。だって、大好きな兄様と二人きりで幸せなんですから♪ 今晩は誠心誠意、ご奉仕させて戴きますね♡」


 そんな聖女みたいな――いや、聖女か。神々しい太陽スマイルを向けられては、断れなかった。つーか、断らない。むしろありがとう!


「はい、兄様、あ~ん♡」


「あーん――」



 ぱくっと戴いたところで、近くでドンと衝撃が起きた。



「あん?」


 振り向くと、あの野盗たちがまた現れた。


「なんだ、お前たち生きていたのか! てか、すげぇボロボロだな……まるで腐りきったミカンのようだぞ!」


「……はぁ、はぁ………。ひとり犠牲になったがな」


 なるほど。

 仲間を裏切って、そいつを囮にしたわけか。なんてヤツ。


「そこの中年! テメェ~よくも、あんな醜悪な『ダーティーオークレディ』を擦り付けたな!! おかげでエライ目にあったわ!! 分かってんだろうな……その女の体で払ってもらうしかねぇよな! そうだよな、お前たち!」


「ああ、そうだ!」「あの上等すぎる聖職者(プリースト)の嬢ちゃんなら、高く売れるぞ~」「ひゅー。あんな美人なら一週間は楽しめそうだなァ……」「ぐへへ……」



 いや、擦ってないし。お前たちの自業自得だろうに。


 はぁ~…、どいつもこいつも……。


 あーもう、相手にするのも面倒くせぇ。



 無視しておくのもアレだし、しゃーないワンパンしたるかと――立ち上がろうとした時だった。



 ズシンと重量感のある足音が森の奥から向かってきていた。



「……あ、兄様。この気配……」

「フォル、動くな!! コイツはやべーぞ……」



 森が大きく揺れ、ひっくり返りそうなほどに衝撃が広がっていた。


 ……巨大なモンスターか?



 またズシンと足音を鳴らし、ソイツ(・・・)は姿を現した。



「――――――な」



 俺は言葉を失った。



 なんだ…………あの赤い(・・)影のバケモノ(・・・・・・)は!?



 そいつは野盗共を認識すると、ギラリと睨んだ。



「ひ……」



 野盗共もアレが明らかにヤバすぎると察知した。

 しかし、その時にはもう遅かった……。



 影は、大きな赤い腕を伸ばすと野盗をひとり、またひとりと掴み――



「うああああああああああああああああああああああ!!!」



 丸のみしてしまった……。



 食事を終えた影は、満足すると森の奥へと消えた。



「…………な、なんだ。何なんだありゃ」


 つーか、俺たちには目もくれなかったな。どうして?



「こ、怖かったです……。わたくし、咄嗟(とっさ)に、聖域『グロリアスサンクチュアリ』を展開しましたので……恐らくそれで……」



 フォルのスキルのおかげだったのか!

 それであの影は諦めて……?


 正直、危なかった。


 あの影のステータスは、まったく(・・・・)認識できなかった(・・・・・・・)からだ。もし、戦闘になっていたのなら、あの野盗共と同じく、無惨にも殺されていた可能性もあっただろう。そんなバッドエンド……想像しただけで戦慄した。



 幸運(フォーチュン)――いや、フォルに助けられた。



「……フォル」



 俺は、フォルを抱きしめた。



「……兄様、わたくしはここにいますよ。ずっとあなたのお(そば)に」

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