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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第118話 グラストンベリィに眠る聖剣

 アヴァロンのエルフは、会った当初は冷たくて人間には優しくなかった。しかし、今では俺たちは人気者。連日、人が(たず)ねてくるほどだ。まるで英雄的扱いだが、これもアヴァロンを救った俺のおかげだな。わっはっはは!!


「なーに、ニヤついてるのよ、サトル」

「おう、メサイア。なんでもないよ。それより、パロ、君は確かめたいことがあるって言ってなかったっけ?」

「そうにゃ! ぼくは、このアヴァロンに眠る『聖剣・エクスカイザー(・・・・)』を確かめたいのにゃ!」


「――エクスカイザー(・・・・)? エクスカリバーじゃなくて?」


「違うにゃ。エクスカイザー(・・・・)にゃ」



 ――は?

 なにそれ、聞いたことない。


 まったくの初耳。

 なにその魔改造っぽい聖剣。むしろ、チートっぽい。


「んー。よく分からんが、パロはそれを確かめたかった――と」



 うんうんと(うなず)くパロ。


 ……聞かなかったことにしておこう。



「よし、宝探しに行くか」

「ちょ、サトにゃ~ん。無視しないで欲しいにゃ! お願いだから聞いて欲しいのにゃ!」

「なんだ、言ってみろ。三文字で」

「ええ~!!」

「はい、文字数オーバーな」

「そ、そんにゃ~ひどいにゃ~!」


 パロは、およよと泣き崩れる。

 さて、もれなくメサイアがブチギレゾーンに突入しかけているので、ここは素直に聞いてやるか……。


「……パロ。そのエクスカイザーだが、どんな剣なんだ?」

「うん。にゃんでも、その剣は遥か太古から存在する伝説の聖剣のようだにゃ。大賢者・フォーマルハウト氏の文献によると、あまりの破壊力にこの世界が一度滅びかけたらしいのにゃ~」


 滅び……かけた?


 なんだそのトンデモ聖剣!!

 ヤバすぎるっていうか……危険すぎる!


「メサイア、ちょっと」


 俺はメサイアに近付き、耳打ちした。


「なによ」

「あの話は本当か? お前、女神だろ。なにか知っているのか?」

「初耳よ。聖剣なんかに興味ないし。それより、私は女神専用スキルの取得で忙しすぎるわ。まだまだ沢山あるの。大変よ……」


 ゲンナリと、メサイアはどこか(やつ)れているようにも見えた。

 女神も大変なんだな……。


 少し同情していると、


「理くーん。盾スキル買えたよー! ありがとねー!」


 ベルの明るい声がした。

 おや珍しい。あんな上機嫌なベルは初めて見たかも。


「よう、ベル。スキルは買えたんだな。どんな盾スキルなんだ?」

「それは戦闘になってからのお楽しみ。けど、本当にありがとね! わたし、このスキルずっと欲しかったんだ~。も~、ほんっと理くん好き」


 なんと……ベルからハグされた。ぎゅぅっと大胆に。

 ビキニーアーマーだから、肌がモロに当たって……!


 ……こ、これは……。たまらん……!


 あまりに嬉しくて、体が震えた。なんという圧倒的幸福感(ウルトラハッピー)

 思わず胸を締め付けられ、俺は泣いた。


「理くん!? どうして泣いているの!?」

「いやー…おっさんになると涙腺が緩くなるんだよ。分かってくれ、ベル」

「そういうモノなの? ところで、さっき聖剣がどうとか聞こえたけど、宝探しに行くんだ?」

「そのつもり。ベルも来るか?」

「あー、ごめんね。わたしは新スキルの試し打ちとかしたいんだよね」

「おう、分かった。さっきのハグで三十回分は許せる」

「そっか。じゃ、悪いことしても何回か許してもらえそうだね。じゃ、シアにパロちゃん。わたしは旅に出るよ~アデュー!」


 颯爽と行ってしまうベル。

 ホント、あんなハイテンションは珍しいなぁ。



 ◆



 宝探しに行く前に、リースの親父さん――いや、お義父さんに呼び出された。


「失礼します。お義父(とう)さん」

「交際は認めたが、結婚はまだ認めておらんぞ!? ……まあいい、サトルくんになら任せられる……って、話はそれじゃない。

 聖剣だ。聖剣を探しに行くのだろう。前も言ったが、このアヴァロンに眠る宝は、神王・アルクトゥルスを(まつ)る秘宝。それを探し出し、私利私欲(しりしよく)のままに扱おうとすれば、アヴァロンは祟りに合い、今度こそ滅びるかもしれん。だから、すまないが……」


 ……なんだ、神王様を(まつ)っていたのかよ。

 なら、平気じゃん。


「それなら大丈夫ですね」

「……サトルくん。今の私の話、ちゃんと聞いていたかね!? また、アヴァロンが滅びる可能性があると言ったのだが……」

「俺は『聖者』ですし、神王様とはマブダチなんです。だからご安心下さい、神王様には女神のメサイアを通して話をしておくので」


 メサイアは、女神専用スキルのおかげで、神王と連絡が取り合えるようになっていた。便利なものだ。


「そうか、そう言われてみれば君は……。そうだな、君が言うのだから間違いはない。それでは、宝探しを許可する。頑張ってくれ。それと、お義父さんは止めなさい」


「ありがとう、お義父さん」

「……まったく、君には敵わんな。……ただ、サトルくん。ひとつだけ忠告しておくぞ。コンスタンティン軍は健在だ。王もどのような動きをしてくるか分からん。十分に注意することだ。いいな」

「重々承知しています。アヴァロンは俺が必ず守ります」


 そう俺が言葉を返すと、親父さんは『ガッハッハ!』と豪快に笑い――


「そうだな。よく考えてみれば、最強の『聖者』がアヴァロンを守ってくれるのだ。こんなに頼もしい者は他にはいない。サトルくんがいれば百人力。ああ、まったく私は何を恐れていたのだろうか。……行ってきなさい。グラストンベリィへ」


 『グラストンベリィ』――そここそが、聖剣の眠る場所らしい。俺は、詳しい場所を教えてもらい、向かうことにした。

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