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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第111話 運命の女神

 ――ある日。

 俺は、メサイアを呼び出した。


 なぜか呼び出したくてたまらなかった。

 なんでだろう? 分からん。


「メサイア、俺はどうかしちまったかもしれん」

「そうね、否定はしないわ。あんた、どこかおかしい」

「おい。そこは普通、心配するところだろうが!」

「正気とは思えないわね。もちろん、私もね……」

「なんだ、お前もどこか変なのか? また死神に戻りつつあるとかは勘弁してくれよ」

「それはないわ。ただ……」

「ただ……?」


 メサイアはどこか遠くを見つめ、腕を組むと話を続けた。


「同じ時間をずっと過ごしているような……。最近、そんな違和感とかデジャヴとか感じるのね」

「マジか……お前もか。俺もだ。俺は、アレが夢ではないかと思っているが。けど、とてもリアルな夢でな。アヴァロンが必ず滅びるんだ。それも毎度、炎に包まれて――それで――」


「……滅び」


 そう短くメサイアは反応を示した。

 それから、俺を真っ直ぐ見た。かなり真剣に。


「私は違う」

「へ? 違うとは?」

「このアヴァロンを救う夢を見るの。でも、救うのは私じゃない。あんたよ、サトル。あんたが皆を導いていたの」


「……俺? つってもな、現状のアヴァロンで何が起こっているのかさえ分からんぞ。しかも、それは夢。(おぼろ)げな、漠然としたものだぞ。そんな曖昧なものを信じていいものか……」


「確かなことは分からない。けどね、これだけは分かるの。私自身にも何か起きているような気がする……。サトル、私、こわい……」


 ――と、メサイアは、いつもの強気とは一転し、弱気だった。

 それこそ、か弱い少女のように。あんなに小さくなられては、俺は。


「メサイア……」


 俺は、メサイアを優しく抱きしめた。


 ――な~んてなァ!

 そんな風に見せかけて……『女神専用』のスキルツリーを勝手に覗きこんだ!!



 ……やはり!!



 コイツのスキル……何かがずっと発動しっぱなし(・・・・・・・)だ。それを見ると――



 【 インフィニティ・オーディール 】とあった。



 効果は『一度発動すると、一定の範囲の時間で世界を永遠にループさせる。ループ時間はスキルレベルによる』とあった。――なんだよ、これ! ループだって? どうして、そんなもんが勝手に発動しているんだ……! 俺の【オートスキル】じゃあるまいし。



 運命の悪戯か?


 それとも、神の気まぐれか。



 何にしても、このスキルを止めねば。俺たち――いや、この世界は永遠にループし続けることになる。つまり、未来は永遠に閉ざされており、似たような日常を過ごすだけで、バッドエンドを迎えるのだ。


 ヤバすぎる……!


 だがまてよ。思い出せ。

 アヴァロンの運命はいつもどうなっていた!?


 炎に焼かれ、滅びていた。


 ああ……そうだ。それがアヴァロンの終焉だった。

 俺は少しずつだが、(アレ)が確信に変わっていたんだ。そのトリガーは、先ほどのメサイアのスキルだ。偶然か分からんが、発端はスキル。滅びゆく運命だった、あの何千回、何万回も見た夢はホンモノだった。


 だが、スキルのおかげで何度も繰り返した。

 そんな中でデジャヴとして蓄積された記憶が色濃くなってきて、どこかで『違和感』として覚えていたんだろうな。


 つまりアレだ、これは今の俺に与えられた『最後のチャンス』という事に他ならない。……そう。俺は、あの悪夢……赤い月の運命を今なら変えられるのだ。――だったら、やるしかないだろう!


 今日こそアヴァロンに希望を、活路を見出してやる。


「メサイア! 運命を変えられるぞ!!」

「運命? いきなり何のことよ。あんた、おかしくなっちゃったの?」


「違うよ。さっきお前が言っていたじゃないか、このエルフの郷・アヴァロンを救うんだよ! それと、軍も壊滅できるかもしれないぞ」

「え、コンスタンティン軍を?」

「ああ……それにはメサイア、お前が必要だ。いいな」

「……そ、そんな期待されたら仕方ないわね。いいわ。あんたと私の仲だものね。今回ばかりは運命の女神(ウルド)になってあげるわ」


 ニヤリと笑うメサイア。

 ……なんかそれいいな。


 運命の女神ね。……へえ、いいじゃないか!


 最後に笑うのは、俺と女神(メサイア)というわけだ。


 さあ……はじめよう。

 アヴァロンの救済を!

いつも応援ありがとうございます。

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