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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第110話 無限の試練

 燃え尽きたアヴァロン。

 それをただ茫然(ぼうぜん)と立ち尽くして、見ているしかなかった。


「サトル。まだ、生存者がいるかもしれないわ。アヴァロンへ行ってみましょう」


 この死んだ空気を断ち切るかのように、メサイアがそう希望を示した。そうだよな、最後まで諦めちゃダメだ。それに、リースの為にも残された彼らを(とむら)ってやらねば。


 よし、みんなでアヴァロンへ……

 そう気持ちを切り替えた時だった。



『やはり――この場所だったか。小僧ども!』



 背後から、かなりの数の武装集団が現れた。


 なっ……! あれは、コンスタンティン軍!

 なぜ、こんなところに軍が。しかも、五十人規模。なんて数だ。


 偶然か? それにしては、タイミングが良すぎる! しかも、アヴァロンを強襲されている。同時に狙われた、ということか。


 おかしい。いくらなんでも俺たちの行動まで筒抜けというのは、おかしくないだろうか。考えうる可能性として『裏切者』がいるということになる。

 だが、俺はみんなを信じているし、みんながそんな行動に走るとは思えない。そもそも、行動を共にしていたんだ。不審(ふしん)な点はなかった。だとすれば、裏切り路線は消える。



 ならば……なんだ?



 コンスタンティン王……。

 コンスタンティン軍……。

 黒の十字(プロビデンス)……。



 コイツ等が、明白な敵であることは間違いない。


 けれど、俺は、見えざる敵が裏で糸を引いているような気がしてならなかった。


 ――とにかく、今は、このクソみたいな状況を何とかせねば。



「……クハハッ。貴様たちは、我が聖地・コンスタンティンの国家転覆を目論んだ重罪人として……内乱罪で処刑だ! 有無は言わせん。いいな!」


 と、軍の中でもやたら偉そうな男が、そう剣を構えては威圧してきた。


「あんたは……?」

「お~っと、そうだな。処刑の前に冥土の土産だ。いずれ王になる我が名くらいは教えておいてやろう。オレは『クローズド』だ。コンスタンティン王に認められし、誉れ高き騎士でね。……今回の功績で出世できるところだ。だから、オレのために死んでくれないか……な~んてな、ハハッ」


 クローズド……男はそうイヤミったらしく名乗った。


 ど~でもいいなぁ……なんて思っていれば、ヤツは舌を出し、剣をペロリとなめた。その光景がまるで狂戦士のように思えた。だが、ヤツのそれは威勢だけ。俺は怯むことなくスキルを発動した――



「聖槍・アンティオキアぁぁぁぁぁあッ――!!!!!」



 正直、敵の出方を見極めている時間さえ惜しかった。

 先制攻撃あるのみだ!!


「なにィ!?」


 敵は完全に油断していた。俺の突然の攻撃に、ただただ驚愕(きょうがく)していた。


 敵どもは構える暇もなく――



「ぐああああああああああああああああああああああああ!!!」



 聖槍は敵陣で大炸裂し、広範囲に衝撃波を放出した。

 俺は、ヤツ等を一撃(・・)で無力化し、排除した。よし、楽勝だったな。


「邪魔者は消えた。アヴァロンへ向かうぞ……ん。パロ、俺をそんな初恋相手を見るように凝視してどうした?」

「サトにゃん……。すっごく強いのにゃ……びっくりしたにゃ。カッコいいにゃ!」

「まあ、これでも手加減した方だ」


「パロちゃん。兄様は『聖者』なんですよ。だから、とっても強いのですよ!」


 ――と、フォルが自分の事のように自慢げに説明した。


「それに優しくて、どうしようもないくらいにヘンタイさんで、毎日大変なんですよ♡ 昨日もわたくし、寝られないほど優しく抱きしめて戴きましたから♡」


 おい! 最後ので台無しだ!!

 つーか、ヘンタイはお前だろ! ヘンタイ聖女め!


 ……とにかくだ。アヴァロンへ。



 ◆



 ――アヴァロン前。

 あと少し、すぐそこがエルフの郷の門だ。


 あれを越えれば……!


 駆け足で向かい、アヴァロンに足をつけた、その瞬間(とき)だった……!


 突発的に視界がグニャリと変形し……

 グワングワンと耳鳴りがし始めると……


「がぁっ!?」


 俺の視界がぷっつんと途絶えた。



「――――――」



 ……俺は、この世界は、どうなっちまった……。



 ③


 ②


 ①


 ……、…………、……。



 ――とても暑い夜だった。


 リースの部屋を後にし、俺は軽く溜息をついた。


「ふぅ……最高だったな」


 まさかマッサージをしてもらえるとはな。

 気持ちよかったなー…。すっごく気持ちよかったなぁ……。

 この世と思えないほどに、最高の気分だ。



 ふと、夜空を見上げると、赤い月が笑っていた――ような気がした。



「あれ……この感覚どこかで……デジャヴ?」


 そして、()げ臭いような異臭。

 これは……。


 火事!?


 リースの家が……。

 アヴァロンが燃えている!!


 アヴァロンは、また(・・)炎にやられた。



 ……いや、だから、また(・・)って……。


 って、またこの頭とか耳がおかしくなる現象!

 言うなれば、目に映らない魔の手によって、記憶が無理矢理にでも剥ぎ取られていくような、そんな気色の悪い感じ。これは――この感覚だけはなんとなく覚えていて、でも断片的で。



 あー…俺は、何度(・・)何度(・・)も……。



 また(・・)かあああああああ!!!

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