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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第107話 消えゆくものたち

 失明するかと思った――。


 なんちゅ~光だ。

 一体全体なにが起きたというのか。


 対人地雷にしては、やたらまぶしいだけだ。

 何か起きているようでもないし、光だけ。ピカっと光っただけ。


 つまりなんだ、目くらましの閃光地雷(フラッシュ)だったのか!?


 そんなただの光の中から、ヒトらしき物体が出現していた……。


「んぁ!?」


 目を――自身の脳を疑った。

 そこにいたのは馴染み深い顔だったからだ。



 こりゃ驚いた……。



「おまえ……メサイアか!?」

「なによ、私はニセモノじゃないわよ。あれ……そういえば、前にもこんな事なかったっけ?」


 あったけどな。それはまた状況が違う話である。


「つーか、あの光からメサイアが?」

「光? それは知らないけど、私はただスキルを使っただけ」

「スキルを?」


 つーことは何だ……地雷の光とコイツのスキルによる光がたまたま合致しただけか!? そうであるなら、なんたる偶然か。ややこしいというか、でも、あの地雷とやらの効力は何だったんだか。


 ……まあ、ともかく助かった。


「メサイア、この桃色ロリっ子は、パロ。俺を(かくま)ってくれた救い主だ」

「あら、小さくてカワイイ。よろしくね、パロ」

「ぼくはパロミデスと申しますですにゃ。はー…と、とてもキレイなお方ですにゃ。まるで女神様みたいですにゃ」

「パロ、コイツは、まるで――じゃなくて、本物(・・)の女神だよ」

「そうなんですかにゃ! これは驚き! 奇跡だにゃ!」


 などとメサイアを紹介していれば――



『貴様貴様貴様ああああああああああああッ!!!!!』



 最高指導者(プロビデンスマスター)が起き上がっていた。


 生きていたのか!!


 俺の『ダークニトロ』をまともにくらい生きているとはな。なんちゅーG並の生命力――いや、なにかしらの守護スキルか!?


「フハハ……。バカめ、私はあらゆる増強アイテムで肉体を強化しているのだぞ。それに、数多くのスキルを買い漁り、無限に等しいスキルをこの身に宿しているのだ。最強なのだ。そう簡単にくたばるものか!!」


 やはり、金の力で強化していたか。

 そんなこったろうとは思っていたが、ここまで金に物を言わせる野郎だとはな。


「あのパンツ一丁の変態は誰よ? サトル」


 メサイアは汚い物を見るような目で、最高指導者(プロビデンスマスター)を見ていた。そういえば、まだ教えてなかったな。


 ん……まて。


 よく見ればあの男、パンツ一丁じゃねぇか!!!


 変態だ!!


「ヤツは、明確な敵で変態だ! パロにとってもな」

「ふぅん。じゃあ、もう見るに堪えないから、私の視界から消えてもらおうかしらね……」


 手にグッと力を籠め、メサイアは姿勢を低くした。


 すると、



「ゴッド・ブレイズ・フィンガアアアアァァァ――――――!!!!!!」



 いきなり怒りを爆発させ、敵目掛けて突撃した。



 なんでだ!?


 メサイアの究極スキルと言っても過言ではない、爆裂スキルが最高指導者(プロビデンスマスター)に襲い掛かり――



『――――――!!』



 また、光になった。


 さすがの死神級の威力。

 いや、今は女神(・・)だったな。訂正しておこう。


 さすが女神級の力。


 パンツ一丁の変態は激しく、風車のようにクルクル回転し、空へ飛んで逝った。


 最後には、お星様となり消えた。



 見事に追い払ったなー。

 けど、あれじゃ倒してはいないだろうなぁ。



 ……にしても。


「メサイアさんよ、どうして豪邸(ココ)に?」

「簡単なことよ。『覚醒スキル』を使ったのよ」


 ――覚醒スキル。


 コイツがまともな『女神』になってから発現したスキルツリーのことで、『女神専用スキル』が数多存在するという。

 だから、昔以上に強力なスキルが取得できるようになったらしい。その全容は分からんけどね。なぜか教えてくれないんだよなー。


「なんだ、ワープスキルでもあったのか?」


 つっても、この聖地・コンスタンティンは全体が【ワープ及びテレポート禁止域】に指定されている。うーん?


「私は女神ですからね。これくらいお茶の子さいさいなのよ! ……といっても、このスキルに気づいたのもエルフの郷に着いてからなんだけど。

 って、そうよサトル! それよりエルフの郷が、アヴァロンが支配されてしまうわ! みんなを助けて!」

「なんだって……エルフの郷が!? 分かった! パロ、急ぎですまんが――」

「パロも同行するのにゃ」

「え、一緒に?」

「そうにゃ。この目で確かめたいことがあるのにゃ」

「確かめたいこと?」


 それ以上は教えてもらなかったが、今は急ぎだ。

 メサイアの謎移動スキルで『アヴァロン』へ向かった。



 ◆



 【 ルルイエ 】 (元・アヴァロン)



 ――結論から言おう。

 エルフの郷・アヴァロンは不法に占領され、滅んだ。


 すべて蹂躙(じゅうりん)され、その地、その名すらも奪われた。


 現在は【ルルイエ】と呼ぶようだ。

 近くにその名の看板が立っていたから、間違いないだろう。


「これは……ひでぇ。何があったんだ……」


 全てが瓦礫(がれき)の山になっていた。

 こんな(むご)い……ベルもフォルもいたはずなのに、どうしてこんな事に。あいつらがいるなら、食い止めるくらい出来そうだが。


 出来ただろ……?


 それが出来ないほど、敵が強かったということか。


「メサイア、これは……」

「分からない……どうしてこんなことに……」


 メサイアでも分からんらしい。

 だが、これはコンスタンティン軍の仕業で間違いないだろう。


 あの空高くはためく『白十字の旗』は見覚えがあった。



 大切な仲間であるリースの故郷が消え去った。


 エルフらしき遺体の残骸(ざんがい)も山のように積み重なっている。


 ……ここまで徹底的にやる必要はあったのか。

 これが人間の所業だというのか。



 ふざけるな。



 なにがコンスタンティン軍だ……なにが十万の兵だ。


 俺は、あの一か月前のレイドボス討伐から、随分と腑抜けてしまっていたらしい。ああ、そうだ、堕落していた。認めよう。



 ヤツ等は俺を本気にさせた。させてしまった。


 大規模な衝突は避けるべきと思っていたが、もう賽は投げられた。



 俺は……ヤツ等をぶっ潰す。

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